1 本願商標
本願商標は、「やわらかくん」の文字を標準文字で表してなり、第29類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成14年5月7日に登録出願、その後、指定商品については、当審における同15年7月7日付け手続補正書により、第29類「燻製魚介類,肉の燻製」に補正されたものである。
2 引用商標
本願商標の拒絶の理由に引用した登録第4158919号商標(以下「引用商標」という。)は「やわらかちゃん」の文字を横書きにしてなり、平成8年8月14日に登録出願、第29類「食肉,肉製品」を指定商品として、同10年6月19日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、「やわらかくん」の文字を書してなるところ、各構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、及び等間隔で外観上まとまりよく一体に標準文字で構成されているものであり、「やわらか」の文字とそれを擬人化する、同輩や同輩以下の人の氏名の下に添える語で敬意を表す呼びかたとして用いられる敬称「くん」の文字とが一体となって造語を形成することにより、全体として擬人化された敬意を表す敬称としての印象とともに、常に「ヤワラカクン」の一連の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、上記のとおり「やわらかちゃん」の文字を書してなるところ、各構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、及び等間隔で外観上まとまりよく一体に構成されているものであり、「やわらか」の文字とそれを擬人化する、人を表す名詞に付けて、親しみを表す呼びかたとして用いられる愛称「ちゃん」の文字とが一体となって造語を形成することにより、全体として擬人化された親しみを表す愛称としての印象とともに、常に「ヤワラカチャン」の一連の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
そこで、本願商標から生ずる「ヤワラカクン」の称呼と、引用商標から生ずる「ヤワラカチャン」の称呼とを比較するに、両称呼は、その構成音数に明らかな差異が認められ、十分に聴別し得るものである。
また、本願商標と引用商標とは、外観上明らかに相違し、観念においては、本願商標が「全体として擬人化された敬意を表す敬称としての印象」を与えるのに対し、引用商標は、「擬人化された親しみを表す愛称としての印象」を与えるというべきであるから、観念上も相違し区別し得るものである。
してみると、本願商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標である。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当なものでなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。