結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2004−89003(T2004−89003/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4322360号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成8年3月15日に登録出願され、第28類「遊戯用器具,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,釣り具」を指定商品として、同11年10月8日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録の無効の理由に引用する、登録第707241号商標(以下「引用商標」という。)は、「新世紀」の文字を横書きしてなり、昭和39年10月26日に登録出願、第24類「運動具、その他本類に属する商品」を指定商品として、同41年5月16日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「遊戯用器具,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形,運動用具,釣り具」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第3号証(枝番を含む。)を提出した。
1.請求の利益について
請求人は、「新世紀」と「NEW ERA」の文字とを二段に横書きしてなる商標を平成15年6月6日に登録出願(商願2003ー46770)したところ(甲第2号証の1)、拒絶理由通知書が送付され、引用商標として本件商標が類似するとされたものである(甲第2号証の2)。
しかしながら、請求人は、拒絶理由を受けた甲第2号証の1と標章の構成を共通にする引用商標を所有している。
したがって、請求人は、本件審判請求をするについて利害関係を有するものである。
2.無効の理由
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、明朝体の箱文字である「新世紀」、モダン・ローマン体の「EVANGELION」の欧文字及びその欧文字に重ねるように極めて特異なデザインの箱文字である「エヴァンゲリオン」を表示した構成からなるものである。このように字体、書体及び大きさを異にする本件商標が甲第2号証の拒絶理由に引用されたのは、本件商標の構成において「新世紀」の文字が独立して自他商品の識別標識として機能するものであり、「シンセイキ」の称呼及び「新世紀」の観念を生ずるものと認定されたからである。
他方、引用商標は、「新世紀」の文宇を横書きしてなり、「新世紀」の文字より「シンセイキ」の称呼及び「新世紀」の観念を生ずるものである。
そして、本件商標の指定商品中「遊戯用器具,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形,運動用具,釣り具」は、引用商標の指定商品に包含されるものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、「シンセイキ」の称呼及び「新世紀」の観念を共通にし、その指定商品も類似するもので、両者は商品の出所について混同を生じさせるおそれがある類似の商標とならざるを得ないものである。
(2)むすび
上記のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第56号証を提出した。
1.請求の利益について
本件無効審判請求の利益として、請求人が主張するところは、請求人が登録出願した商願2003ー46770号商標(以下、単に「出願商標」という。)について、本件商標が引用されたからとするものである。しかしながら、単に拒絶理由として本件商標が引用されたことのみをもって、本件商標に対する無効審判の請求利益が存しているか疑問である。何となれば、出願商標は未だ拒絶されたものではなく、意見書をもって、出願商標と本件商標とは類似しないものであることを主張し、拒絶理由を解消する途が残されているからである。
2.本件商標と引用商標との類否について
本件商標は漢字を左横書した「新世紀」と英文字を左横書した「EVANGELION」並びに片仮名を左横書した「エヴァンゲリオン」とを上下三段に表記した態様からなり、片仮名の「エヴァンゲリオン」は、白抜きの特殊な書体からなり、一部は英文字に被さって英文字を覆うような態様で構成されている。
これに対し、引用商標は、漢字を左横書した「新世紀」の態様からなる。 そこで、本件商標と引用商標とを対比すると、両者は僅かに漢字の「新世紀」の部分において一致するにすぎない。しかしながら、本件商標は単に「新世紀」の部分のみをもって把握認識される商標ではなく、「新世紀エヴァンゲリオン」或いは単に「エヴァンゲリオン」又は「EVANGELION」と認識される商標であるから、引用商標とは類似しない商標である。
3.本件商標の周知性について
本件商標「新世紀エヴァンゲリオン/EVANGELION」は、被請求人が制作し、テレビ放映されたアニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」の著名な略称と同一の標章である。アニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」は、少なくとも平成8年1月頃には、我が国において大人気となっており、「EVANGELION」若しくは「エヴァンゲリオン」も、該アニメーションの題名の略称として著名になっていたものである。又、被請求人は、「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターについて商品化の許諾を株式会社バンダイ、株式会社セガ・エンタープライゼス、株式会社ツクダホビー、株式会社ムービック等に付与し、これらの会社より種々のキャラクター商品が市場に提供されており、アニメーションの人気化と共にキャラクター商品も周知・著名となっていたものであり、キャラクター商品に付された標章「EVANGELION」「エヴァンゲリオン」は、少なくとも本件商標が出願された平成8年1月には、アニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」のキラクター商品を指称する商標として周知・著名になっていたものである(乙第1号証ないし乙第56号証)。
4.本件商標の要部について
本件商標は、被請求人が制作、発表したアニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」を指称するものとして、周知、著名になっていたものである。したがって、本件商標は「新世紀エヴァンゲリオン」又は単に「エヴァンゲリオン」或いは「EVANGELION」と把握、認識されることはあっても、「新世紀」の部分のみが独立して取り出されて認識されることはないものであると思料する。したがって、本件商標は「新世紀」と類似しない商標であり、引用商標とは非類似であって、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいい得ないものと思料する。
1.請求の利益について
請求人の提出に係る甲第2号証の1(商標登録願)及び甲第2号証の2(拒絶理由通知書)によれば、請求人は、「新世紀」と「NEW ERA」の文字とを二段に横書きしてなる商標を登録出願(商願2003ー46770号)したところ、該登録出願は、拒絶理由(商標法第4条第1項第11号)の引用商標として本件商標が引用され、未だ、審査に継続している事実が認められる(甲第2号証の2)。
そうしてみると、請求人の登録出願(商願2003ー46770号)は、本件商標の存在をもって、拒絶され得る状態にあるから、請求人は本件無効審判請求をするについて利害関係を有するものというのが相当である。
2.本件商標と引用商標との類否について
(1)本件商標は、別掲に表示したとおり、白抜きの漢字「新世紀」と英文字「EVANGELION」を併記し、さらに、両文字の一部に特異な白抜きの片仮名文字「エヴァンゲリオン」の上部が重なるように三段に表示した態様よりなるものである。
しかして、「新世紀」「EVANGELION」「エヴァンゲリオン」の文字の態様は、それぞれ書体、大きさを異にするとしても、全体の構成は、外観上まとまりよく一体に構成されているものであって、特に「新世紀」の文字部分が顕著に表示されているものでもなく、「新世紀」の文字部分のみを分離して観察されるべき特段の理由は見出せないものである。
また、被請求人の提出に係る乙各号証によれば、「新世紀エヴァンゲリオン/EVANGELION」は、被請求人が制作し、テレビ放映されたアニメーションの題名であって、本件商標はその題名として使用されている標章と構成態様を同じくするものである。
そして、アニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」は、テレビ放送、新聞・雑誌等において頻繁に紹介、掲載されており、さらに、被請求人が「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターについて商品化の許諾をしたものと推認される株式会社角川書店、株式会社バンダイ、株式会社セガ・エンタープライゼス、株式会社ツクダホビー、株式会社ムービック等は、漫画雑誌、種々のキャラクター商品に「新世紀エヴァンゲリオン」「エヴァンゲリオン」「EVANGELION」の文字を使用し市場に提供し、被請求人に係るアニメーションの題名を表すものとして広く知られるに至っているものと認められる(乙第1号証ないし乙第56号証)。
そうしてみると、上記した本件商標の構成及び被請求人により許諾された者がキャラクター商品等に付し使用している事実よりすれば、本件商標は、被請求人が使用するアニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」を認識、理解させることと相俟って、「新世紀エヴァンゲリオン」又は「エヴァンゲリオン」「EVANGELION」の文字部分をもって、商取引に資するものというのが相当であり、単に「新世紀」の文字部分を捉え商取引に資するものとは認められないものである。
そうとすれば、本件商標は、「新世紀エヴァンゲリオン」「新世紀EVANGELION」の文字に相応して「シンセイキエヴァンゲリオン」又は「エヴァンゲリオン」「EVANGELION」の文字に相応して「エヴァンゲリオン」の称呼を生ずるものというべきである。
他方、引用商標は「新世紀」の文字に相応して「シンセイキ」の称呼を生ずるものであるから、本件商標より生ずる「シンセイキエヴァンゲリオン」、「エヴァンゲリオン」の称呼とは明らかに聴別し得る相紛れるおそれのないものである。
また、本件商標は、全体として、特定の意味を有しない造語よりなるものであるから、引用商標とは観念において比較することはできないし、外観においても区別し得る顕著な差異を有するものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標といわざるを得ない。
(2)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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