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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第31006号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第791862号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和42年7月8日に登録出願され、「NON」の文字を横書きしてなり、第7類「建築又は構築専用材料、セメント、木材、石材、ガラス」を指定商品として同43年8月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「建築又は構築専用材料、セメント」についての登録を取り消す。との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

(1)本件商標は、その指定商品中「建築又は構築専用材料、セメント」について、本件審判の請求の登録前3年以上継続して日本国内において使用している事実は何等認められない。

すなわち、本件商標は被請求人である株式会社ユニオン(以下「ユニオン」という。)によって「建築又は構築専用材料、セメント」に使用された事実は何等認めることができない。

また、甲第1号証に示されているように、本件商標には、専用使用権、通常使用権及び質権については何等設定されていない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中「建築又は構築専用材料、セメント」についての登録が取り消されるべきである。

(2)答弁書に対する弁駁

被請求人は株式会社日本アルミ(以下「日本アルミ」という。)に通常使用権を許諾していると主張しているが、提出された証拠にはそれを立証するものは見あたらない。また、登録原簿にも通常使用権を設定した旨の記録はない。

しかるに、提出された証拠によって日本アルミが本件商標権の通常使用権者であるとの主張は相当しない。

被請求人は、商品「アルミニウム製の窓わく」について本件商標「NON」を使用していると主張し、乙第2号証及び乙第3号証にてそれを立証したとしている。

しかしながら、乙第2号証として、商品カタログが添付され、また乙第3号証として、納入品検収記録票が添付されているものの、これらにより本件商標の使用を立証できたとは到底考えられない。

すなわち、乙第3号証として提出された納入品検収記録票には、三協企画印刷株式会社(以下「三協企画印刷」という。)から日本アルミあてに、品名「VALUE−7 NA−V7N」が納入されたとしているが、品名「VALUE−7 NA−V7N」が上記商品カタログを指称しているか否か定かでなく、仮に上記商品カタログを指称するとしても、日本アルミあてに納入したに過ぎず、これが直ちに商標法第50条第2項に規定する「使用」行為であるとは言い難い。

被請求人は上記納入行為が「商品に関する取引書類に商標を附して頒布する行為」に相当すると主張するものと思われるが、上記納入行為は印刷会社たる三協企画印刷が日本アルミあてになした行為であっても、通常使用権者たる日本アルミが上記商品の需要者又は取引者に対してなした行為ではなく、通常使用権者たる日本アルミが使用したとする主張は相当しない。

上記のとおり、本件商標は、通常使用権者によって、本件審判の請求の登録前3年以内に、請求に係る商品について使用されているものではない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出し、同時に証人の尋問を申請した。

被請求人は、本件商標の指定商品中「金属製窓及び金属製窓わく」について、通常使用権を大阪府大阪市東淀川区東中島1丁目19番4号所在の日本アルミに許諾しており、本件商標は、添付の登録商標の使用説明書(乙第1号証)に示すとおり、通常使用権者によって、審判請求の登録日、平成10年10月28日より前に、請求に係る商品について使用されている。

すなわち、本件商標「NON」は、乙第1号証に添付の商品カタログ(VALUE−7,NA−V7N)(乙第2号証)の表紙、中央下辺寄りに、片仮名文字「ノン」を極端にデザイン化した図形と並べて、その右肩に少しく右傾したゴシック体を以て小さく、しかも明瞭に表示されている。

該文字は、並列する図形からは直ちに特定の称呼、観念を看取難いところから、看者は、真先にゴシックで端的に表示されたこの「NON」の文字に着目し、これを以て自他商品の識別標識との認識に及ぶことは明瞭である。

また、該商品カタログに記載の商品アルミニウム製の窓わくが請求に係る「建築又は構築専用材料」中に包含される商品であることはいうまでもない。

また、該商品カタログがカタログ裏面の表示のとおり、平成9年1月の発行に係るものであることについては、添付したカタログの製造者、大阪府大阪市中央区北久宝寺町1丁目2番14号所在の三協企画印刷発行の平成9年1月30日付被請求人宛の該カタログ(VALUE−7,NA−V7N)の納入品検収記録票(乙第3号証)を以て、これを立証する。

なお、被請求人は上記の主張事実については、商品カタログ(乙第2号証)の作成に関わった上記三協企画印刷の代表者入口弥太彦を証人として申請し、その証言により補強したい。

上記のとおり、本件商標は、通常使用権者によって、審判請求の登録日より前に、請求に係る商品について使用されているものである。

4 当審の判断

請求人は「被請求人は日本アルミに通常使用権を許諾していると主張しているが、提出された証拠にはそれを立証するものは見あたらない。また、登録原簿にも通常使用権を設定した旨の記録はない。しかるに、提出された証拠によって日本アルミが本件商標権の通常使用権者であるとの主張は相当しない。」旨主張しているので、まずこの点について検討するに、通常使用権は、商標権者が他人にその商標権について使用の許諾をすることにより発生するものであり、商標登録原簿に登録されることが効力を生ずる要件とはなっていない。そして、被請求人が「被請求人は、本件商標の指定商品中『金属製窓および金属製窓わく』について、通常使用権を大阪府大阪市東淀川区東中島1丁目19番4号所在の日本アルミに許諾しており、本件商標は、添付の登録商標の使用説明書(乙第1号証)に示すとおり、通常使用権者によって、審判請求の登録日、平成10年10月28日より前に、請求に係る商品について使用されている。」旨主張していることから、被請求人が日本アルミに通常使用権を許諾していることについて、商標登録原簿に登録されていないとしても、日本アルミは本件商標に関する通常使用権者でないとはいい得ない。

つぎに、被請求人の提出に係る乙第2号証の商品カタログ(平成9年1月発行)及び乙第3号証の納入品検収記録票(納入日平成9年1月30日)によれば、通常使用権者と認められる日本アルミが、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判の請求の予告登録日である平成10年10月28日前3年以内に商品「アルミニウム製の窓わく」について使用していたものと認めることができる。

また、請求人は「乙第3号証として提出された納入品検収記録票には、三協企画印刷から日本アルミあてに、品名『VALUE−7 NA−V7N』が納入されたとしているが、品名『VALUE−7 NA−V7N』が乙第2号証の商品カタログを指称しているか否か定かでなく、仮に乙第2号証の商品カタログを指称するとしても、日本アルミあてに納入したに過ぎず、これが直ちに商標法第50条第2項に規定する『使用』行為であるとは言い難い。」旨主張しているが、乙第2号証の商品カタログの表紙には、中央上段に顕著に「VALUE−7 NA−V7Mの文字が表示されており、一方、乙第3号証の納入品検収記録票の品名欄にも、「VALUE−7 NA−V7N」の文字が記入されていることから、商品カタログの表示と納入品検収記録票の品名が一致しており、納入品検収記録票の品名「VALUE−7 NA−V7N」がその商品カタログを指称していないものとはいい得ず、さらに、通常、印刷された1,000部の商品カタログが頒布されないものとはみられないことから、日本アルミに納入されたその商品カタログが取引者、需要者に頒布されなかったものとはいい得ず、この点に関する請求人の主張は認めることができない。

してみれば、本件商標は、通常使用権者により、継続して本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中「アルミニウム製の窓わく」について使用されていたものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、請求に係る指定商品についてその登録を取り消すべき限りでない。

なお、被請求人により、証人尋問の申請があったが、本件については上記認定のとおりであるから、その必要を認めない。

よって結論のとおり審決する。

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