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Trademark Appeal Case

モデルルームの展示施設該当性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30474(T2001−30474/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3122432号商標の指定役務中「展示施設の貸与」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3122432号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,入浴施設の提供,写真の撮影,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,墓地又は納骨堂の提供,庭園又は花壇の手入れ,建築物の設計,測量,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,施設の警備,身辺の警備,老人の養護,衣服の貸与,植木の貸与,祭壇の貸与,展示施設の貸与」を指定役務として、平成8年2月29日に設定登録、その後、商標権の一部取消審判(2件)があった結果、その指定役務中「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」及び「デザインの考案」については、その登録を取り消す旨の各審決がなされ、その確定登録が平成13年11月21日及び同15年3月12日にそれぞれなされているものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

(1)請求の理由

請求人は、本件商標が指定役務中の「展示施設の貸与」について使用された事実を知らない。したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、上記役務について取り消されるべきである。

(2)答弁に対する弁駁

本来、展示施設の貸与とは展示施設を専門的に貸与することがその意味するところであって、展示施設そのものの運営で商取引が成立するものである。

しかし、被請求人は本業であるマンション分譲業務の販売場所としてのモデルルームをもって「展示施設の貸与」としているものであって、それは適法な使用とはいえない。当該モデルルームは自社の物件を見せるため、即ち、被請求人がマンションを分譲するための施設にすぎない。

被請求人は「販売場所及びモデルルームを貸与することにより本件商標を使用しているものである。」とするが、「販売場所」は言い換えれば「店舗」であり、「モデルルーム」は店舗に陳列する「見本」に相当するものであるから、見本に示す物が取引の対象なのであって見本を展示することが役務ではない。

したがって、「モデルルーム」は「展示施設」とはいえないものである。

また、乙第1号証及び乙第2号証には本件商標が付されていない。さらに乙第3号証及び乙第4号証は被請求人が分譲するマンションそのものの現場写真とパンフレットであって、「展示施設の貸与」とは全く関係がない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。

(1)乙第1号証(株式会社荒井商店と株式会社荒井ホームズの販売業務提携契約書)に示すように、商標権者である株式会社荒井商店は、株式会社荒井ホームズと販売業務提携契約を平成13年1月16日に締結している。

それによれば、商標権者である株式会社荒井商店が分譲する東京都町田市森野5丁目595番1のマンション「マートルコート町田森野」の販売に係る代理業務を株式会社荒井ホームズに委託し、売買契約締結住戸毎に当該住戸の消費税を含まない本体価格の3.5%を株式会社荒井ホームズに支払っている。

このような商行為の一環の中で商標権者である株式会社荒井商店は、平成13年1月16日より株式会社荒井ホームズに東京都町田市森野5−9−1所在の販売事務所及びモデルルームを貸与することにより本件商標を使用しているものである。

さらに詳述すれば、乙第2号証(商標権者である株式会社荒井商店が株式会社荒井ホームズに貸与している販売事務所及びモデルルームを示す写真)及び乙第3号証(商標権者である株式会社荒井商店が分譲し株式会社荒井ホームズが販売代理業務を行っている「マートルコート町田森野」の概要を示す写真)に示すように、商標権者である株式会社荒井商店は平成13年1月4日に前述の販売事務所及びモデルルームを開場し平成13年1月16日に株式会社荒井ホームズにこれを貸与することにより本件商標を使用している。

乙第4号証は、同販売事務所、モデルルームにて顧客に頒布される本件商標を使用してなる「マートルコート町田森野」のパンフレットである。

(2)しかして、商標権者は、乙第1号証ないし乙第4号証に示すように指定役務「展示施設の貸与」について本件審判請求前より継続して本件商標を使用しているものであり、商標法第50条第1項の規定には該当しない。

4 当審の判断

(1)商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。

(2)そこで、本件審判において、被請求人より提出された乙第1号証ないし乙第4号証について検討する。

被請求人は、本件商標を取消請求に係る役務「展示施設の貸与」について使用していると主張し、その事実を証するものとして、被請求人と株式会社荒井ホームズとによる販売業務提携契約書(乙第1号証)及び被請求人が株式会社荒井ホームズに貸与している販売事務所及びモデルルームを示す写真9葉(乙第2号証)を提出している。しかしながら、これら各書証からは、取消請求に係る役務「展示施設の貸与」について本件商標を使用している事実を見出すことができない。

また、被請求人が分譲し株式会社荒井ホームズが販売代理業務を行っている「マートルコート町田森野」の概要を示す写真2葉(乙第3号証)においては、本件商標が使用されているとしても、該写真は、被請求人が分譲するマンションそのものの建設現場写真であることから、いかなる役務に本件商標が使用されているかは不明である。しかして、取消請求に係る役務「展示施設の貸与」は、品物、作品を並べて一般の人々に見せるための設備を施した建物等を貸与する役務であることから、前記建設現場写真をもって、本件商標が取消請求に係る役務「展示施設の貸与」に使用されていると認めることはできない。

さらに、被請求人が分譲し株式会社荒井ホームズが販売代理業務を行っている「マートルコート町田森野」のパンフレット(乙第4号証)においても、本件商標がその裏表紙に使用されているとしても、該パンフレットは、「建物の売買」及び「建物の売買の代理」に関する役務に係る配布物であって、取消請求に係る役務「展示施設の貸与」との関連性を見出すことができない。

(3)そうとすると、被請求人提出の乙各号証をもってしては、被請求人が、本件審判請求の登録前3年以内に本件審判請求に係る指定役務について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることができないものであり、また、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていないものである。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定役務中の「展示施設の貸与」についての登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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