Trademark Appeal Case
称呼・観念の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−25145(T2002−25145/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「Gluco Balancer」の欧文字と「グルコ バランサー」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、第29類「桑葉エキス・桑葉末・ニガウリエキス・バナバエキス・亜鉛含有ビール酵母・ピコリン酸クロムを主成分とする錠剤状の加工食品」を指定商品として、平成14年3月12日登録出願されたものである。
2.引用商標
原査定で拒絶の理由に引用した登録第4406575商標(以下「引用商標」という。)は、「グルコバランス」の片仮名文字を横書きしてなり、第29類「カイコ粉末・桑の葉エキス・ニガウリエキス・ギムネマシルベスタ・ビタミンB1等を主成分とし錠剤・カプセル剤・顆粒剤に成形した加工食品,食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成11年8月20日登録出願、同12年8月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3.当審の判断
一般に商標が類似するかどうかは、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって判断すべきものであり、その類否判断をするにあたっては、両商標の称呼、観念及び外観を観察し、それらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであると解される。
そこで、まず、称呼について比較すると、本願商標は、前記のとおり「Gluco Balancer」の欧文字と「グルコ バランサー」の片仮名文字を二段に書してなるものであるから、その構成文字に相応して「グルコバランサー」の称呼を生ずるのに対し、引用商標は、前記のとおり「グルコバランス」の片仮名文字を書してなるから、構成文字に相応して「グルコバランス」の称呼を生ずるものである。
そうすると、両商標は、語尾に位置する「サー」と「ス」の音に差異を有する以外全て同じ音構成よりなるものである上に、語尾の音は、いずれも同じサ行に属し響きの弱い無声摩擦音であって、それ自体弱い鼻音である「ン」に続けて発音されるために明瞭には発音され難い音となることから、この差異音が両称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、その語調、語感が、近似したものとなり、互いに聴き紛れるおそれがあるとみるのが相当である。
つぎに、観念について比較すると、「研究社新英和辞典第6版(第1刷2002年3月)」によれば、本願商標の構成中「Gluco」の欧文字部分は、英語で「ぶどう糖、グルコース(glucose)の意の連結形」を、そして、「Balancer」の欧文字部分は、「平衡【釣合い】を保つ人、平衡器、釣合い装置」を意味し、「グルコバランサー」の文字部分は欧文字部分全体の片仮名表記にすぎないから、本願商標全体からは「グルコースの釣合いを保つもの」なる観念を想起させるものである。
これに対し、引用商標の構成中「グルコ」の文字部分は、前記のとおり、英語で「ぶどう糖、グルコース(gluco)の意の連結形」の「Gluco」の片仮名表記、そして、「バランス」の文字部分は、「平衡、均衡、バランス、バランスのとれた状態」を意味する「balance」の片仮名表記と理解できるものであるから、これらを一連に「グルコバランス」と書してなる引用商標全体からは「グルコースの釣合い(のとれた状態)」なる観念を想起させるものである。
そうであるならば、両商標は、看者に与える観念において極めて近似したものとなり観念上相紛らわしいものということができる。
さらに、外観において比較すると、本願商標は、「Gluco Balancer」の欧文字とその片仮名表記である「グルコバランサー」の文字とを二段に書してなるのに対し、引用商標は「グルコバランス」の片仮名文字のみからなる構成であり、両商標を並べて観察すれば、外観の違いを認識できるといえる。
しかし、本願商標の構成において、片仮名文字部分は、欧文字部分の片仮名表記にすぎないから、それ自体が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得る部分となって、取引に資される場合が十分にあるといえる。
その場合において、本願商標の片仮名文字部分と引用商標を外観上比較すると、両者は、末尾の「サー」と「ス」の文字が相違する以外全て構成文字を同じくするものであるが、これを時と所を異にして隔離的に観察するときは、両者の観念が相紛らわしいという要素も加わって、両商標の末尾に位置する文字の記憶が曖昧となり、外観上相紛らわしい印象となり、互いを見誤るおそれがある場合が十分にあるといえるものである。
そうすると、両商標は、外観上、取引者、需要者に出所について誤認混同を生じさせるおそれがある場合のあるものと判断するのが相当である。
してみれば、両商標は、称呼上近似するばかりか、観念上及び外観上も相紛らわしく、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、互いに類似する商標とみるのが相当である。
また、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は、互いに同一又は類似するものである。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似である旨主張しているが、本願商標と引用商標との類否判断は、両商標について個別具体的に行えば足り、過去の審査例、審決例等の判断に拘束されることなく検討されるべきものであり、本件については、前記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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