Trademark Appeal Case
称呼類似性:語頭音の清濁
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−14106(T2002−14106/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、やや図案化した「HYSTEX」の欧文字を横書きしてなり、第20類、第24類、第25類、第27類及び第28類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成13年6月14日に登録出願されたものである。
2.引用商標
原査定において本願の拒絶の理由に引用された登録第2447839号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成元年3月31日に登録出願、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として同4年8月31日に設定登録され、その後、同14年3月26日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに同14年7月31日に指定商品を第25類「被服」とする書換登録がされているものである。
同じく登録第2465801号商標(以下「引用商標2」という。)は、引用商標1と同一の構成からなり、平成元年3月31日に登録出願、第24類「運動具、その他本類に属する商品」を指定商品として同4年10月30日に設定登録され、その後、同14年5月28日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに同14年10月16日に指定商品を第9類「ウェイトベルト,ウェットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター」、第22類「ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」及び第28類「運動用具,釣り具」とする書換登録がされているものである。
同じく登録第4129628号商標(以下「引用商標3」という。)は、「VISTEX」の文字を横書きしてなり、平成8年7月3日に登録出願され、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として同10年3月27日に設定登録されたものである。
3.当審の判断
本願商標と各引用商標との類否について検討するに、本願商標は、その構成文字に相応して、「ヒステックス」の称呼を生ずるものといえる。
他方、引用商標1及び2は、それぞれの構成に照らし、いずれも「ピステックス」の称呼を生ずるものである。また、引用商標3は、その構成文字に相応して、「ビステックス」の称呼を生ずるものといえる。
しかして、本願商標から生ずる「ヒステックス」の称呼と、各引用商標から生ずる「ピステックス」又は「ビステックス」の称呼とは、同音数からなり、語頭音が「ヒ」の清音であるか半濁音又は濁音であるかの差異を有するのみで、他の配列構成音を悉く同一にするものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感音調が極めて近似し、彼此相紛らわしいものと判断するのが相当である。
この点に関し、出願人は、語頭音は明確かつ強めに発音されることから聴覚上相紛れることはないと主張するが、たとえ、語頭音であっても、必ず明確かつ強めに発音されるとは限らないし、上記各称呼は、語頭音以外の他の構成音が悉く同じで、しかも、中間の「テ」の音が促音を伴って強く響くこととも相俟って、上記語頭音の差異は微差というべきであって、その全体に及ぼす影響はわずかなものであり、全体の称呼が相紛らわしいものであるから、出願人の主張は採用することができない。
また、出願人は、出願人の代表的商標である「HYSTERICGLAMOUR」が「被服」等について使用する商標として周知著名になっていることから、本願商標は出願人に係る商品であることを認識させ、本願商標と各引用商標とは観念においても類似するものでないとし、証拠方法として甲第1号証ないし同第11号証(枝番号を含む。)を提出している。
確かに、提出された上記証拠によれば、被服等について「HYSTERICGLAMOUR」の商標が使用されていることが認められ、該商標が需要者間にある程度知られているものといえる。
しかしながら、本願商標自体が使用されていることを示すものは殆ど無いばかりでなく、例えば「HYSTERICGLAMOUR」の商標が「HYSTEX」と略称されて周知著名になっているとか、「HYSTERICGLAMOUR」が「HYSTEX」として実際に取引されているというように、「HYSTERICGLAMOUR」の商標と本願商標との関係を示すものも何ら見当たらない。
そうすると、たとえ「HYSTERICGLAMOUR」の商標が周知であるとしても、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が出願人に係る商品であると認識するようなことはなく、むしろ本願商標は特定の親しまれた既成の観念を有しない造語として認識し把握されるというのが相当である。
してみれば、本願商標が出願人に係る商品であることを認識させるものであるとし、本願商標と各引用商標とが観念上類似するものでないとする出願人の主張は、前提を欠くものであって採用することができない。
そして、本願商標と各引用商標とは、いずれも特定の親しまれた観念を有しないものであって、観念上それぞれを比較すべくもないものである。
以上からすれば、本願商標と各引用商標とは、外観において相違し観念上比較できないものであるとしても、これらの差異が上記称呼の類似性を凌駕するものとも言えないものであるから、結局、本願商標と各引用商標とは、称呼上類似する商標と言わざるを得ない。
そして、本願商標の指定商品中の第20類「愛玩動物用ベッド、スリーピングバッグ」、第25類「洋服、コート、セーター類、運動用特殊靴等」、第28類「運動用具」等と各引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品と言えるものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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