Trademark Appeal Case
地名商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−22353(T2002−22353/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「小樽運河倉庫」の文字(標準文字による)を書してなり、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、平成13年10月4日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、観光地として広く知られている小樽市の運河沿いの倉庫街を認識させるに止まる「小樽運河倉庫」の文字を普通に用いられる方法で表してなるものであるから、これを本願指定役務に使用するときは、単に役務の提供場所を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「小樽運河倉庫」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、該「小樽運河倉庫」の文字は、例えば、平成11年(1997年)9月12日付け北海道新聞朝刊に「小樽運河倉庫の再開発 きょう2店舗が開店」の記事見出しの下、「小樽運河沿いの石造り倉庫を活用し、レストラン『小樽海鮮工房バンキーナ』と併設するカフェバー『ボートキー』が、十二日に開店する。運河沿い倉庫は相次いでレストランなどへの再開発が進み、これで計画の五店舗が出そろう。(後略)」との記事が掲載されていることに照らせば、小樽市にある「小樽運河沿いの石造りの倉庫」を指し示すものとして、一般に広く用いられていることが認められる。
また、「コンパクト版 日本地名百科事典」(株式会社小学館、1998年6月20日初版第一冊発行)の「小樽運河」の項目中に、「倉庫を利用したガラス工芸館、民芸館や小樽市博物館などが開設され、新しい観光地となった。」との記載があること、さらに、小樽市のホームページ(http://www.city.otaru.hokkaido.jp/)の「かんこう小樽」の中の「小樽観光写真素材集」の項目中に、「石畳の散策路とガス灯を配したノスタルジックな景観の小樽運河。運河沿いには明治大正期に造られた倉庫が建ち並び、夜はライトアップで幻想的に浮かび上がる。石造り倉庫はレストランや硝子、オルゴールなどのショップとして再利用され、多くの観光客で賑っている。」との記載があること並びに株式会社ジェイティービーのホームページ(http://www.jtb.co.jp/)の「日本の旬」の中の「Travel&Life2003年11月号」の項目中に、「JR函館本線の小樽駅前から真っ直ぐに伸びる中央通りを北東に向かうと、小樽運河に突き当たる。石造りの倉庫群が水面に影を落とし、運河と平行に沿って石畳が続くここは、小樽一の観光名所だ。(中略)数多く残る倉庫は観光案内所や小樽市博物館として、またレストランなどが入る飲食街として再利用されている。夜は夜で運河付近のガス灯に火が点り、ロマンあふれる散歩道となっている。」との記載があることに照らせば、「小樽運河倉庫」が観光地であり、かつ、本願商標の指定役務である「飲食物の提供」が行われる場所として広く知られていることが認められる。
してみれば、「小樽運河倉庫」の文字は、「小樽運河沿いの石造りの倉庫」を指称するものであって、かつ、レストラン等において飲食物の提供が行われる場所として広く知られているものであるから、該文字「小樽運河倉庫」からなる本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、役務の提供の場所を表す語として理解、認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、小樽市の運河沿いに建ち並ぶ倉庫群が「小樽運河倉庫」の名称や通称で広く呼び慣わされている事実は全く存在せず、しかも、該倉庫群がレストラン、ビアホール、炉端焼き等の「飲食物を提供する役務」の提供エリアとして広く知られた存在でもない旨述べるとともに、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、本願商標「小樽運河倉庫」の文字が「小樽運河沿いの石造りの倉庫」を指称するものであって、かつ、レストラン等において飲食物の提供が行われる場所として広く知られているものであり、該文字を本願商標の指定役務に使用しても自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないことは、前記のとおりであり、また、該登録例は、いずれも商標の構成等において本願とは事案を異にするものであるから、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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