結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2004−30462(T2004−30462/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4051046商標(以下「本件商標」という。)は、「THE NATURAL ONE」の欧文字を横書きしてなり、平成7年10月6日登録出願、第5類「浴剤、その他の外皮用薬剤」を指定商品として、同9年8月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べた。
本件商標は、その指定商品について、被請求人により過去3年間使用されていない。したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきである。
(1)乙第2号証(薬用入浴剤の包装用外箱の写真)について(なお、乙各号証は算用数字で表示した。以下同じ。)
乙第2号証の外箱が「薬用入浴剤」5ケ入のものであることは理解できても、それが実際に製造され、商品「浴剤」が当該外箱を包装として、本件審判において「使用」を要求される期間内に取引の場において使用されたものであるか否かについては、何の根拠もなく、名目的使用にすぎないものである。
(2)乙第3号証の1及び2(包装用外箱の仕様書)について
乙第3号証の1は、レンゴー株式会社(以下「レンゴー」という。)から株式会社アルソア本社(以下「アルソア本社」という。)に宛てた書類であることが理解できたとしても、被請求人がいう「アルソア本社宛の『レンゴー』の上記『浴剤』の外箱の仕様書」であることを特定する情報が存在しない。
乙第3号証の1及び2は、綴じられて一体とされているが、これらが原本において一体であることは示されておらず、乙第3号証の2を乙第3号証の1に添付して一体とし、「仕様書」であると称しているだけのものであるとも考えられる。
仮に乙第3号証が「仕様書」であったとして、何故に、その仕様(乙第3号証の2のものがそれであるとして)のものが、「使用」を要求される期間に取引に供されていたことが立証されているものといわざるを得ないのであるか、疑念を禁じ得ない。そもそも仕様書なるものは、納入物につきこのような仕様であることを示すものであり、例えば、乙第3号証の2に示す仕様の提案があったからといって、その仕様のものが、製造販売に供され、取引の場に置かれたことを立証することにはならない。
さらに、年月日欄に「2002/9/19」の印刷があり、「’02.9.24」のゴム印が押されているが、これが日付を示すものであるとして、その日付はおそらく、乙第3号証の1なる書面を提出した日を示すだけのものであって、その仕様のものの製造販売とは何の関係もないのである。
また、被請求人は、乙第3号証の「アルソア本社」を通常使用権者であるとしているが、通常使用権に関する契約書、あるいは通常使用権の設定登録を証する書面等の提示もなく、アルソア本社が通常使用権者であることを示す証拠は存在しない。
(3)乙第4号証(取引書類)について
乙第4号証が注文書であるとして、注文者の名称は記載されているものの、注文先の社名も住所も記載されておらず、これがアルソア本社宛に送られた注文書であるかは不明である。また、この注文書に記載された「ARSOA/THE NATURAL ONE」が商標として機能しているか否か、そしてそれが商標権者とどのような関係をもつ者によって使用されるのは全く示されていない。注文書に「THE NATURAL ONE」」を含む標章が付されていても、それが商標権者、専用使用権者、通常使用権者に使用されていない場合には、「使用」には該当しない。
また、上記注文書に「THE NATURAL ONE」」を含む標章が付されていても、当該標章は、注文書発行主体たる「(株)モーリエ物流サービス」(乙第4号証の1)や「・ステップ」(乙第4号証の2)を表示する者として使用されていないことは明らかであり、前述のとおり、アルソア本社が通常使用権者であるか否かが全く不明であることからすれば、乙第4号証が本件審判における使用を証明するものではない。
さらに、アルソア本社は、製造メーカーではなく、販売会社であると考えられるから、この場合の使用は、使用権者としての使用ではなく、商品の流通過程上において、単に消尽理論のもとで適法に使用しているにすぎないものである。
(4)むすび
以上のように、乙各号証によっては、本件商標を付した商品等が取引の場に置かれる等使用の定義に合致すること、その使用が商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかによって本件審判の請求前3年以内にされたことが証明されていないから、本件商標は、商標法第50条により取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)乙第2号証は、「薬用入浴剤」入り小箱とこれの5ヶ入り外箱の写真2葉であり、外箱の右下方には、「ARSOA」の下段に本件商標「THE NATURAL ONE」が表示されており、乙第3号証は、レンゴーからアルソア本社に宛てた上記「薬用入浴剤」の外箱の仕様書であり、その表紙に年月日として、2002年9月19日が示され、外箱の展開図には本件商標「THE NATURAL ONE」も表示されている。
(2)乙第4号証は、アルソア本社の業務に係る商品「薬用入浴剤」に関する取引書類(注文書)で、これらの右上方には「ARSOA」の下段に本件商標「THE NATURAL ONE」が表示されており、そのうち乙第4号証の1及び2は、その作成日が16年3月19日となっている。
(1)請求人は、乙各号証によっては、本件商標を付した商品等が取引の場に置かれる等使用の定義に合致すること、その使用が商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかによって本件審判の請求前3年以内にされたことが証明されていない旨主張する。
しかしながら、「薬用入浴剤」5ケ入り外箱(乙第2号証)に本件商標が表示されていることは、商標法第2条第3項第1号に規定されている「商品の包装に標章を付する行為」に基づくものであるから、本件商標の使用があったことを明らかにしているというべきである。
(2)請求人は、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に使用されたことについて疑義を有する旨主張するが、「薬用入浴剤」の外箱(乙第2号証)がその仕様書(乙第3号証)に基づいて作成されたものであり、仕様書には、仕様書の作成(納入)年月日が明らかにされているから、その日付からも上記外箱が本件審判の請求の登録前3年以内に作成されたものであることを明らかにしている。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録が取り消される理由はないものである。
(1)乙第2号証は、「ねむの湯」、「薬用入浴剤」等の文字が表示された包装用小箱及び該小箱が5個入ると認められる包装用外箱の写真2葉であるところ、包装用外箱の正面右下に、やや図案化した「ARSOA」(以下「ロゴマーク」という。)の文字とその下に小さく「THE NATURAL ONE」の文字が表示されている。
(2)乙第3号証の1及び2は、レンゴーがアルソア本社に宛てた「ねむの湯 5ケ入 外箱」の仕様書と認められるところ、乙第3号証の1の「年月日」欄には、「2002/9/19」と記載され、「検印」欄に捺印及び「'02.9.24」のゴム印がある。また、乙第3号証の2は、上記外箱の展開図と認められるところ、その正面、背面及び上面に当たる部分には、ロゴマークとその下に小さく「THE NATURAL ONE」の文字が表示されている。
(3)乙第4号証の1及び乙第9号証は、注文書(写し)と認められるところ、これらの注文書は、あらかじめ注文を受ける者の取扱いに係る商品を一覧表にして網羅的に表示して印刷してあり、注文者は上記一覧表に掲げられている商品の中から注文する商品を選び、注文する商品があった場合は「商品名」欄の脇の「個数」欄にその注文数を書き入れる形式のものである。そして、上記一覧表の「商品名」欄には「ねむの湯」の記載が含まれている。
また、これらの注文書の上段右側には、ロゴマークとその下に小さく「THE NATURAL ONE」の文字が表示され、「16年3月19日」の日付が記載されている。また、乙第4号証の1の上段左側には「(株)モーリエ物流センター様」と、乙第9号証の上段左側には「ザ・ステップ様」と記載されている。さらに、乙第9号証は、その最上段に、「04-3-19; 2:03PM;有限会社 アルソア・ザ・スッテプ」、「アルソア本社物流」等の文字が記載され、「商品名/ねむの湯」の「個数」欄には「5」が記載されている。
(4)乙第5号証及び乙第6号証は、「株式会社アルソア央粧」及び「株式会社アルソア本社」の各登記簿謄本であるところ、これらによれば、両者は、いずれも本店所在地を「山梨県北巨摩郡小淵沢町2961」とし、代表取締役を同一人と認められること、「目的」の一つに「医療品及び医薬部外品の製造販売」が掲げられていること、被請求人は、平成11年1月29日に東京都渋谷区渋谷三丁目26番地20号から上記住所に本店を移転したことなどが認められる。
(5)乙第7号証は、被請求人とアルソア本社との間で締結した平成16年2月27日付け「事務委託契約書」であるところ、該契約書によれば、被請求人は、アルソア本社に対し、アルソア本社の製造する商品等に被請求人の所有する商標の使用をする権利を与え、アルソア本社がその対価を支払うことを内容の一つとするものである。
(8)乙第8号証は、本件商標の登録原簿(写し)であるところ、これによれば、被請求人は、平成16年6月7日受付の登録名義人の表示の変更により、「山梨県北巨摩郡小淵沢町2961番地」となり、その登録が同年6月21日にされている。
そして、本件使用に係る商品「薬用入浴剤」が本件取消に係る指定商品中に含まれているものであることについては、請求人は争うことを明らかにしていない。
そうすると、本件商標の通常使用権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件取消に係る指定商品中の「薬用入浴剤」について、本件商標を使用していたと推認することができ、本件商標の使用は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る態様のものというのが相当である。
(1)請求人は、乙第2号証について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用されたとの証拠がないから、名目的使用にすぎない旨主張し、さらに、乙第3号証の1及び2について、要するに「仕様書」があったとしても、これをもって、本件商標が使用された商品が製造販売に供され、取引の場に置かれたことを立証することにはならないから、本件商標の使用とはいえない旨主張する。
しかし、前記認定のとおり、通常使用権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、その取扱いに係る「薬用入浴剤」の包装用外箱に本件商標を表示したことが認められ、本件商標の使用は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る態様のものというのが相当であり、これは、商標法第2条第3項第1項に規定する「商品又は商品の包装に標章を付する行為」に該当するものといわざるを得ない。
(2)請求人は、乙第4号証について、要するに、注文先は、社名も住所も記載されておらず、これが通常使用権者とは認められないアルソア本社宛に送られた注文書であるかは不明である。また、注文書に記載された「ARSOA/THE NATURAL ONE」がいずれの者の商標として機能しているか不明であるから、上記注文書が本件審判における使用を証明するものではない旨主張する。
しかし、前記認定のとおり、アルソア本社は本件商標の通常使用権者と認めることができ、また、注文書は、前記1(3)で認定のとおり、注文を受ける者があらかじめ自己の取扱いに係る商品を一覧表にして印刷し、注文者がその中から注文の商品を選び出す形式のものと認められるから、注文を受ける者の作成に係るものと推認することができ、注文書の上段に記載された「アルソア本社物流」の文字、ロゴマークの表示からみて、注文書に表示された「THE NATURAL ONE」は、通常使用権者の取扱いに係る商品を表示するためのものとして機能しているとみることができる。
(3)したがって、請求人の上記に関する主張はいずれも採用することができない。また、その他に関する請求人の主張は、いずれも理由がなく、他に前記認定を覆すに足るものとは認められない。
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が本件請求に係る指定商品中の「薬用入浴剤」に本件商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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