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結論

敗訴(請求棄却)

商標「KOBECOSME」の地名と一般名称の結合の識別力(第3条第1項第3号|審判無効2004−89034(T2004−89034/J3))

審判番号
無効2004−89034(T2004−89034/J3)
審判種別
無効

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「KOBECOSME」
争点(論点)
地名と一般名称の結合の識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
第3類
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判無効2004−89034(T2004−89034/J3)・無効)は、本件商標「KOBECOSME」について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「地名と一般名称の結合の識別力」です。指定商品・役務は第3類に属します。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4543052号商標(以下「本件商標」という。)は、「KOBECOSME」の欧文字を横書きしてなり、第3類「化粧品」を指定商品として、平成11年2月26日登録出願、同14年2月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。

(1)本件商標は、以下述べるように、商標法第3条第1項第3号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は、商標法第46条第1項の規定により無効とされるべきである。

(2)商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の品質その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによると解される(昭和53年(行ツ)第129号、昭和54年4月10日最高裁判決)。

したがって、ある登録商標がその登録査定時において、指定商品の産地、販売地等を表示するものとして既に使用されていて一般の取引者・需要者にもそれが認識されていた場合、若しくは、現実に使用されていなくても当該商標からその指定商品の産地、販売地等を表す直接的ないし具体的な意味合いを取引者・需要者が直ちに把握、認識するものであった場合には、当該商標の登録は、商標法第3条第1項第3号の規定に違反してなされたものとして無効とされるべきである。

(3)これを本件商標についてみるに、本件商標は、「KOBECOSME」の欧文字を普通に用いられる方法で書してなるものであって、これが「KOBE」と「COSME」の文字を結合したものであることは容易に理解し得るものである。

そして、本件商標中前半の「KOBE」の文字は、兵庫県南東部、大阪湾北西岸に位置する都市であって、県庁所在地でもあり、我が国有数の貿易港を擁する阪神工業地帯の中核をなす神戸市を指称する「神戸」(広辞苑、日本地名事典等)の欧文字表記として広く一般に親しまれ、かつ、使用されていると認められるものである(甲第2号証の1及び2)。

なお、該「神戸(KOBE)」は、商業・工業等が発展した大都市であるところから、その地において、本件商標の指定商品である「化粧品」が製造・販売されることは改めていうまでもない。

また、本件商標中後半の「COSME」の文字は、「化粧品」を意味する「COSMETICS」の略称として、該「KOBE」と同様に一般に親しまれているばかりでなく、本件商標の指定商品である「化粧品」を取り扱う業界においては、その意味合いで普通に使用されているのが実情である(甲第3号証ないし甲第5号証の4)。

このことは、「COSMEKIT」の文字よりなる商標に係る東京高裁の判決(平成15年(行ケ)第270号)において、「『コスメ』の語が『化粧品』を意味することは、一般の取引者、需要者にとって容易に理解できるものというべきであり、化粧品の分野の取引者、需要者の間において、『COSME』『コスメ』の語が上記と同一の意味で用いられていることが認められる。」旨の判示がなされていることからも是認できる(甲第6号証)。

してみれば、本件商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、「神戸の化粧品」との意味合い、すなわち、神戸で製造又は販売される化粧品であることを表示したものとして直ちに把握し、理解するものとみるのが自然である。

したがって、本件商標は、単に商品「化粧品」の産地、販売地を表示するにすぎないから、自他商品の識別標識としての機能を有しないものである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、前記3の請求人の主張に対し、答弁するところがない。

5 当審の判断

(1)本件商標は、前記のとおり、「KOBECOSME」の文字を同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で書され、外観上一体的に表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「コーベコスメ」の称呼も無理なく称呼し得るものである。

そうすると、「KOBE」の文字それ自体が兵庫県の神戸市を、また、「COSME」の文字それ自体が「化粧品」を意味する「cosmetic」の略語を表したと理解される場合があるとしても、上記構成よりなる本件商標にあっては、これを「KOBE」と「COSME」の各文字に分離して観察することなく、「コーベコスメ」とのみ称呼される一連の造語を表したと理解されるとみるのが相当である。

また、甲第2号証の1ないし甲第5号証の4を徴するも、化粧品を取り扱う分野において、「KOBECOSME」の語が「神戸で製造又は販売される商品」の意味合いをもって、普通に使用されているという事実は見出し得ない。

そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を発揮するものといわなければならない。

(2)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものではない。

よって、結論のとおり審決する。

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