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Trademark Appeal Case

「.com」商標の要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−9891(T2002−9891/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「easy.com」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第16類、第35類、第36類、第38類、第39類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、1999年10月6日付けでイギリス国に商標出願した出願を基にパリ条約による優先権主張をして、平成12年4月6日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品及び指定役務については、原審において平成13年10月30日付け及び当審において同14年6月3日付の手続補正書により、最終的に第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,インターネットによる通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,電子メールによる通信,コンピュータネットワーク(インターネットを含む。)への接続の提供,電気通信情報の提供,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与,電話の加入契約の代理,移動体電話の加入契約の代理,小型携帯無線呼出し機の利用契約の代理」と補正されたものである。

2 原査定で引用した引用商標

原査定において本願の拒絶の理由に引用した登録第4005479号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成6年6月9日に登録出願され、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、平成9年5月30日に設定登録され、現に有効に存続している。

3 当審の判断

本願商標は、上記のとおり「easy.com」の文字を標準文字で表してなるものである。

ところで、近時、世界中の政府組織、大学、企業、個人等のコンピュータネットワークを相互接続した大規模なネットワークを指称するインターネットの普及は目覚しいものがある。

そして、このインターネットに接続して情報の検索や閲覧、電子メールやファイルの送受信等を行う場合、接続先を特定するためにドメイン名が使用されるが、このドメイン名は、「インターネットの住所表示」ともいわれ、ホームページのアドレスや電子メールアドレス等の一部として使用されている。その構成は、トップレベルドメイン(以下「TLD」という。)を頂点として階層構造をもっており、文字の並びを「.」(ドット)でつなげたものであって組織形態を識別することができる。例えば、日本国を表す「.jp」、「商業の営業組織」を表す「.com」等のTLDがあるが、「.com」については、転じてインターネットを中心にビジネスを行う企業(ドットコム企業)を表すものとしても広く一般に知られているものである。

しかして、本願商標は、「easy」の文字部分と「.com」の文字部分とを組み合わせてなるものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、前記実情より、「.com」の文字部分は、TLDが意味する「商業の営業組織」を、或いは、ドットコム企業を表示するものとして把握、理解するものとみるのが相当である。

そうとすれば、本願商標の自他役務識別機能を果たす部分は、「easy」の文字部分にあるから、本願商標は、書された文字に相応して「イージードットコム」の称呼の他、単に「イージー」の称呼及び「容易な、平易な」等の観念をも生ずるものといわなければならない。

他方、引用商標は、別掲に示すとおり、細線で書されたで4個の正六角形と3個の正六角形を重ね合わ如くの輪郭内に「EASY」の欧文字と「851」の算用数字を配してなるところ、その輪郭部分は、欧文字及び算用数字を装飾或いは強調したものにすぎず、また、算用数字は、それ自体構成上極めて簡単なものであり、日常広く使用されている上、役務の質、内容等を表すための記号、符号として取引上随時採択使用されている実情にあることから、引用商標を構成する「851」の算用数字は、その一類型にすぎないものとみるのが相当である。

そうとすれば、引用商標の自他役務識別機能を有する部分は、「EASY」の文字部分にあるから、引用商標は、単に「イージー」の称呼及び「容易な、平易な」等の観念をも生ずるものといわなければならない。

してみれば、本願商標と引用商標とは、その外観について考慮したとしても、本願及び引用の両商標から生ずる「イージー」の称呼及び「容易な、平易な」等の観念を共通にする類似する商標といわざるを得ず、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と抵触するものである。

したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

なお、請求人は、「本願商標は、同人の属する企業グループが所有するインターネットドメイン名『easy.com』と同一であり、前記ドメイン名は通常『イージードットコム』とのみ称呼される。『.com』の文字は当該ドメイン名が企業又は事業に関するものであることを表すTLD(トップレベルドメイン)であるが、TLDには『.com』以外にネットワークを表す『.net』、非営利組織等を表す『.org』、国名を表す『.jp』『.cn』などの多数の種類がある。そのため、ドメイン名『easy.com』から『easy』のみが分離されて、『イージー』と称呼された場合、『easy.net』、『easy.org』、『easy.jp』など、他のTLDを有するドメイン名との区別ができなくなる。この理由により、ドメイン名『easy.com』が『イージー』と称呼されることはほとんどない。」旨主張する。

しかしながら、インターネット上の住所表示を目的としている「ドメイン名」と商標とを比較すること自体適当でない。そもそも商標法における商標は、自他商品、役務識別機能を本質的機能とするところ、簡易迅速を尊ぶ商取引の場で、各構成部分がそれを分離観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められない商標は、常に必ずしもその構成部分全体をもって称呼、観念されず、その一部だけによって簡略に称呼、観念され得るものであり、このことは商取引の経験則の教えるところである。

これを本件についてみるに、本願商標の構成中「.com」の文字部分は、前述のとおり、TLDの部分で「商業の営業組織」を、或いは「ドットコム企業」を表し自他役務識別機能を果たし得な部分であるから、本願商標の要部は、「easy」の文字部分にあり、これより単に「イージー」(容易な、平易な)の称呼、観念を生ずるものである。

してみれば、本願商標をドメイン名として使用する場合を前提に、これより「イージードットコム」とのみ称呼されるとする請求人の主張は、その前提において失当であり採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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