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Trademark Appeal Case

称呼・外観の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第35368号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4142992号商標(以下「本件商標」という。)は、「NOMO」の欧文字を横書きしてなり、平成8年1月12日登録出願、第16類「紙類,紙製包装用容器,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤」を指定商品として、平成10年5月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標

本件審判請求人(以下「請求人」という。)が、本件商標の登録を無効とする理由に引用する商標は、次のものである。

(1)登録第563938号商標(以下「引用A商標」という。)は、「モノ」の片仮名文字を書してなり、第51類「文房具」を指定商品として、昭和34年12月14日に登録出願、同35年12月20日に設定登録され、その後昭和56年2月27日及び平成3年7月30日の2回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続している(甲第2号証の1、及び2)ものである。

(2)登録第2395626号商標(以下「引用B商標」という。)は、「MONO」及び「MINI」の欧文字を二段に横書きしてなり、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、平成1年3月31日に登録出願、同4年3月31日に設定登録され、現に有効に存続している(甲第3号証の1、及び2)ものである。

(3)登録第2614661号商標(以下「引用C商標」という。)は、「MONO」の欧文字を書してなり、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、平成2年12月21日に登録出願、同6年1月31日に設定登録され、現に有効に存続している(甲第4号証の1、及び2)ものである。

(4)登録第2564374号商標(以下「引用D商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第1類「のりおよび接着剤」を指定商品として、昭和63年9月12日に登録出願、平成5年8月31日に設定登録され、現に有効に存続している(甲第5号証の1、及び2)ものである。

(5)登録第2097505号商標(以下「引用E商標」という。)は、「MONO」の欧文字を書してなり、第20類「畳類、敷き物、屋内装置用布製品、その他の屋内装置品(花びん、水盤、風りん、つい立て、びようぶ、照明がくぶちを除く)天幕、日おおい、雨おおい、苗床幕、灯ろう、食品見本模型、葬祭用具」を指定商品として、昭和61年12月5日に登録出願、同63年11月30日に設定登録され、その後平成10年7月14日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続している(甲第6号証の1、及び2)ものである。

3 請求人の主張

請求人は、「本商標権の指定商品中『紙類,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド』を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると主張して、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至同第8号証(枝番を含む)を提出した。

(1)本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであることについて

本件商標と引用各商標との類否について検討するに、本件商標は上記したように「NOMO」の欧文字を横書きしてなるものであるから、これより「エヌオーエムオー」または「ノモ」の称呼を生ずるものと認められる。これに対して、引用各商標は、「モノ」または「MONO」の欧文字を横書きしてなるものであるから、これよりは「エムオーエヌオー」および「モノ」の称呼を生ずるものと思われる。してみれば、本件商標と引用各商標とは「M,N,O」の欧文字及び「モ,ノ」の文字を共通とし、生ずる称呼についてもその差は「ヌ」と「ム」の音が入れ替わっただけの差異でしかなく、しかもこの「ヌ」と「ム」の音は鼻子音であり、母音「u」を共通とする類似の音と認められるので両者をそれぞれ一連に称呼するときは彼此紛らわしく、称呼上において互いに類似の商標と認められる。また、本件商標の「NOMO」と引用B商標乃至引用E商標の「MONO」とは単に第1文字の「N」と第3文字の「M」とが入れ替わっただけの微差にすぎず、時と所を異にして彼此観察するときは互いに紛らわしく、外観上においても類似の商標と認められる。さらに、本件商標を「ノモ」と称呼するときにも、引用各商標より生ずる「モノ」とは、「ノ」と「モ」の音が入れ替わったのみのものでしかなく、「ノ」と「モ」の音は共に鼻子音であり、母音「o」を共通とする類似の音と認めるので、両者をそれぞれ一連に称呼するときは彼此紛らわしく、称呼上において互いに類似の商標と認められる。

したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼上において相紛らわしいものであり、指定商品も抵触するので商標法第4条第1項第11号に該当し、無効とされるべきものである。

(2)本件商標が商標法第4条第1項第10号、同第15号に該当するものであることについて

請求人が引用する引用各商標は、1963年(昭和38年)登録以来文房具なかんずく鉛筆、ボールペン、シャープペンシル等について連綿として使用された結果、同商品を取り扱う業界において「MONO」は周知、著名となっていることは社団法人全日本文具協会「日本国における文具有名商標集(平成6年8月発行)」に掲載されている事によっても明らかである。(甲第7号証の1)

この「日本国における文具有名商標集」は、書中「はじめに」「掲載商標の選定基準」「掲載企業一覧」の項でも明らかなように、文房具を取り扱う各業者間で厳しい条件のもと審査を行ったうえで掲載に同意されたもののみが掲載されている。

また、「MONO」が、我が国のみならず、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス外各国においても登録されておりそれぞれ著名となっている。(甲第7号証の2)

したがって、「NOMO」の欧文字を書してなる本件商標は、その指定商品中「鉛筆、ボールペン、シャープペンシルを含む文房具」については、商標法第4条第1項第10号、同第15号に該当し、無効とされるべきものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、答弁していない。

4 当審の判断

本件商標と引用各商標との類否について検討する。

本件商標と引用各商標の構成は、前記したとおりであるから、それぞれの構成に徴して外観上は区別し得る差異を有する。

そして、称呼についてみるに、本件商標は、これより「ノモ」の称呼を生ずるものと認められる。他方、引用各商標は、構成中の「MONO」の文字部分より「モノ」の称呼を生ずるものと認められる。これについて、請求人は、本件商標よりは「エヌオーエムオー」の称呼を、また、引用各商標からは「エムオーエヌオー」の称呼を生ずると主張するが、ローマ字読みの普及している状況からすれば、前述のとおりの称呼が生ずるとするのが相当である。しかして、本件商標より生ずる「ノモ」の称呼と引用各商標より生ずる「モノ」の称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が相違して十分区別し得るといえるものである。

さらに、観念については、本願商標と引用各商標は、特定の観念を有しない造語よりなるものとみられ、比較すべくもない。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点から見ても相紛れるおそれのない非類似の商標であるといわざるをえない。

つぎに、請求人は、商標「MONO」の著名性を主張し、その証拠として甲第7号証の1、乃び2を提出しているが、同証拠では、前記引用商標を使用した商品の生産又は販売数、使用地域、宣伝、広告の方法、回数等の立証が何ら具体的になされていないので、商標「MONO」が本件商標の出願時に取引者、需要者間に広く認識されていたものとは認められないし、他にこれを認めるに足る証拠はない。

そうとすれば、本件商標は、引用各商標と互いに紛れるおそれのない非類似のものであること前記のとおりであるし、他に本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が該商品と請求人または同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとくその出所について混同を生ずるおそれはないものと言わざるを得ないから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえない。

したがって、本件商標の登録は、同法第46条第1項の規定により無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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