結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2003−35243(T2003−35243/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4633110号商標(以下「本件商標」という。)は、「UNILINK」の欧文字を横書きしてなり、平成12年10月6日に登録出願され、第10類「カニューレ,医療用針,シリンジ,医療用コネクター,医療用接続ポート,カテーテルおよび医療用インジェクションサイト」を指定商品として、同14年12月27日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録の無効の理由として引用する登録第2628912号商標(以下「引用商標1」という。)は、「INTERLINK」の欧文字を横書きしてなり、平成4年3月24日に登録出願され、第10類「医療機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、同6年2月28日に設定登録されたものであり、同じく、登録第3018819号商標(以下「引用商標2」という。)は、「インターリンク」の片仮名文字を横書きしてなり、平成4年4月20日に登録出願され、第10類「静脈療法用・血液抽出用及び連続携行式腹膜灌流用の無針式医療用機械器具,その他の医療用機機器具」を指定商品として、同7年1月31日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号について
本件商標の指定商品中の「カニューレ」とは、医療過程で用いられる人間等の「体内に挿入して薬液を入れたり、逆に不要な液を排出したりするための管の総称」をいい、また「カテーテル」とは、「カニューレ」と同様に「身体に挿入して、体液や血液を排出したり、薬液を注入するのに使う、内側が空洞になった柔軟性のあるもので、簡単に考えればゴムチューブ」をいい(甲第2号証の1ないし6)、さらに、「シリンジ」とは「注射器」等の如く体内に薬剤や血液を注入する管(甲第3号証の1及び2)をいうものである。これらの指定商品は、いずれも、人体の体外にある「薬液」等を「体内」に取り込むための医療手段(人体と薬液等が入った容器等を接続して行う方法)に、用いられる医療用の機械器具である。
これに対し、本件商標「UNILINK」を看取する者は、これら指定商品との関係で判断すると、本件商標の前半部の欧文字「UNI」から、「単一の、一つから成る」との意を想起するのが通常であり、また、該部分が何らかの略称であると認識し得る者にとっては、「UNION(管などの継ぎ手、結合)」や「UNITE(一つになる、結合、一体になる)」との意味合いを想起するのが通常であるといえる。
そうした場合は、後半部の欧文字「LINK」部分が「鎖、連結する」なる意味を想起させるため、本件商標全体として看取した場合でも、指定商品との関係では、単にその商品を「連結」したものの意味合い(指定商品の用途や使用の方法)を表示したにすぎない商標であるといえる(甲第4号証の1ないし5)。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するにもかかわらず、過誤によって商標登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
仮に、本件商標に自他商品の識別性が認められて登録されたとした場合でも、本件商標は、引用各商標に類似するものである。
引用商標1を構成する欧文字「INTERLINK」は、これを看取する者からすれば、通常「〜を(〜と)連結する」の意味合いを容易に想起できることから、引用商標2も含め、本件商標と同一又は類似の観念を生じさせる(甲第5号証の3)。
そして、引用商標1及び2は、本件商標に対して、先願・先登録商標であって、指定商品の類似群が同一である関係上、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたことになる(甲第5号証の4及び5)。
さらに、引用商標1及び2は、歴史的にも、また、商品及びサービスの内容としても、医療業界では取引者や需要者から高い評価を得ており、引用商標1及び2と同一又は類似する指定商品に本件商標が付されて、同一市場で取引された場合には、需要者及び取引者間における出所混同が懸念されることから、その登録を排除する必要がある(甲第6号証の1ないし5)。
(3)以上により、本件商標は、商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであって、商標法第46条第1項第1号に該当するものであるから、その登録を無効にすべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べた。
(1)商標法第3条第1項第3号について
請求人の主張が論理的に成立するためには、「連結する、一体に(結合)する」等の意味・観念が本件指定商品に固有若しくは特徴的な性状(品質・用途・用法など)であることが不可欠な前提となる。
しかしながら、本件商標は、その指定商品が有する固有若しくは特徴的な性状などを認識・想起させるものではないから、単なる記述的表示と認識されることはない。
仮に、請求人が指摘する意味観念(結合、連結、一つになる、一体になる)を商品の用途・用法として捉えるとしても、極めて抽象的かつ漠然とした意味観念にすぎず、需要者・取引者一般をして共有可能な具体的な商品若しくは商品群を想起させることができない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する余地はない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標及び引用各商標が照応し得る英語から得られる意味観念(結合、連結、一つになる、一体になる)は、需要者・取引者の中に、これを認識・想起する者があり得たとしても、極めて抽象的かつ漠然とした意味観念しか与え得ないものであるから、取引市場において識別の手掛かりとはなり得ないことが明らかである。
また、本件商標「UNILINK」と引用商標1「INTERLINK」とは、ともに欧文字をもって構成されてなるものであるが、その綴りの半ば以上を異にしてなるものであるから、一見して判然と識別でき、外観上の混同を生ずる余地のないことが明らかである。
次に、本件商標の一連称呼「ユ・ニ・リン・ク」と引用各商標の−連称呼「イン・ター・リン・ク」もともに4音構成とまとまりよく発音し易いもので、何らかの略称・分離称呼を生ずべき特段の事由のないもので、両称呼を比較すれば、聴者に顕著な印象を与え、認識・記憶される語頭音と第2音に明確な差異音を有し、かつ、語韻語調まで相違してなるものであるから、称呼上彼此混同を生ずるおそれなどは考えられない。
以上のように、本件商標と引用各商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に該当することはあり得ない。
なお、請求人提出の各証拠方法を仔細に検討しても、引用各商標が日本において使用されていたらしいことを推定させるに止まり、引用各商標が日本の取引市場において、需要者・取引者の間で認識されていることを示すところは些かもない。また、被請求人の調査によっても、引用各商標が我が国において、その使用商品について周知・著名であるなどの事実は一切見出すことはできず、請求人が如何なる証拠方法も提出できないことが物語るとおりかかる事実は存在しない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではなく、同法第46条の規定に該当せずその登録を無効とすべき如何なる理由も存在しない。
(1)商標法第3条第1項第3号について
本件商標は、前記に示すとおり、「UNILINK」の欧文字を横書きしてなるところ、請求人は、甲第2号証の1ないし甲第4号証の5を提出して、本件商標は単に「(商品を)連結したもの」の意味合い(指定商品の用途や使用の方法)を理解・認識させるものであり、自他商品の識別力を有しない旨主張している。
そこで、請求人の提出に係る甲各号証をみるに、甲第2号証の1ないし甲第3号証の2は、医療用器具を説明しているインターネットウェブサイトの写しであり、これには、「カテーテル」、「カニューレ」、「シリンジ」等の医療用器具についての説明がなされており、甲第4号証の1ないし4は、大修館書店発行のジーニアス英和辞典であり、これには、「uni」、「union」、「unite」、「link」の各語の語義の説明がなされており、また、甲第4号証の5は、発明協会発行の商標審査基準であり、これには、商標法第3条第1項第3号に係る審査基準が掲載されていることを認めることができる。
しかしながら、上記したジーニアス英和辞典によれば、「UNI」の語が「単一の、一つから成る」等の意味合いを表し、「LINK」の語が「鎖、連結する」等の意味合いを表すものであることは認められるが、これらの各語を一連に表した「UNILINK」の語については、何らの記載もなく、また、「UNI」と「LINK」の各語の語義から、請求人が主張するような「(商品を)連結したものの」の如き具体的な意味合いを想起し得るものとはいい難く、そのような意味合いを表すものとして、一般に理解・認識されていると認めるに足る証拠もない。
さらに、上記したインターネットウェブサイトによるも、「カテーテル」、「カニューレ」、「シリンジ」等の医療用器具がどのようなものであるかについては記載されているが、これらの商品との関係において、「UNILINK」の語が具体的にどのような用途や使用方法(品質)を表わすものであるかについては何ら記載されておらず、本件商標の指定商品の品質を表すものとして取引上一般的に用いられているとする事実も認められない(「UNI」及び「LINK」の各語についても同様である。)。
そうとすれば、「UNI」及び「LINK」の各語が請求人の主張するような語義を有するものであるとしても、これらの各語を一連に表した「UNILINK」の語をもって、「(商品を)連結したもの」の如き意味合いを直ちに、理解・認識させるものとはいい難く、「UNILINK」の語からは、特定の意味合いを認識させるものとはいえないから、むしろ、一連の構成からなる一種の造語として認識されるものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、商品の用途や使用方法(品質)を表すものとはいえないから、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を充分果たし得るものといわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標は、その構成前記したとおり、本件商標は「UNILINK」の欧文字を横書きしてなるものであり、引用商標1は「INTERLINK」の欧文字を、引用商標2は「インターリンク」の片仮名文字を横書きしてなるものである。
そこで、請求人が主張している両商標の観念の類否についてみるに、本件商標は、上記(1)において述べたように、甲各号証によるも、特定の意味合いを表す成語あるいは熟語であるとの記載は認められず、また、「UNI」と「LINK」の各語の語義から、請求人が主張するような「(商品を)連結したものの」の如き意味合いを想起し得るものでもなく、そのような語義を表すものとして、一般に理解・認識されていると認めるに足る証拠もない。
そうすると、「UNILINK」の語(文字)は、一般に知られた語とはいえず、いかなる事物・事象を表現したものか直ちには理解、認識することのできないものであって、一種の造語よりなるものというのが相当である。
そして、商標の観念は、簡易迅速を旨とする商取引に資するものである以上、一見して世人に直ちに一定の意義を理解させるようなものでなければならないところ、本件商標は、上述したように、一種の造語よりなるものとみるべきものであるから、一見して直ちに一定の意義を理解させるような観念が生ずるとはいい得ないものである。
してみれば、引用各商標が「〜を(〜と)連結する」の意味合いを表すものであるとしても、本件商標と引用各商標とは、観念上の類否については比較すべくもないものである。
また、本件商標と引用各商標とは、いずれも、一連一体の構成からなるものと認められるから、その構成文字に相応して、本件商標からは「ユニリンク」の称呼を生じ、引用各商標からは「インターリンク」の称呼を生ずるものである。
そこで、この両称呼を比較するに、両者は、後半部分の「リンク」の音を共通にするとしても、称呼における識別上重要な要素を占める前半部分において、「ユニ」と「インター」の音の差異を有するものであるから、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、相違する各音の音質の差により、充分区別し得るものである。
さらに、両商標は、前記したとおりの構成からなるものであるから、外観上も明らかな差異を有するといえる。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、観念、称呼及び外観のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
なお、請求人提出の甲第6号証の1ないし5(請求人のインターネットホームページ等)、甲第7号証(請求人の製品パンフレット)、甲第8号証及び甲第9号証(販売促進セミナー等で使用された冊子:平成9年7月及び同11年6月)、甲第10号証及び甲第11号証(エキスパートナース:1997年10月号及び1999年9月号)によれば、請求人が引用各商標を使用している事実が認められるとしても、引用各商標が取引者・需要者間において広く知られていたものであるとまでは認められないから、この点からみても、両商標間において出所の混同を生ずる要素はないものというべきである。
(3)まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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