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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第35457号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4044315号商標(以下「本件商標」という。)は、「RED WING」の欧文字を横書きしてなり、第17類「Tシャツ,シャツ,スウェットシャツ,パンツ」を指定商品として平成3年5月2日に登録出願され、平成9年8月15日に設定の登録がなされたものである。

2 請求人の引用商標

登録第791179号商標(以下「引用商標」という。)は、「WING」の欧文字と「ウイング」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和41年6月29日に登録出願され、昭和43年8月20日に設定の登録がなされたものである。

3 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至甲第23号証を提出した。

本件商標は、「RED WING」のローマ字を書して成るところ、これをその指定商品との関係よりみると、本件商標の指定商品は、その色彩が、商品の品質を表示するためのものとして、最も重要な要素となり得るものであり、商標中の色彩を表示する部分は、商品の品質(色彩)を表示する形容詞的な部分であって、自他商品の識別標識としての識別機能を果し得ない部分であるというを相当とし、商標のその余の部分が、商標の要部であるといわなければならない。

しかして、本件商標を構成する「RED」の文字部分は、容易に一般世人をして、「赤色」を意味する英語又は外来語として、理解、認識するものというを相当とするところである。

してみれば、「RED WING」の文字を書して成る本件商標は、「レッドウイング」の称呼を生ずる場合があるとしても、商標の要部である、「WING」の文字部分より、単に「ウイング」の称呼をも生ずるものといわざるを得ないものである。

他にこれを常に一連一体のものとしてのみ称呼、観念しなければならない格別の事情も存しないものである。

一方、引用商標は、その構成上、「ウイング」の称呼を生ずるものであること明らかである。

そうであるとするならば、本件商標と引用商標とは、「ウイング」の称呼を共通にする、互いに称呼上、彼此相紛らわしいものであるという外はない。

更に、請求人は、引用商標を付した自己の業務に係る商品について、昭和50年より今日に至るまでの間、継続して製造し、日本全国に亙って販売をし続けた結果、現在においても、請求人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者及び需要者の間において、極めて広く認識されるに至っている周知、著名な商標である。

してみれば、本件商標は、引用商標と「ウイング」の称呼及び観念の点において、互いに彼此相紛らわしい類似の商標であるといわなければならず、かつ、本件商標の指定商品が、引用商標のそれに包含されていること明らかなところであり、引用商標が、請求人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者及び需要者の間において、極めて広く認識されるに至っている周知、著名な商標であるから、本件商標をその指定商品について使用をするときは、これに接する取引者及び需要者をして、その商品が、請求人の取り扱いに係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれのある商標であるといわざるを得ないので、結局、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものである。

4 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、要旨次ぎのように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至乙第21号証を提出した。

▲1▼本件商標は、被請求人の商号である「RED WING SHOE Co.Inc.」から、業種を示す「SHOE」と組織形態を表示する「Co.Inc.」の部分を除いたいわば被請求人の固有の名称からなるものであり、しかも、被請求人の商号は永年に亘るわが国における使用、その靴に対する需要者、取引者の好評及び文献等への掲載の結果、現在、本件商標は著名な商標の略称となっているともに、被請求人の商号の略称としてもわが国でも周知、著名となっている。

▲2▼本件商標の「WING」は他の語と結合し易い語であり、しかも、「RED WING」は「わきあかつぐみ」を意味する観念上一体のものである。かりに、このことを知らない需要者、取引者であっても、現在の「RED」と「WING」の浸透度からして、本件商標が全体として「赤い翼」を意味する熟語的意味合いが感得できるものであることは、取引者、需要者の誰もが理解できる。

▲3▼本件商標は、外観及び称呼上一体不可分のものと認識され、他の商品区分の類否判断において本件商標と同様に考えられる商標が商標「WING」と非類似のものとされている。また、本件商標は、その審査過程及び異議申立において引用商標と非類似のものとされている。

したがって、本件商標と引用商標とは非類似の商標であって、商標法第4条第1項第11号の規定には該当しない。

また、本件商標が引用商標に類似しない以上、引用商標の著名か否かにかかわらず、本件商標の使用によっては出所の混同を生じることはない。したがって、商標法第4案第1項第15号の規定にも該当しない。

5 当審の判断

本件商標は、上記のとおりの構成よりなるところ、「REDWING」が「わきあかつぐみ」の意味を有する語であることは認められるとしても、我が国において一般的に親しまれている語でないから、むしろ、「赤」を意味する「RED」と「翼」を意味する「WING」の語よりなるものと、認識、理解され、全体の語より「赤い翼」の意味合いを生ずるものというのが相当である。

そして、その構成中「RED」の文字が前記した「赤」を意味する語であるとしても商品の色彩等を表示したものとは理解し得ないから、本件商標は、その構成全体をもって一体不可分のものと認識されるものというのが自然である。

また、被請求人提出の乙第1号証乃至乙第6号証によれば、「RED WING」は、被請求人が「シューズ」に使用して取引者、需要者間において本件商標の出願時には、既に著名であったことが認められる。

してみれば、本件商標は、「RED WING」の文字に相応し「レッドウイング」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。

一方、引用商標は、「WING」、「ウイング」の文字に相応し「ウイング」(翼)の称呼、観念を生ずるものである。

そうとすれば、本件商標と引用商標とは、称呼、観念において相紛れるおそれのない非類似の商標であり、外観上も区別し得るものである。

さらに、請求人が、引用商標が著名であるとして提出した甲第20号証乃至甲第22号証(証明書)及び甲第23号証(1998年、AIPPI・JAPAN発行の「FAMOUS TRADEMARK IN JAPAN」)によっては、引用商標が本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る商品「女性用下着、寝巻き類」等に使用され取引者、需要者間において広く認識されていたとは、認めることができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえないから、本件商標の登録は、同法第46条第1項の規定により無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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