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Trademark Appeal Case

著名品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−3312(T2002−3312/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ブルーマウンテン」の片仮名文字と「BlueMountain」の欧文字とを二段に横書きしてなり、第30類「コーヒー,コーヒー豆」を指定商品として、平成12年9月19日に登録出願され、その後、指定商品については、平成13年10月9日付け手続補正書により、「ジャマイカ産のコーヒー,ジャマイカ産のコーヒー豆」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、コーヒー豆の一種として知られている『ブルーマウンテン』及び『BlueMountain』の文字を二段に書してなるものであるから、これをその指定商品中、上記コーヒー豆を使用したコーヒー、上記コーヒー豆に使用するときは、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。さらに、本願商標は、使用により自他商品識別標識としての機能を有するに至っているとは認められないから、商標法第3条第2項の要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

1)商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて

本願商標は、前記のとおり、「ブルーマウンテン」の片仮名文字と「BlueMountain」の欧文字とを二段に横書きしてなるものであるところ、該文字は、「現代用語の基礎知識2004((株)自由国民社発行)」によれば、「特に芳香のあるコーヒー豆の種類。」と、また、「コンサイス外国語事典第3版((株)三省堂発行)」によれば「西インド諸島、ジャマイカ中部を東西に連なる山地。山脈の西斜面よりコーヒーの最高級品の”ブルーマウンテン”を産出する。」とあることから、西インド諸島ジャマイカにおいて栽培されるコーヒー豆の一種を意味する語ということができる。

さらに、「食品手帳コーヒー・紅茶編」(食品新聞社発行)によれば、「このブルーマウンテンは、本島東部のブルーマウンテン連峰地帯の5000から7000フィートのセント・トーマスとセント・アンドリュースの両教区内で生産されるものであって、ジャマイカで生産されるコーヒーすべてがブルーマウンテンというわけではない・・・香気が強く世界産出コーヒーのなかでも最優秀品として定評がある。」、そして、「世界のコーヒー生産国」(社団法人全日本コーヒー協会発行)によれば、「ブルーマウンテン・コーヒーはカリブ海に浮かぶ美しい島ジャマイカの代名詞となっている。・・このコーヒーはジャマイカの首都キングストンの北東、ブルーマウンテン山系の黒い肥沃な土壌と適度の気温、そして、陽気に恵まれた地帯から生み出される。特に希少価値が高く、高価格で取り引きされるコーヒーだけに、政府もその生産量の増大には積極的に取り組んでいる。・・・まさに世界の最高級品の名を与えられるにふさわしい。」、「珈琲紀行」(社団法人全日本コーヒー協会発行)によれば、「コーヒーのなかで、高級品の1つといわれているブルーマウンテン。この有名なコーヒーを栽培しているのが、レゲエでおなじみの島国ジャマイカです。ジャマイカの最高峰であるブルーマウンテンにちなんだもの。・・・現在では、『ブルーマウンテン』の大部分は、日本へ輸出されているほどです。」との記載が認められ、これより「BlueMountain(ブルーマウンテン)」は、ジャマイカで産出されるコーヒー豆及びこれより製産されるコーヒーとして、最高級品の部類に属するものとして、日本においても広く知られているものであるといえる。

してみれば、本願商標を、ジャマイカ産のブルーマウンテンコーヒー豆を使用したコーヒー、ジャマイカ産のブルーマウンテンコーヒー豆について使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認められるものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

2)商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて

請求人は、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するものである旨主張し、甲第1号証ないし甲第158号証を提出しているので、同法の要件を具備するか否かにつき以下検討する。

a) 甲第1号証ないし甲第14号証によれば、請求人は、ジャマイカ国政府機関であるコーヒーインダストリー・ボードの委任を受けて1950年代以降、すべての「ジャマイカ産のコーヒー、ジャマイカ産のコーヒー豆」に係る一切の管理を行う権利を所有してその管理を行っている世界で唯一の団体であることが認められるとしても、これらの書証中に、請求人が「ブルーマウンテン」及び「BlueMountain」の文字をジャマイカ産のコーヒー、ジャマイカ産のコーヒー豆について請求人の商標として使用して自他商品の識別機能を有していると認めるに足る事実を認めることはできない。

b) 甲第15号証ないし甲第28号証によれば、ジャマイカ国のブルーマウンテン地域産のコーヒーは、世界で最上にランク付けされた高品質のものであって、世界に広くその事実が知られていることが認められるとしても、これらの書証が、請求人が「ブルーマウンテン」及び「BlueMountain」の文字をジャマイカ産のコーヒー、ジャマイカ産のコーヒー豆について請求人の商標として使用して自他商品の識別機能を有していることの証明にはならない。

c) 甲第29号証ないし甲第40号証において、品質に関する虚偽表示をすべきでない旨の記載があることが認められるとしても、これによって、「ブルーマウンテン」及び「BlueMountain」の文字をジャマイカ産のコーヒー、ジャマイカ産のコーヒー豆についての請求人の商標として登録すべきものとする根拠には全くならないものである。

d) 甲第41号証によれば、請求人の「ブルーマウンテン」の文字からなる登録商標が日本で登録されている事実が認められるが、この登録商標は、その指定商品中にコーヒーを含んでいない商品についての登録例であって、これが登録されているからといって、「ブルーマウンテン」及び「BlueMountain」の文字がコーヒーの品質表示でなく、請求人の商標として登録を認められるべき根拠にはならない。

d) 甲第42号証は、書籍「商標〔第5版〕(網野誠著)」中、商標の機能について書かれている文面の抜粋、及び甲第43号証は、「ラーハム法に関する国際商標団体INFAのホームページの抜粋であるが、これらの内容は、「ブルーマウンテン」及び「BlueMountain」の文字を請求人の商標として登録を認める根拠にはならない。

e) 甲第44号証ないし甲第148号証は、「標章 ブルーマウンテン BlueMountain」は、請求人が永年継続して日本でジャマイカ産のコーヒー及びジャマイカ産のコーヒー豆について使用しているものであり、その結果、取引者は勿論一般需要者においても、直ちにコーヒー・マークス・リミテッドの証明する商品を想起させる程に至っている周知著名な標章であることを証明する同業者による証明書と認められるが、これらは、請求人が用意したと思しき定型文に記名、押印しただけのものであり、主観的な結論だけを定型的に述べるにとどまり、証明者がいかなる事実に基づき、書面に記載された内容を証明しているのか、その客観的事実を示す根拠や判断の過程は何等明らかにされていないものであるから、結局、証拠力に乏しい書面といわざるを得ず、その書面の事実評価を直ちに採用することはできない。

f) 甲第149号証ないし甲第158号証によれば、ブルーマウンテンコーヒーは、ジャマイカのブルーマウンテン山脈でとれるコーヒーのみをさすものであることが認められるとしても、その内容において「ブルーマウンテン」の文字は商品の品質を表示するものとして理解されるにとどまるものであって、「ブルーマウンテン」の文字が取引者・需要者間において請求人の商標として認識され自他商品の識別標識として機能しているとは認められない。

してみれば、上記いずれの書面によっても、「ブルーマウンテン」及び「BlueMountain」の文字が請求人の出所を表示する自他商品識別標識として機能しているとする事実を見出すことはできなかったから、本願商標は、これをジャマイカ産のコーヒー豆、ジャマイカ産のコーヒーについて長年にわたって使用した結果、請求人の商標として自他商品識別機能を有するに至ったものと認めることはできない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものと認めることはできない。

3) 以上、1)及び2)のとおりであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、同法第3条第2項の要件を具備しないものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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