Trademark Appeal Case
「うまいもんはうまい」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−19661(T2000−19661/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標登録出願
本件商標登録出願は、商標(以下「本願商標」という。)の構成を別掲に示すものとし、第42類「焼肉料理の提供,その他の日本料理を主とする飲食物の提供,西洋料理を主とする飲食物の提供,東洋料理を主とする飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供,茶・コーヒー・ココア・清涼飲料水又は果実飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成11年6月16日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、赤地に白の枠の中に白抜きで『うまい』『もんは』『うまい』と縦に3行に書し、全体として『うまいもんはうまい』の文字を普通に使用される表示を脱していない範囲で表されている。そして、指定役務との関連において、本願商標は『うまい料理はうまい』ことを需要者に容易に理解させるものと考えられる。そして、『うまいもんはうまい』の文字は指定役務に関連する業界でキャッチフレーズとして使用されている事例があり、このようなものはキャッチフレーズの一種と認識するにとどまり、自他役務識別機能を有するものとは認められず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であると認められる。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法3条1項6号に該当する。」旨の理由で本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 本願商標の構成態様について
本願商標の構成は、前記したものであるところ、赤色の正方形内の各辺付近に細線を以て手書き風に枠を配し、この枠内に「うまい」「もんは」「うまい」と3列に書してなるものであり、全体として「うまいもんはうまい」の文字を3列に分けて配した構成のものとの認識を与える態様のものとみるのが相当であり、この構成が普通に用いられる方法を脱している態様のものとすることができないというべきである。したがって、本願商標は、その構成自体に特徴がある旨の審判請求人(出願人。以下「請求人」という。)の主張は採用することができない。
2 本願商標の自他役務識別機能について
本願商標を構成する「うまい」の文字は、(ア)「味がよい。甘い。」、(イ)「よい。すぐれている。」、(ウ)「巧みである。上手だ。手際がよい。」、(エ)「好都合である。ぐあいがよい。」などの意味を有するものであって(広辞苑)、「もん」の文字は、「モノの音便。」とされ(広辞苑)ているものである。
そして、本願商標を構成する「うまいもんはうまい」の文字からは、全体として、指定役務との関係において「味がよいものは味がよいものだ。」ほどの意味合いを看取させる標語的な語と認識されるというべきである。
そして、この語は、例えば「ヘルシー企業の顔 松谷化学工業○○社長『ヒット商品の陰にデンプンあり』」との見出しのインタビュー記事において、「先日ニューヨークに行った際、ホテルで朝食の時、それをトーストしてもらって、周りのアメリカ人とわけあって食べたんです。そしたら『日本ではこんなおいしいパンがスーパーでふつうに買えるのか』とみな驚いていました。おいしさの基準は多少の差はあれ、世界共通なんだと感じました。子供が食べても、外国人が食べても、うまいもんはうまい。」との新聞記事(1998年8月10日付 日本食糧新聞)にもみられるように、料理などが美味しいことを強調するために日常的に使用されているといえるものである。
したがって、本願商標は、自他役務識別標識としての機能を有するものとはいえず、上記した意味合いを認識させる語であって、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきである。
3 商標法3条2項の該当性について
請求人は、「本願商標は、出願人が長年に亘って使用を継続した結果、少なくとも関西において相当に知れ渡っており、この文字を看取した少なくとも関西の需要者や取引者は、即座に当該文字が出願人を表すことを直感しうる」と述べ、本願商標が商標法3条2項の要件を備えている旨主張して、証拠方法として甲第1号証ないし同第6号証を提出している。
しかして、甲第1号証及び同第2号証は、本願商標と同一構成の商標が他の商品区分において登録された事実を示すものであるが、本願商標が自他役務識別機能を果たし得ないと判断されること前記のとおりであり、これらの登録例が本件の判断を拘束するものと必ずしもいい得ないものである。
また、甲第3号証ないし同第6号証の審査・審判における事例は、本件と商標の態様を異にするものであって、本件と同列に論ずることはできないものである。
しかも、これらの証拠方法は、請求人が長年に亘って使用を継続した結果を証明するものではないから、上記の請求人の主張は採用することができないものである。
4 結論
したがって、本願商標が、商標法3条1項6号に該当するとの原査定の認定は妥当なものであり、また、本願商標が同法3条2項の要件を備えているとすることもできないから、原査定を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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