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Trademark Appeal Case

周知商標との混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第17449号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲の(1)示すとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具を除く),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く),乗馬靴」を指定商品として、平成8年10月3日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

本願商標は、その構成中にアメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市所在の「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ」がラルフローレンのデザインに係る「ネクタイ,シャツ,ジャケット」等に使用し、我が国においても本願出願当時すでに需要者間に広く認識されていた「POLO」の商標と類似する「POLO」の文字を有してなるものであるから、出願人がこれを本願指定商品に使用するときは、恰も前記会社若しくはデザイナーの製造販売する商品又は前記会社若しくはデザイナーと何等かの関係のある者の取り扱いに係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)引用商標の周知性

当審において職権に基づく証拠調べを行った結果、以下の事実が認められる。

(イ) (株)講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(別掲参照。以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が組み合わされ又は単独で用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。

(ロ) (株)洋品界昭和55年4月15日発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月25日発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

(ハ) ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、昭和53年2月16日付け日本経済新聞(夕刊)の広告、前記「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月20日発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月20日発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月20日発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年5月25日発行)、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月20日発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月25日発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、前記「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。

(ニ) 平成3年研究社第3刷発行「英和商品名辞典」には、「POLO ポロ」の見出し語の下に「⇒Polo by Ralph Lauren」との記載があり、「Polo by Ralph Lauren ポロバイラルフローレン」の見出し語の下に「米国のデザイ ナーRalph Lauren(1937ー)がデザインした紳士物衣料品。通例Poloと略して呼ばれる。・・・1976年に紳士服でCoty賞を受賞、翌年には婦人服で受賞。・・・1974年の映画The Great Gatsby(「華麗なるギャッツビ ー」)の衣装を担当して、人気が急上昇した」と記載されている。平成11年1月10日小学館発行の「ランダムハウス英和大辞典」には、「polo」の見出し語の下に「3《商標》ポロ:米国のRalph Lauren デザインによるバッグなどの革製品。4ポロ⇒POLO BY Ralph Lauren」」の記載があり、「Polo by RalphLauren」の見出し語の下に「《商標》ポロバイラルフローレン:米国のR.Laurenデザインのメンズウエア」と記載されている。

(ホ) 引用商標を模倣したブランド商品が市場に出回り刑事摘発を受けた旨が、例えば、平成元年5月19日付朝日新聞夕刊、同4年9月23日付読売新聞(東京版)朝刊、同5年10月13日付読売新聞(大阪版)朝刊、同11年6月8日付朝日新聞夕刊に報道されている。

(ヘ) 引用商標の周知性について認定した判決として、東京高裁平成2年(行ケ)183号(平成3.7.11言渡)、東京地裁平成8年(わ)1519号(平成9.3.24言渡)があるほか、東京高裁平成11年(行ケ)250号、同251号、同252号、同267号、同290号(以上平成11.12.16言渡)、同268号、同289号(以上平成11.12.21言渡)、同288号(平成12.1.25言渡)、同298号、同299号(以上平成12.2.1言渡)、同333号、同334号(以上平成12.3.29言渡)、平成12年(行ケ)140号(平成12.10.25言渡)、同112号(平成12.11.14言渡)、同162号(平成13.2.8言渡)、平成13年(行ケ)90号(平成13.7.10言渡)、同119号(平成13.11.29言渡)等がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する標章として遅くとも本願商標の登録出願時には既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2) 本願商標と引用商標

本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中「POLO AMERICA」の文字は、その下段に表された「PROFESSIONAL POLO GROUP LOS ANGELS」の文字に比して太字で大書してなるものである。そして、その「POLO AMERICA」の語頭に位置する「POLO」と後半の「AMERICA」との間には間隔があり、両文字が常に不可分一体のものとしてのみ把握され認識されるとする事情も認められない。加えて、後半の「AMERICA」の文字が国名ないし地域を表したと容易に理解され、商品の産地ないし販売地を表示したものとして看取されることが決して少なくないというのが相当である。そうとすれば、本願商標の構成にあって太字で大書された「POLO」の文字部分が最も看者の注意を強く惹く部分といわざるをえないものである。

他方、引用商標は、別掲(2)のように、横長四角形中に記載された「Polo」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標が組み合わされ又は単独で用いられ、「POLO」ないし「Polo」を以て表示され、また、「ポロ」の称呼(略称)をもって取引に資されるものである。

してみれば、「ポロ」の称呼を共通にし「POLO」の標章を共に有するものであるから、本願商標と引用商標との類似性の程度は極めて高いものというべきである。

(3)商品間における関連性及び需要者

引用商標は、前記(1)のとおり、被服等に使用されているものであり、その使用商品と本願商標の指定商品とは同一又は類似の商品であるか、ともにファッション関連の商品であって、極めて関連性の高い商品というべきものである。

さらに、商品の需要者もともに主として一般消費者であって、両者はその需要者を共通にするものである。

(4)出所混同のおそれ

しかして、たとえ「POLO」「ポロ」の語がスポーツ競技の名称であり、造語よりなる商標と比較して引用商標の独創性の程度が低いことは否めないとしても、上記した引用商標の周知度、商品間の関連性の高さ、需要者の共通性等に照らせば、本願商標をその指定商品に使用するときには、これに接する需要者をして、構成中の主要な部分「POLO」より引用商標を想起させ、恰も前記ラルフ・ローレンのデザインに係る商品であるかのように誤認し、又は前記会社若しくはデザイナーと何等かの関係のある者の取り扱いに係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるといわざるを得ないものである。

(5)したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定の理由は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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