Trademark Appeal Case
商品区分変更と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−3021(T2000−3021/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「アドリブ」の片仮名文字を横書きしてなり、第12類の願書記載のとおりの商品を指定して平成8年2月15日登録出願、その指定商品については、同9年11月10日付け手続補正書及び同12年3月6日付け手続補正書により、最終的に、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」に補正されたものである。
2.引用商標
これに対し、原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第4237522号号商標(以下「引用商標」という。)は、「アドリブ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成7年8月2日登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,加工ガラス(建築用のものを除く。),ロケット,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同11年2月5日に設定登録されたものである。
3.請求人の主張の要点
請求人は、商品の類否判断については、類否の範囲を審査基準のみによって固定化して運用されるべきではなく、経済の実情に即して一般的出所の混同が生ずるか否かにより判断されるべきであり、本願指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品」と、引用商標の指定商品中「消防車、自動車用シガーライター」は、互いに非類似の商品であると主張し、その理由を以下のとおり述べている。
(1)「消防車」と「自動車並びにその部品及び附属品」について
自動車は、自動車販売業者を通じて一般消費者に販売されるのに対し、消防車は、消火設備を備えた極めて特殊な車両であって、消火という公共性の高い特殊な機能をもつ車両であるため、専ら地方自治体若しくは特定の企業体の発注に基づいて製造・納品される商品であるから、両商品は、その需要者及び流通経路の異なり、実際の市場で出所の混同を生ずるおそれのない非類似の商品である。
(2)「自動車用シガーライター」と「自動車並びにその部品及び附属品」について
自動車用シガーライターは、通常、自動車製造業者が直接自動車用シガーライター製造業者から大量に購入するものであり、購入者は一般消費者ではない。
そして、一旦業者が決まれば、商品に品番を付して大量かつ継続的に購入するから、自動車並びにその部品及び附属品とは商標が同一でも出所の混同が生ずることはない。
よって、本願商標は商標法第4条第1項第11号には該当しないものである。
4.当審の判断
まず、本願商標と引用商標との類否について判断するに、両商標の構成は、それぞれ前記のとおりであるから、外観上、酷似する商標であって、また、共に「アドリブ」の称呼を生ずること明らかであるから、両商標は互いに外観及び称呼において類似する商標といえるものである。
つぎに、本願商標の指定商品中「自動車並びにその部品及び附属品」と引用商標の指定商品中の「消防車、自動車用シガーライター」の商品の類否について判断する。
昭和35年4月1日からの現行商標法施行以来、商品の類否を判定する一般的基準としては、商品の生産部門、販売部門の同一性、原材料、品質の同一性、需要者の範囲の同一性及び完成品、部品の関連性を総合的に考慮して判断するものとされてきた(特許庁商標課編「類似商品・役務審査基準〔国際分類第8版対応〕)。
そして、昭和35年3月8日通商産業省令第13号による商標法施行規則第3条は、「商標法施行令(昭和35年政令第19号)第1条の規定による商品の区分に属すべき商品は、別表のとおりとする。」と定め、当該別表によると、「消防車」は「自動車」の範ちゅうに入るものとし、商品の区分第12類の「輸送機械器具」に属するものとして例示されている。
また、「自動車用シーガーライター」は、前記別表には例示されていないが、同じく商品の区分第12類の「自動車の部品及び附属品」の範ちゅうに入るものと解されるものである。
当該別表は、ニース国際分類の採用に伴って平成3年10月31日通商産業令第70号により一部改正された結果、「自動車並びにその部品及び附属品」は、第12類に属する商品として例示され、「消防車」及び「自動車用シガーライター」は第9類に属する商品として例示されているものである。
そして、昭和35年当時の商品の区分に基づいた「類似商品審査基準(特許庁商標課編集、社団法人発明協会昭和36年10月1日発行)においては、「消防車」は他の自動車と類似と推定されており、また、「自動車用シガーライター」は、同類似商品審査基準に例示されていないが、これは「自動車の部品および附属品」の範ちゅうに入り、それらは相互に類似すると推定され、このことは、現在においても変更されていない。
さらに、「日本標準商品分類(総務庁編集、財団法人全国統計協会連合会平成8年9月第3版発行)」(以下「日本標準商品分類」という。)において、その序章に記載のあるとおり、商品の用途、機能、材料、成因を基準として類似するものごとに集約し、中分類番号を基本コードとしているところ、「中分類47‐自動車及び二輪自動車(原動機付き自転車を含む。)」中に、「47 1 完成自動車(四輪及び六輪自動車)」に、乗用自動車を始め消防自動車、救急車、タンク車、じんかい車を含む特殊用途車が同一分類中に分類されている。また、「47 8 部品及び附属品」に、ワイパ・アーム・ブレード及びリンク機構、ホーン及びブザー類等の商品と共にシガー・ライタが同一分類中に分類されているものである。
「日本標準商品分類」の中分類中に分類されている商品が、必ずしも商品の出所の混同を生じるおそれがあることを前提としての類似商品の掲載をしているものではないとしても、前記のとおり、商品の用途、機能、材料、成因を基準として類似するものごとに集約して掲載していることからすれば、「日本標準商品分類」においても、本願商標の指定商品中の「自動車並びにこれらの部品及び附属品」と引用B商標の指定商品中「消防車、自動車用シガーライター」とは、類似する商品であると推認されるものである。
他方、請求人は、「消防車」と「自動車並びにその部品及び附属品」とは、その需要者及び流通経路が異なり、実際の市場で出所の混同を生ずるおそれのない非類似の商品であるとし、また、「自動車用シガーライター」と「自動車並びにその部品及び附属品」についても、その購買者が異なること等をもって商標が同一でも出所の混同が生ずることはない旨主張している
しかしながら、本願商標の指定商品中の「自動車」と引用商標の指定商品中の「消防車」とは、走行用エンジンを有し、陸上の輸送という点においては、救急車、バス等と同様に機能を同じくし、さらに、「消防車」が他の自動車と共に同一の自動車販売業者によって販売されている事実があること、消防車及びこれを除く他の自動車の主要な部品と認められるシャシーが同一の自動車製造業者によって製造販売されている事実があることから、製造業者、取引業者、需要者等を同一にする場合もあり、両者は類似する商品というべきである。
また、「自動車用シガーライター」についても、本願商標の指定商品中の「自動車の部品及び附属品」には、例えば「警音器(ホーン),ワイパー」を含むものと認められるところ、これらの商品と、「自動車用シガーライター」とが同一の業者によって製造販売されている事実があることから、本願商標の指定商品中の「自動車並びにこれらの部品及び附属品」と引用B商標の指定商品中の「自動車用シガーライター」とは、用途及び機能において異なるとしても、製造業者、取引業者、需要者等を同一にする場合もあり、両者は類似する商品であると認め得るものである。
したがって、本願商標と引用商標とは、商標において類似することは明らかであり、さらに本願商標の指定商品中には、引用商標の指定商品と類似する商品を含むものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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