Trademark Appeal Case
地名商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−12170(T2002−12170/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標登録出願
本件商標登録出願は、商標(以下「本願商標」という。)の構成を「南アルプス」の文字(標準文字による)とし、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成12年6月9日に登録出願されたものである。
そして、指定商品については、平成13年6月6日付け手続補正書により、「清涼飲料(「ミネラルウォーター」を除く。),果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」と補正されているものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、山梨県と静岡県にまたがる赤石山脈の別称である『南アルプス』の文字を書してなるところ、近年、各地の湧出したミネラルウォーターが販売されているから、これを本願指定商品に使用するときは、南アルプス地域で湧出されたミネラルウォーター或いはそれを使用した商品であると理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであり、本願商標は、商標法3条1項3号に該当する。」旨認定、判断し本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
本願商標の構成は、前記したものであるところ、該文字からは、山梨県、長野県、静岡県の堺にまたがる赤石山脈の別称である「南アルプス」を想起させるものである。
しかして、当該「南アルプス」周辺は、鉱泉水(ミネラルウォーター)が湧出することで知られている地域である。
そして、伏流水として湧出する鉱泉水には、カルシウムやマグネシウムなどを成分とするミネラルが含まれており、この種の水は、茶やコーヒーを入れる際に適しているとされ、また、清涼飲料や果汁飲料には、ミネラルを含んだ商品も販売されているところである。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、取引者、需要者に、それが南アルプス地域で湧出したミネラルウォーターを使用した商品であると認識、理解されるにすぎず、自他商品識別標識を表示したものとは認識されないというのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、その指定商品の原材料に使用されている水の産地、品質を表示したものと認識、理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
なお、本願商標を構成する「南アルプス」の文字は、山梨県の西側、南アルプス山麓に位置する八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町の4町2村が合併して、平成15年4月1日に市となった「南アルプス市」の略称をも認識させるものであって、該市は、全国で唯一のカタカナによる市名として知られているものであり、本願の拒絶の理由として言及されてはいないものの、この点からも本願商標は、商品の産地・販売地を表示するものであり、自他商品の識別機能を有しないものである。
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