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Trademark Appeal Case

不使用取消と商品範囲解釈

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−30929(T2003−30929/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第429629号商標の指定商品中「電気医療器,及びその類似商品」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第429629号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和27年11月4日登録出願、第69類「電気機械器具及其の各部並電気絶縁材料」を指定商品として、同28年8月17日に設定登録、その後、同49年3月8日、同58年8月29日、平成6年3月30日及び同15年6月24日の4回にわたり商標権存続期間の更新登録がされたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中「電気医療器,及びその類似商品」について、継続して3年以上、日本国内において商標権者により使用されている事実は発見することができなかった。また、本件商標について、専用使用権、通常使用権の登録もされておらず、これらの者による使用の事実もない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、其の指定商品中「電気医療器,及びその類似商品」について取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)仮に、被請求人の主張するように、類似群コードが一致するとしても、類似群コード「10D01」が付される商品とは、昭和34年法第10類に分類される「医療機械器具」に対応する商品であるが、かかる商品は、大正10年法の下では複数の区分に分類されていたもので、第18類「医術用器械器具」と第69類「電気医療器」という別個の範疇に属していた商品を、昭和34年法の下で「医療機械器具」として統一し、現在これに「10D01」という類似群コードを付したものである(甲第1号証)。

そして、本件商標の指定商品は、大正10年法の下で第69類に区分される「電気機械器具及其の各部並電気絶縁材料」であるから、取消しが請求された指定商品「電気医療器,及びその類似商品」は、第69類「電気機械器具及其の各部並電気絶縁材料」中に含まれる商品である。つまり、類似群コード「10D01」が付される商品であっても、大正10年法の下で第18類「医術用器械器具」に該当するものについては、そもそも本件商標の指定商品の範囲外であるため、取消しに係る指定商品には含まれない。

ところで、大正10年法の下で第18類に分類される「医術用器械器具」とは、医療機器一般を広く含む概念である(甲第2号証)。一方、第69類に分類される「電気機械器具及其の各部並電気絶縁材料」とは、電気的な作用に関連した機器をその内容とするものであって(甲第3号証)、ここに含まれる「電気医療器」は、医療機器のうち電気を利用したもののみに限定されたものである。

してみれば、取消しに係る指定商品「電気医療器,及びその類似商品」は電気的な医療機器類に限定されるものであって、その他一般的な医療機器がここに含まれないことは明らかである。

この点、被請求人が使用証拠を提示した商品についてみると、乙第2号証及び乙第3号証に示された「簡易便器に取り付けて使用する要介護者用補助枠」(以下「使用商品」という。)は、ポータブルトイレを使用する要介護者の転倒防止のための手すりであって、電気的な医療機器ではない。また、乙第4号証に示された「歩行補助器」は要介護者が居室内を移動する際に用いるキャスター付きのテーブルであって、これも電気的な医療機器ではない。

したがって、これらの商品は、大正10年法の下で第18類「医術用機械器具」に該当することはあっても、本件商標の指定商品である第69類「電気機械器具及其の各部並電気絶縁材料」の範疇に含まれるものではなく、取消しに係る指定商品「電気医療器,及びその類似商品」の使用に当たらない。

(2)以上のとおり、被請求人の答弁は、商標法第50条所定の要件である、指定商品についての登録商標の使用を証明したものとは認められない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。

本件審判の取消し対象商品に関し、本件商標の通常使用権者である「アロン化成株式会社」(以下、「アロン化成」という。)が、「使用商品」及び「歩行補助器」について、いずれも本件商標を3年以内に継続して使用しているものである。

1 通常使用権者

本件商標を使用している「アロン化成」は、本件商標権者が61%の株式を保有する子会社であって、本件商標権者との契約によって、通常使用権が許諾されている。

2 商品

本件商標は、大正10年法の下で登録出願されたものであって、本件審判の取消しが請求された商品は、「電気医療器,及びその類似商品」であるが、「電気医療器」以外にも、「その類似商品」も取消しの対象とされている。

そこで、商品の類似関係を明確にするため、類似群コードによって表せば、「11C01」、「10D01」及び「11A06」のいずれかが、「その類似商品」に該当するものとなる。

しかしながら、通常使用権者は、「使用商品」及び「歩行補助器」について登録商標(登録第4277423号商標、乙第1号証)を使用している。

「使用商品」は、ポータブルトイレを使用する要介護者の転倒防止のための手すりであって、左右の手すり・背もたれ及び底板から構成され、底板の上にポータブルトイレを設置して使用するもので、通常使用権者が「ポータブルトイレ用フレームささえ」の商品名で販売しているものがこれに該当する。

「使用商品」の表示については、商標権を取得する際において、商品カタログ及び説明書を提出した結果、「使用商品」とするとの指令に基づいて表示したものである。また、その際に、第10類の「医療補助品」に属するとの判断がなされ、類似群コードは「10D01」と認定されている(乙第1号証)。

さらに、商品「歩行補助器」とは、要介護者が居室内を移動する際、例えば、ベッドから手すりのある廊下への移動などにおいて、姿勢を保持するために用いるもので、通常使用権者が「安寿木製補助テーブル」の商品名で販売しているものがこれに該当し、第10類に属し、類似群コード10D01とされている。

したがって、通常使用権者は、取消しに係る商品「電気医療器,及びその類似商品」を使用していること明らかである。

3 本件商標の使用

通常使用権者は、上記「使用商品」及び「歩行補助器」について、「Aron」と通常使用権者の商号の略称「アロン化成」を併記した「Aron」商標を使用している。

上記商標と本件商標とは、社会通念上同一であって、具体的な使用態様は、「使用商品」は商品カタログ(乙第2号証)、商品現物(背もたれ裏側)への刻印は乙第3号証、「歩行補助器」は商品カタログ(乙第4号証)のとおりである。

4 本件商標の使用時期

「使用商品」は、1995年12月1日に作成された商品設計図(乙第5号証)からも明らかなように、発売開始した1996年7月15日のものと現在でも全く同一の形状である。

また、「使用商品」に関する商品カタログ2002〜2003年度版(乙第2号証)は、2003年4月28日に作成され、現在までの間、継続して頒布されている(乙第6号証;納品書の電子データ)。「歩行補助器」は、2001年3月21日から発売され、商品カタログ(乙第4号証)は、2001年度に作成され、現在までの間、継続して頒布されている。

上記「使用商品」は、「医療補助品」(介護用品)であるところから、通常使用権者は、介護用品ショップ(介護用品小売店)・病院への直接販売、あるいは通信販売として各種通販雑誌を経由している。

5 まとめ

以上のとおり、本件商標に関する通常使用権者は、本件商標を、取消しに係る商品に関し、3年以内において継続して使用してしいるため、本件審判請求については、商標法第50条第2項に該当しないことは明白である。

第4 当審の判断

本件商標は、商標法(大正10年法)の商品類別(以下「旧商品類別」という。)の第69類「電気機械器具及其の各部並電気絶縁材料」を指定商品とするものであるところ、被請求人は、取消し請求に係る指定商品「電気医療器,及びその類似商品」に含まれる「使用商品」及び「歩行補助器」について通常使用権者が本件商標を使用していたと主張する。

ところで、商品類別集(甲2号証及び甲第3号証)によれば、第69類「電気機械器具及其の各部並電気絶縁材料」には「電気医療器」が、第18類「理化学、医術、測定、写真、教育用の器械器具、眼鏡及算数器の類並其の各部」には「医術用器械器具」が属しており、旧商品類別の全体の構成よりすると、「電気医療器」を含む第69類の「電気機械器具及其の各部並電気絶縁材料」は、もともと電気の作用に関連する機器が包含される概念であって、電気を利用した医療機器のみが「電気医療器」として第69類に属し、それ以外の「医術用器械器具」は、第18類に属していたものというべきである。

そうすると、本件審判の取消し請求に係る指定商品「電気医療器,及びその類似商品」は、本件商標の指定商品の範疇に属する電気を利用したものに限られ、「電気医療器」に類似する商品であっても、電気を利用しない商品は、もともと本件商標の指定商品に包含されていなかったものというのが相当である。

以上の観点に立って、乙第2号証ないし乙第5号証を検討するに、「使用商品」は、ポータブルトイレを使用する要介護者の転倒防止のための手すりであり、電気を利用するなどの電気的な医療機器ではない。また、商品「歩行補助器」は、要介護者が室内を移動する際などに姿勢を保持するために用いるものであり、電気を利用するなどの電気的な医療機器ではない。

してみれば、被請求人の提出した証拠に示された「使用商品」及び「歩行補助器」は、本件審判の取消し請求に係る指定商品「電気医療器,及びその類似商品」の範疇に含まれないものといわなければならない。

したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が本件商標を請求に係る指定商品「電気医療器,及びその類似商品」について使用した事実を証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中「電気医療器,及びその類似商品」について取り消されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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