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Trademark Appeal Case

称呼の要部抽出の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2003−90709(T2003−90709/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4697401号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4697401号商標(以下「本件商標」という。)は、平成14年11月25日に登録出願、「ファーブル」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第3類「化粧品」を指定商品として、同15年8月1日に設定登録されたものである。

2.登録異議の申立ての理由

(1)本件商標は、昭和61年6月20日に登録出願、「ピエール ファーブル」の片仮名文字を横書きしてなり、第4類「せっけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、同63年11月30日に設定登録されている登録第2093163号商標(以下「引用商標」という。)と類似するものであり、かつ、両者の指定商品は同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)異議申立人(以下「申立人」という。)である「ピエール、ファブレ、メディカモン、ソシエテ、アノニム」は、1961年に設立された欧州屈指の美容・医薬品の一大コンツエルンであり、「ピエール ファーブル」として世界的に著名性を得ており、かつ、「ファーブル」と略称されて取引者・需要者の間に広く認識されている。

我が国においては、1986年に資生堂株式会社と合弁で「ピエール・ファーブル・ジャポン」社を設立した。

そして、本件商標は、他人である申立人の著名な略称である「ファーブル」と同一であり、かつ、その他人の承諾を得ていないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。

(3)引用商標「ピエール ファーブル」と同一構成からなる商標は、「ファーブル」との略称、愛称で取り引きされている事実があり、我が国を含む世界各国で著名なものであるから、本件商標をその指定商品について使用した場合、当該商品が申立人若しくは申立人と関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

(4)よって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3.当審の判断

(1)本件商標は、「ファーブル」の片仮名文字を書してなるものである。これに対し、引用商標は、「ピエール ファーブル」の片仮名文字を書してなるところ、これら文字は同じ書体、同じ大きさをもって一連に表されていて、視覚上一体のものとして看取し得るばかりでなく、これより生ずるとみられる「ピエールファーブル」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであり、かつ、全体として外国人の氏名を片仮名表記したものというべく、これら文字部分は常に全体として一体のものとして認識し把握されるものとみるのが相当である。してみれば、引用商標は、「ピエールファーブル」の一連の称呼のみを生ずるものというべきであって、殊更、構成中の「ファーブル」の文字部分を抽出し、該文字部分に相応する外観、観念及び称呼をもって取引に資されるというべき特段の理由は見出せない。

そうすると、引用商標は、その構成中より単に「ファーブル」の文字部分を分離・抽出して取引に資されるものとはいえないから、これを前提に本件商標と引用商標との類似を述べる申立人の主張は妥当でなく、その理由をもって本件商標と引用商標とを類似のものとすることはできない。その他、本件商標と引用商標とを類似とすべき理由は見出せない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえない。

(2)申立人の提出に係る証拠(甲第1号証ないし甲第4号証)、すなわち、本件商標及び引用商標を特定するものとする当該登録原簿及び公報(甲第1号証、甲第2号証)、引用商標の世界における著名性を立証するものとするインターネット上のホームページ情報(甲第3号証)及び同引用商標の各国における登録証(甲第4号証)を検討するに、該ホームページ情報に、申立人とみられる「ピエール ファーブル社」の表示や創業者である薬剤師としての「ピエール ファーブル」の記述、及び関連会社である「ピエール ファーブル ジャパン」等の表示が掲載されていることは認められるとしても、医薬品ないし化粧品に「ピエール ファーブル」の文字を商標として使用していることを的確に示すものとは俄に認め難く、また、単に「ファーブル」の表示をもっての使用は認められず、それを認めるに足りる証拠はないから、「ピエール ファーブル」及び「ファーブル」の表示が、本件商標に係る指定商品の分野において需要者間に広く認識されているとすることは到底できない。

そうすると、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者が申立人又は申立人業務と何らかの関係を有するものの如くその出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとはいえない。

さらに、申立人提出の証拠によっては、本件商標の登録出願時に「ファーブル」が申立人の名称の略称であり著名な略称として認識せられたものとの点は俄に認め難いものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものとはいえない。

(3)以上のとおり、本件商標は、前記各法条の規定に該当するものとはいえないから、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり決定する。

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