Trademark Appeal Case
称呼差異と著名性立証
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90076(T2004−90076/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4723047号商標(以下「本件商標」という。)は、「LAMBRINI」の文字を標準文字で書してなり、平成15年3月28日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年10月31日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、以下に示す登録第1338094号商標(以下「引用商標」という。)と外観上類似する商標であって、その指定商品は、引用商標の指定商品と同一のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
【引用商標】
引用商標は、「LAMBERTI」の文字を横書きしてなり、パリ条約に基づくイタリア共和国を最初の出願(1974年9月20日)とする優先権の主張をして、昭和50年3月17日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同53年7月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)「LAMBERTI」の文字よりなる商標(以下「引用標章」という。)を付したワインは、イタリアワインを代表するワインとして広く知られている。我が国においても、株式会社明治屋により輸入され全国に供給されている。また、引用標章は、世界の多くの国で登録され、かつ、引用標章が使用されているワインは世界各国で愛飲されている。
このような事実にかんがみれば、引用標章と外観上類似する本件商標を果実酒等について使用すると、該商品があたかも登録異議申立人(以下「申立人」という。)の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)前記(2)で述べたように、引用標章は、ワインついて使用され、本件商標の登録出願時及び査定時において著名性を獲得していたにもかかわらず、本件商標の商標権者が引用標章と外観上類似する本件商標をワインを含む第33類に出願するということは、引用標章の出所表示機能を希釈化させ、若しくは引用標章に化体した名声等を毀損させる目的をもって出願したもの、または、取引上の信義則に反する不正の目的で出願したものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおり、「LAMBRINI」の文字を書してなるものである。
これに対して、引用商標は、「LAMBERTI」の文字を書してなるものである。
そこで、両商標の類否について検討するに、本件商標を構成する「LAMBRINI」及び引用商標を構成する「LAMBERTI」は、いずれも8字よりなり、かつ、「LAMB」の4字が前半部に位置し、「I」の文字が末尾に位置する点において共通するものと認められる。
しかしながら、両商標は、「LAMB」に続く「RIN」と「ERT」において差異を有するものである。加えて、本件商標は、その構成文字全体より無理なく「ランブリニ」と称呼することができ、また、引用商標も、その構成文字全体から無理なく「ランベルチ」と称呼することができると認められるから、上記した外観上の共通点があるとしても、両商標は、それぞれより生ずる称呼上の明瞭な差異を考慮すれば、外観において互いに紛れるおそれはないとみるのが相当である。他に、両商標が類似するとみるべき要素は見出せない。
したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
(ア)引用標章の著名性について
申立人は、引用標章がワインについて使用され、本件商標の登録出願前より著名であったとして、甲第3号証ないし甲第9号証を提出している。
しかしながら、これらの証拠は、いずれもその発行日ないしインターネット上に掲載された年月日等が明確に把握することができず(仮に、甲第6号証に記載の「2003−11−21」がインターネット上に掲載された年月日と解釈したとしても、2003年(平成15年)11月21日は本件商標の登録出願日以降の日付である。)、かつ、引用標章の使用者が必ずしも明確ではない。したがって、これら証拠により、「LAMBERTI」が「1964年ヴェネト州ヴェローナにランベルティ一族によって設立された」(甲第3、9号証)こと、引用標章がイタリアのワインとしてインターネット上で紹介されていること(甲第5ないし8号証)などが認められるとしても、引用標章が申立人の業務に係るワインを表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは到底認めることができない。
また、申立人は、引用標章の著名性を立証する証拠を追加する用意がある旨主張するが、商標法第43条の4第2項ただし書きで規定する期間内にその補充の提出がないばかりでなく、職権をもって調査するも、引用標章が申立人の業務に係るワインを表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたとする事実を発見することはできなかった。
(イ)出所の混同について
上記(ア)のとおり、引用標章は、申立人の業務に係るワインを表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないのみならず、前記(1)で認定したように、本件商標と「LAMBERTI」の文字よりなる引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標と認められるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者が、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというのが相当である。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、前記(1)で認定したとおり、引用商標とは非類似の商標であり、これをその指定商品について使用しても、何ら国際信義に反する商標であると認めることはできないし、不正の目的をもって使用するものということもできない。
(4)以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものでない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。