Trademark Appeal Case
称呼類似性と略称の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90129(T2004−90129/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4730024号商標(以下「本件商標」という。)は、「エルクス」及び「ELUX」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成14年8月6日に登録出願され、第7類、第9類、第10類、第11類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として同15年11月28日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「ELECTROLUX」の文字を横書きしてなり、昭和3年5月8日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として昭和4年12月5日に設定登録され、その後、同25年12月12日、同45年1月7日、同57年4月30日、平成1年11月21日及び同11年11月9日の5回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに平成14年10月2日に指定商品を第6類、第7類、第9類、第11類、第17類、第19類、第20類及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする書換登録がされている登録第211561号商標ほか、構成中に「Electrolux」又は「ELECTROLUX」の文字を有する12件の登録商標及び構成中に「LUX」又は「Lux」の文字を有する4件の登録商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)を引用し、要旨以下のように主張している。
申立人エレクトロラックス社は、世界60ヶ国500社余りのグループ企業を持つ家電機器や業務用の厨房機器・冷蔵機器・洗濯乾燥機器等の分野において事業展開している世界的に著名な機器メーカーであり、世界中で「Electrolux」又は「Lux」の商標を付して商品の販売をしている。
本件商標は、その構成態様から「エルクス」「エラックス」「イールクス」「イーラックス」の称呼が生ずる。一方、引用商標中に含まれている「Electrolux」の文字の「Electro」の文字部分は「電気」を意味する接頭辞であり「E]と省略することが多々あり、世界的に著名な申立人が「Electrolux」の商標だけでなく、「Lux」の商標でも商品展開を行っていることが著名な商品市場においては、「Electrolux」の商標は「Electro」の文字を「E」と省略して「Elux」すなわち「イーラックス」と称呼されるから、本件商標の称呼の一つである「イーラックス」と称呼が同一である。そして、本件商標の指定商品には引用商標の指定商品と同一又は類似の商品が含まれている。よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
また、世界的に著名な申立人が使用する「Electrolux」の商標は世界的に著名であり、申立人は「Lux」の商標でも商品を販売しているという、かかる背景において、本件商標が付された商品と「Electrolux」の商標が付された同一又は類似の商品とが同じ市場で流通した場合、取引者・需要者が本件商標が付された商品を申立人又は同人と関連のある者の商品と誤認する可能性は極めて高いものである。よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
本件商標は、上記1のとおり「エルクス」及び「ELUX」の文字からなるところ、一般に、欧文字と片仮名文字を併記した構成の商標において、その片仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるときは、片仮名文字部分より生ずる称呼がその商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。そうすると、本件商標は「エルクス」の称呼を生ずるものと認められる。
申立人は、「Electrolux」の文字を含む引用商標が「Electro」の文字部分を「E」と省略して「Elux」すなわち「イーラックス」と称呼される旨述べているが、これを裏付ける証拠もなく、その合理的な根拠は見出し難いものであるから、「Electrolux」の文字からなる又は該文字を構成の要部とする引用商標は、その構成文字に相応して、いずれも「エレクトロラックス」の称呼を生ずるというのが自然である。
してみれば、引用商標から「イーラックス」の称呼が生ずることを前提にして本件商標が引用商標と称呼上類似するものであるとする申立人の主張は理由がないことになる。
もとより、本件商標と引用商標とは、上記称呼に照らし、称呼上紛れるおそれがないほか、外観において判然と区別し得る差異を有し、両者とも既成の親しまれた観念を有する語を表したものともいえず観念上比較すべくもないものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
次に、申立人は、本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人又は同人と関連のある者の商品と誤認されるおそれがある旨主張しているが、申立人の提出に係る証拠によっては引用商標が我が国における取引者、需要者間に広く認識されているものとは直ちに認め難いのみならず、上記のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の全く別異のものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について混同するおそれはないものというべきである。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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