1.本件商標
本件登録第4686466号商標(以下「本件商標」という。)は、平成14年9月26日に登録出願、「イオバン」の片仮名文字を標準文字で横書きしてなり、第10類「医療用機械器具,業務用美容マッサージ器,家庭用電気マッサージ器,医療用手袋,しびん,病人用便器,耳かき」を指定商品として、同15年6月27日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立ての理由
登録異議申立人は、「IOBAN」の欧文字を横書きしてなり、昭和58年4月12日登録出願、第1類「片面に接着剤が塗布されたプラスチックシート製手術用ドレープ、その他本類に属する商品」を指定商品として、同62年12月18日に設定登録され、現に有効に存続する登録第2008344商標(以下「引用商標」という。)を引用し、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する旨主張している。
3.本件商標に対する取消理由
当審は、商標権者に対し、意見書を提出する期間を指定して、平成16年8月18日付で商標登録の取消の理由を通知した。その理由の趣旨は次のとおりである。
本件商標と引用商標との類否について判断するに、本件商標「イオバン」の文字から「イオバン」の称呼が生じ、他方、引用商標「IOBAN」の構
成文字からは「イオバン」の称呼を生ずるものと認められる。
してみると、両商標は「イオバン」の称呼を共通にする称呼上類似する商標と言わざるを得ない。
つぎに、両商標の指定商品の類否について判断するに、引用商標の指定商品中「片面に接着剤が塗布されたプラスチックシート製手術用ドレープ」は、いわゆる「手術用ドレープ」であり、これは、手術の際に周囲の非清潔部分から被覆するために使用する布であって、例えば、「開腹ドレープ」、「滅菌丸穴ドレープ」等の用例で使用されている事実がある。(川本産業株式会社ホームページ http://www.kawamoto-sangyo.co.jp/ )
また、ニース国際分類第8版においても、主として「医療用機器及び医療用品」等をまとめた第10類に「Surgical drapes」(手術用ドレープ)として掲載されている。
そして、該商品は、専ら、外科手術等の際に使用される商品であって、その用途、用法、取引者、取引系統からすれば、第10類の「医療用機械器具」の範疇に属する商品とみるのが相当である。
してみると、本件商標の指定商品中「医療用機械器具」と前記の「片面に接着剤が塗布されたプラスチックシート製手術用ドレープ」とは、同一又は類似の商品であると言わざるを得ない。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼上類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品中「医療用機械器具」は、引用商標の前記商品と同一又は類似の商品であるから、本件商標は、その指定商品中「医療用機械器具」については商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4.商標権者の意見
商標権者は、上記3.の取消理由について、指定した期間内に意見を述べるところがない。
5.当審の判断
そこで判断するに、本件商標についてした商標法第4条第1項第11号を理由とする先の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、この理由をもって商標法第43条の3第2項により、指定商品中、結論掲記の商品についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。