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Trademark Appeal Case

論点抽出失敗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2003−90263(T2003−90263/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4644404号商標の指定商品中第18類「かばん類,袋物,傘」及び第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4644404号商標(以下「本件商標」という。)は、平成14年4月24日に登録出願され、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第18類「かばん類,袋物,傘」、第24類「布製身の回り品」及び第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成15年2月14日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立の理由の要旨

1 本件商標は、昭和58年8月18日に登録出願され、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として、平成4年4月30日に設定登録された登録第2404270号商標(以下「引用商標1」という。)、平成9年3月11日に登録出願され、別掲(3)のとおりの構成よりなり、第25類「帽子,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成10年6月12日に設定登録された登録第4156306号商標(以下「引用商標2」という。)及び平成12年12月28日に登録出願され、別掲(4)のとおりの構成よりなり、第16類、第18類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年6月28日に設定登録された登録第4580889号商標(以下「引用商標3」という。また、これらの引用商標ををまとめて「引用各商標」という。)に類似し、指定商品においても同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

2 登録申立人(以下「申立人」という。)は、1815年の創立以来、引用各商標に表されている獅子のロゴを長年にわたり使用し続け、服飾品の分野で著名なものであるところ、本件商標は、この引用各商標と外観において近似し、かつ、服飾の分野においてはワンポイントマークとして小さく表示されることも多く、その細部における相違点はほどんど目立たないことから、本件商標をその指定商品に付して使用した場合には、申立人と何らかの関係を有するものによって販売されているかのように、需要者に混同を生じさせるおそれがある。したがって、本件商標、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第3 当審における取消理由の要旨

本件商標と引用各商標とは、子細にみれば異なる点があるとしても、両者はいずれも、四肢を開き左向きに起立し、尾を略垂直にしたライオンの如き動物を欧紋章風に表してなるという点において、構成の軌を一にするものであり、これらの共通点が視覚上看者の印象に強く残るものである。

しかも、服飾品等の分野においては、動植物等のロゴマークが被服等に胸部のワンポイントマークや襟吊りネーム等として表示されるなど、比較的小さく表示される場合があることから、細部の相違点にまで看者の注意が及ばないことも多い。

そうすると、本件商標と引用各商標とは、外観において互いに類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品は同一又は類似の商品と認められるものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

第4 商標権者の意見の要点

本件商標は、以下に述べるとおり、引用各商標と明らかに外観を異にする非類似の商標である。

1 本件商標と引用各商標との対比

本件商標と引用各商標とは、単に「四肢を開き左向きに起立し、尾を略垂直にしたライオンの如き動物を欧紋章風に表わしてなるという点」のみの共通性だけで外観上類似すると断定し得ないところであり、さらに具体的に如何なる態様で表わされているかを検討すべきである。

(1)線図かシルエット図形か

この種図形には、線図のみで表された図形と全体を黒く塗りつぶしたシルエット図形との二種類が存在する。圧倒的に多いのはシルエット図形であり、引用各商標もこのシルエット図形の範疇に属するものである。しかるに、本件商標は線描きのみで描いた線図であり、この点における差異は一見して明瞭に看取し得る大きな相違点である。両商標に接した需要者も一方は線図で描いた獅子図形、他方は良くあるシルエット図形として認識・記憶することは疑いのないところといえ、この点における相違のみをもってしても両者を明瞭に識別し得るものである。

(2) 全体図形の相違

引用商標1は、単に獅子の図形のみで構成されるものではなく、図形と一体化したまとまった態様で、「P」の文字に似た記号又は図形を顕著に表してる。

また、引用商標2も、単に獅子の図形のみで構成されるものではなく、ゴルフクラブを前足2本と後足1本で把持しているかあるいは獅子がゴルフクラブを支えとしているかのごとき図形として表されている。

これに対し、本件商標は獅子の図形のみからなるものであり、全体的に観察した場合においても明らかな相違点として看取し得るものである。

(3) 頭部の相違

本件商標は、線図で描かれていることもあり、肩の部分に垂れ下がる鬣が明瞭に描かれ、顔の部分もボリューム感を感じさせる大きさを有し、舌が□先から出ている状態で描かれておりますが、引用商標1及び2の頭部は本件商標における鬣に匹敵する表現は見られず、後ろ側に見られる凹凸は鬣を表わしたものともいえない形状であります。また、頭部全体は小さく鼻先が長くて比較的局平な頭部として描かれており、獅子の頭部、顔というよりは狼の頭部、顔を表わしたものというのが相応しいものであり、両者明瞭に相違します。

また、引用商標3の頭部はどちらかといえば雌ライオンの頭部を表わしたものといえ、本件商標とはやはり印象を異にするものであります。

(4) 四肢の相違

本件商標は、かなり太い足を太線輪郭で描き、3つに分岐した末端部の先端は尖った状態で描いたものであるが、引用商標1及び2では比較的細い足として描かれ、末端部は4つに分岐し、足の中途において頭部の後と同様の凹凸が描かれたものである。また、引用商標3も比較的細い足として描かれ、末端部は先端が丸くなった拳状に描かれたものであり、一見してその相違を明瞭に認識可能である。

(5) 尾の相違

本件商標は、炎が立ち上がるような形状に描かれているのに対し、引用各商標は全体としてS字状をなす尾本体と意味不明の2つの突部が描かれており、尾の印象においても明瞭な相違を看取し得るものである。

以上の相違点は総和となって看者に異なった印象を与えることは必定であ

り、たとえ離隔的観察においても彼此混同するおそれのない互いに非類似の商標である。

2 特殊ケースについて

取消理由は、「被服等に胸部のワンポイントマークや襟吊りネーム等として表示されるなど、比較的小さく表示される場合」を想定され、「細部の相違点にまで看者の注意が及ばないことも多い」と付言されているが、実際に小さく表示された出願商標について類否判断される場合はともかく、出願商標の外観は出願時に提出された商標そのものを基準に判断されるべきであり、「比較的小さく表示される場合」という想定をされることには納得致しかねる。そのような特殊ケースを想定すべき余地はない。仮に、そのような観察方法を採用するとするならば、向かい獅子のような複雑な構成のものはもとより、一頭の獅子を描いたもの、付属物を有するもの、他の構成要素と組み合わせたもののすべてを通じて、全体の相違点は不明瞭なものとなり、同様なライオンの如き動物を紋章風に表わしてなるものとして互いに類似する商標であるといわざるを得なくなるというべきである。

3 むすび

以上の通り、本件商標と引用各商標とは、一見して明瞭な差異がみられ、看者に異なった印象を与えることは明白であり、外観上において類似するものでないから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

第5 当審の判断

平成16年1月6日付けで通知した前記「第3」の取消理由は、妥当なものであり、これに対する商標権者の意見は以下の理由により採用できない。

本件商標と引用各商標は、それぞれ別掲(1)、(2)、(3)及び(4)のとおりの構成よりなるところ、これらを子細に対比し観察すれば、商標権者が意見書で述べるとおり、本件商標は、線のみで描いた線図である、鬣が明瞭に描かれ舌が口先から出ている、かなり太い足を描き3つに分岐した末端部の先端は尖った状態で描いている、尾も炎が上がるような形状で描かれているのに対し、引用各商標は、全体を黒塗りしたシュルエット図形である、欧文字「P」或いはゴルフクラブと一体となった図形である、鬣に匹敵する表現はみられない、比較的細い足をしている、S字状をなした尾である、等の点において相違することが認められるとしても、これらの差異は、本件商標と引用各商標とを対比観察すれば言い得ることであって、時と所を異にして離隔的に観察した場合、両者を区別し得るほど顕著な特徴として看者に強い印象を与えるものではなく、寧ろ、商取引の場では捨象し得る部分とみるのが相当である。

しかして、本件商標に接する取引者、需要者は、本件商標のようなライオンを題材にした欧紋章的な図形にあって、日常一般に親しまれた邦紋章と異なり、必ずしも細部に亘って的確に把握、理解されているものと言い得ないところ、本件商標と引用各商標とは、四肢を開脚して左向きに立ち上がった如き姿態で、尾を略垂直にしたライオン等のネコ科に属する動物と思しき図形を欧紋章的に表したものであり、前足を重ねることなく上げているような描出方法(基本的構成)において、その構成の軌を一にするものであり、両商標を時と所を異にして離隔的に観察した場合は、外観上共通した印象を強く看取し得るものと認められる。

加えるに、申立人提出の甲第6号証によれば、引用各商標は、被服等のワンポイントマークとして使用されている事実が認められ、本件商標もその指定商品である被服の分野において使用される場合、ワンポイントマークとして表示される蓋然性が高いことからすれば、本件商標と引用各商標との前記相違点は、直ちに判別し難い程度のものということができる。

なお、この点について申立人は、「出願商標の外観は出願時に提出された商標そのものを基準に判断されるべきである。」旨主張する。

しかしながら、商標の類否は、商標の外観、称呼、観念及び商取引の実情を考慮して判断されるところ、引用各商標が商品「被服」につてワンポイントマークとして使用されている事実が証拠によって明らかになったことからすれば、本件商標と引用各商標とがワンポイントマークとして使用されることも考慮して商標の類否を判断することは、何ら商標法第4条第1項第11号の趣旨に反するものではないというべきである。

したがって、申立人のこの点の主張は失当である。

してみれば、本件商標と引用各商標は、その外観において互いに類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品は同一又は類似の商品と認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

追って、本件商標の指定商品中第24類「布製身の回り品」については、引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品がないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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