Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−8477(T2003−8477/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Super Fine poly−silicon TFT」の文字を標準文字で書してなり、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として、平成14年2月20日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、全体として「最高級品のポリシリコン製薄膜トランジスタ」の意味合いを直観する「Super Fine poly―silicon TFT」の文字を普通に用いられる方法で表してなるから、これを本願指定商品中「ポリシリコンTFT液晶ディスプレイ」に使用するときは、これに接する需要者・取引者が「最高級品のポリシリコンTFT液晶ディスプレイ」を理解・認識するに止まるから、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記のとおり、「Super Fine poly−silicon TFT」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということができる。
そして、本願商標中の「Super Fine」の文字部分は、「(商品・製品が)極上の、特級の、最高級の」等を意味する英語(「小学館ランダムハウス英和大辞典」(1999年1月10日第2版第7刷発行)等)であり、また、同じく「poly−silicon TFT」の文字部分は、「多結晶シリコンTFT(=半導体として多結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ)」(「改訂 電子情報通信用語辞典」株式会社コロナ社、1999年7月9日改訂版第1刷発行)を意味する語であって、液晶を用いたディスプレイパネルの形式の一つである「TFT(薄膜トランジスタ)」に「ポリシリコン(多結晶シリコン)」を用いたものがあることは、例えば、「現代用語の基礎知識2004」(株式会社自由国民社)の「TFT」の項目(805頁)に「液晶を用いたディスプレイパネルの一形式。・・近年ポリシリコン(多結晶シリコン)を用い、・・」との記載からも明らかである。
そうすると、本願商標は、構成全体をもって「最高級のポリシリコン(多結晶シリコン)を用いたTFT(薄膜トランジスタ)液晶ディスプレイ」なる意味合いを理解させるものであるから、これをその指定商品中、例えば、テレビ受信機、携帯電話等「ポリシリコンを用いたTFT液晶ディスプレイ」が組み込まれた商品について使用しても、単に商品の品質を表示するにとどまるものであって、それ以外の液晶表示装置が組み込まれた商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
(2)請求人は、本願商標を構成する文字は商品の品質を表示するものとして普通に使用されておらず、請求人が独占して使用しているものである旨主張する。
しかし、前記認定のとおり、本願商標中の「Super Fine」の文字部分は、「(商品・製品が)最高級の」等を意味する一般的な英語であり、「poly−silicon TFT」の文字部分が「多結晶シリコンTFT(=半導体として多結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ)」を意味し、液晶ディスプレーパネルの一形式を表示するものとして、本願の指定商品の分野で普通に使用されている語であるとすれば、その需要者は、本願商標より「ポリシリコンを用いたTFT液晶ディスプレイ」についてその品質を表示したと理解するにとどまるというべきである。また、上記のように、格別自他商品の識別力を有するものとは認められない本願商標がいつころから請求人により独占して使用されてきたのかについては、請求人は何ら証拠を提出していない。
したがって、上記に関する請求人の主張は採用することができない。
(3)以上のとおりであるから、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨認定、判断した原査定は、妥当であって、取り消すべき理由はない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。