Trademark Appeal Case
防護標章の同一性要件
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−792(T2003−792/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願標章
本願標章は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第1類ないし第34類の願書記載のとおりの商品を指定商品とし、登録第682388号商標(以下「原登録商標」という。)の防護標章として、平成13年8月20日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、同14年10月15日付け手続補正書及び当審における同15年1月14日付け手続補正書により、第16類「紙製のぼり,紙製旗,印刷物,文房具類」、第24類「織物,布製身の回り品,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」及び第25類「被服,運動用特殊衣服」と補正されたものである。
そして、原登録商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和39年2月22日に登録出願、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として、同40年7月28日に設定登録、現に有効に存続しているものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願標章は、原登録商標とその構成態様を異にするものである。したがって、本願標章は、商標法第64条に規定する要件を具備しない。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
防護標章登録を受け得る標章が「登録商標と同一の標章」に限られることは、商標法第64条が規定するところである。
請求人は、ここでいう標章の同一性の基準は物理的な同一が求められている立法上の精神を尊重した上で、現状の商慣習等の趨勢に応じ、適正かつ弾力的に運用されてしかるべきであるとするのが、今日の社会実態に照らし妥当であると主張する。
しかしながら、東京高等裁判所平成元年7月27日言渡、平成元年(行ケ)第77号及び同第78号判決においては、「防護標章の登録制度は、商品(役務)混同を生ずるおそれがあることを要件として、登録商標の禁止的効力をその指定商品(指定役務)の非類似商品(役務)にまで拡大させるものであるから、登録商標の標章と同一の標章、すなわち登録商標の標章そのものでない限り防護標章登録を受け得ないことは、制度の前記趣旨からして当然というべきである。ただし、この点について、商標法は、第70条第1項に『第64条における登録商標には、その登録商標に類似する商標であって、色彩を登録商標と同一にするものとすれば登録商標と同一の商標であると認められるものを含むものとする。』との規定を設けている。この規定は、要するに、標章の構成要素のうち色彩についてのみ同法第64条に規定する同一性の要件を緩め、標章の構成要素のうち色彩のみが登録商標と同一でないが色彩を登録商標と同一にするならば登録商標と同一となる標章は例外的に防護標章登録を受け得るものとしたものであるから、標章の構成要素のうち『文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合』については、それがいかに登録商標に酷似する標章であっても、登録商標の標章と同一でない限り防護標章登録を受けないことは疑いの余地がないのである。」と判示されているところである。
この視点に立ってみると、別添(1)に示した本願標章と別添(2)に示した原登録商標は、原審説示の如く、「R」の文字部分の態様が相違し、かつ、「Y」及び「A」の文字のバランスに差異を有するものであるから、商標法第64条第1項にいう「同一の標章」とはいえないものである。
したがって、本願標章が商標法第64条に規定する要件を具備しないものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、過去の判決例(甲第2号証及び平成16年11月15日付け上申書にて提出の資料1)を挙げて、本願標章は登録されるべきであると主張しているが、これらの事例は、本件とは事案を異にするものであって、これにより前記認定が左右されるものではないから、請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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