結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2003−2894(T2003−2894/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
1.本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第7類「プリント基板用露光装置」を指定商品として、平成13年6月27日に登録出願されたものである。
2.引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4398513号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成9年12月12日登録出願、第7類「研削盤,切断機,旋盤,ラップ盤,超硬工具,金属加工機械器具用ダイヤモンド研削砥石,切削工具,ダイヤモンド工具,アルミニウムの鏡面研削装置,カーボンの鏡面研削装置,ガラスの鏡面研削装置,半導体基板の鏡面研削装置」を指定商品として同12年7月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3.当審の判断
原査定においては、本願指定商品第7類「プリント基板用露光装置」と引用商標の指定商品中第7類「半導体基板の鏡面研削装置」が類似する商品である旨、認定、判断している。
商品の類否を判断するに際しては、対比すべき商品の生産部門や販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲が一致するかどうか、当該商品が完成品と部品との関係にあるか等について総合的に考慮すべきこととされている。
そこで、以下に、両商品の類否について検討する。
(1)本願指定商品である「プリント基板用露光装置」について
「プリント基板」とは、各種電気機械器具において、いわゆるプリント配線(回路設計に基づいて、部品間を接続するために導体パターンを絶縁基板の表面又は表面とその内部に、プリントによって形成する配線又はその技術(「JIS工業用語大辞典」))をするために用いられる厚さ1〜2mmの絶縁基板(printed wiring board)の片面又は両面に接着剤などで銅箔を付着したものをいう(近年では、多層構造のもの、フィルムのように薄くフレキシブルなものもある)。
抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、IC(集積回路)などの電子部品で回路を作成する場合に、プリント基板は各部品間の配線と部品の固定を行うものであり、製造工程の工業化によって短時間で同品質の電子回路を大量に製造することができるという特長を有することから、各種電気製品の電子回路の組立に非常に適したものとされている。
プリント基板に回路を配置する方法としては、基板全面に張られた銅箔から、配線部分の銅箔を残して他の部分の銅箔を取り除く方法がとられる。伝統的な方法としては、配線として残したい部分に、シルクスクリーン印刷などで防蝕膜となるインクや塗料を塗布して覆い(「マスキング」)、金属腐食性のある薬品(銅箔の場合は「塩化第二鉄溶液」が一般的)で銅箔を溶かして(「エッチング」)必要な回路のみを残す方法がある。一方、この方法に換えて、予め基板に感光剤を塗布し、それを配線パターン形状を撮影したマスクフィルムで覆い、感光させてから溶剤で溶かして配線パターン部分を残し、それをエッチングするという技術方式も存在する。後者の方式において、マスクフィルムの配線パターンを感光させてそれをプリント基板に焼き付ける装置が、「プリント基板用露光装置」である。
このような装置は、その用途からして高精度の機能を確保するための画像処理・制御システム等の搭載を要し、商品の大きさは縦・横・高さともに2〜3m程度の大きなものであり(参考:http://www.adtec.com/products/exposure/anexa3161.htm 株式会社アドテックエンジニアリング「高精細ソルダーレジスト用自動露光装置」[職権調査資料a]、http://www.jpca.jp/list/pdf/74.pdf 豊和工業株式会社(請求人)「縦型両面露光装置」[b])、販売価格も数千万円程度とされている。
商品の製造者及び販売者については、職権により調査した資料の中には、「”露光装置”を扱う企業は世界で約20社」と説明するもの(http://www.en-gakusei.com/2006/cp_view.php?company_id=00000096 [en]学生の就職情報:株式会社アドテックエンジニアリング[c])もあるように、相応の技術・設備を備えた数少ない専門メーカーに限定されているものと認められる。
また、商品の需要者は、該装置を使用してプリント基板を製造するプリント基板製造業者である。
(2)引用商標の指定商品中第7類「半導体基板の鏡面研削装置」について
「半導体」とは、電気抵抗の値が金属と絶縁体との中間である固体物質の総称であり、低温では絶縁体に近く、温度が高くなるに従って電気伝導性が増す性質を有し、具体的にはゲルマニウム・セレン・シリコン・ガリウムヒ素などで、整流器やトランジスタなどに応用されるものをいい(請求人の提出に係る甲13号証)、これらを材料とした数mmから数百mmの直径又は辺の基板を「半導体基板」といい、この基板上にトランジスタ・ダイオード・抵抗器などの回路素子を相互接続した集積回路を「半導体集積回路(IC)」という。
例えば、代表的な半導体であるシリコン(ケイ素)を半導体基板とするには、通常、自然から採取した多結晶シリコンの単結晶シリコンへの加熱融解(CZ法)、育成の完了したシリコン(単結晶シリコンインゴット)の外周研削加工、スライス加工、ウェーハ外周面取り加工、ウェーハ両面研磨、ドナー消去熱処理、ポリッシング(片面鏡面研磨)、洗浄等を経て、検査、梱包、出荷といった過程をとるものとされているが(参考:http://www.tocera.co.jp/ja/products/wafer/process.html 東芝セラミックス株式会社「シリコンウェーハ製造プロセス」[d]、http://www.svmi-japan.com/education/siliconwafers.shtml シリコンバレーマイクロエレクトロニクス社「シリコンウェハーの製造」[e]、http://www.necel.com/ja/cprofile/fab/index.html 株式会社NECエレクトロニクス「半導体ができるまで」[f])、引用商標の指定商品中「半導体基板の鏡面研削装置」は、主として上記のポリッシング(片面鏡面研磨)の段階において使用される機械装置を指称するものと認められる。
この「半導体基板の鏡面研削装置」は、高精度・超微細の研磨加工に対応するために電子制御された相当規模の機械設備であり(参考:http://www.kashiki.co.jp/machine/mac_01.html 株式会社柏原機械製作所「シリコンウェハー鏡面研磨装置」[g]、http://www.nachi-fujikoshi.co.jp/sei/kensaku/index.htm 株式会社不二越「精密平面研削盤 RGシリーズ」[h]、http://www.scsemicon.co.jp/main9.html エス・シー・セミコン・テクノロジー株式会社「ワックスマウントウェーハ研磨装置」[i])、商品価格は1千万円程度とされている。
これら鏡面研削装置・研磨装置の製造・販売者は、主としては研削・研磨機械製造業者やシリコン製造装置専門メーカーであり、また、需要者は、半導体ウェハー・半導体基板製造業者である。
上記(1)及び(2)によれば、本願商標の指定商品「プリント基板用露光装置」と引用商標の指定商品中の「半導体基板の鏡面研削装置」とは、その品質・機能・用途や生産・販売部門及び需要者等からみて、全く別異のものということができる。加えて、このような相当規模・金額の商品は、取引者・需要者においては商品の構造、品質、機能、メンテナンス等に関する検討を踏まえて慎重に取引されるものであるから、両者は、取引上互いに混同を生じさせるおそれがあるものとはいえず、これらは互いに類似する商品とはいえないものである。
したがって、本願商標と引用商標とはその指定商品において前記のとおり類似するものとはいえないから、商標の類否について検討するまでもなく、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲1 本願商標(色彩については原本を参照されたい。)
別掲2 引用商標
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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