結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35101号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4015510号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に示すとおり、「NICOLE MILLER」の欧文字よりなり、平成6年11月4日に登録出願、第9類「望遠鏡類,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),電話機械器具,レコード,保安用ヘルメット,映写フィルム,スライドフィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター」を指定商品として、同9年6月20日に設定の登録がされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求める、と申し立て、その理由をつぎのように述べ、証拠方法として、甲第1号証乃至甲第5号証を提出した。
(1)請求人は、「Nicole Miller」の欧文字よりなる商標を「第9類眼鏡」を指定商品として、平成9年2月26日に登録出願(商願平9−19088)したところ、本件商標の存在を理由とする拒絶理由通知を受けた(甲第1号証)。従って、請求人は法律上の利害関係を有する者である。
(2)ニコル・ミラー氏は、米国ニューヨーク州ニューヨーク在の新進デザイナーとして、米国のみならず、わが国においても注目されており、同氏については、各種ファッション雑誌はもとより、一般の雑誌にも紹介されている(甲第2号証,甲第3号証)。請求人「コプラ インターナショナル,リミテッド社」は、ニコル・ミラー氏の経営する法人であり、同氏のコンセプト商品を製造・販売することを目的とする。請求人に係る前記登録出願(商願平9−19088)は、同氏の承諾に基づきなしたものである。
(3)以上のとおり、本件商標がニコル・ミラー氏の氏名を表すものであることは明らかであるところ、その商標登録に当たり、商標登録出願人が同氏の承諾を得たものとは認められないものである。
従って、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定により、その登録は無効とされるべきである。
被請求人は、本件審判の請求に対し、何ら答弁していない。
本件商標は、前記のとおり、「NICOLE MILLER」の欧文字よりなるものである。
これに対して、請求人は、本件商標は米国の新進デザイナーとしてわが国においても知られる「NICOLE MILLER」(ニコル・ミラー)氏の氏名を表すものであってその承諾もないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当すると述べている。
そこで、「ニコル・ミラー」(Nicole Miller)なる者についてみるに、請求人の提出に係る甲第2号証は、大衆雑誌の一と認められる「週刊文春」(1997.2.20発行)の当該記事(抜粋)と認められる。同記事は、「仕事場探検隊」とする記事見出しのもと、「N.Y.ファッションデザイナーシリーズ▲2▼」として、ニコルミラー(Nicole Miller)氏を「ヒラリー・クリントン大統領夫人、女優のデミ・ムーアが彼女の服を愛用することで知られるニコル・ミラー(45)。いかにもニューヨークらしい斬新なデザインのスタイルが高い評価を得ているのだ・・・」とする旨の解説と共に同人を人物写真入りで紹介するものである。
同じく、甲第3号証は、女性向けの一般雑誌と認められる「ミス家庭画報」(1999年2月号)の当該記事(抜粋)と認められる。同記事は、「Designer’s Intervieu」とする記事見出しのもと、ニコル・ミラー(Nicole Miller)氏を「アメリカ・テキサス州生まれ。NYのデザインスクールを卒業後、・・・NYを代表するデザイナーとして活躍。一児の母親でもある。」、「メインショップをNYのアッパーイースト、マディソンアベニューに構え、アメリカを中心に30余りのブティックを展開するブランド。・・・」とする旨の解説とともに、同氏を人物写真入りで紹介するものである。
また、前記の者について、一般新聞の報道記事をみると、例えば、1994(平成6年).11.3付日本経済新聞(朝刊)によれば、「欧米の人気ブランド商品を安売りするデザイナーズコレチオーネジャパン・・・は、今月中旬から女性下着など海外ブランド品のカタログ販売に乗り出す。・・・取り扱う商品は、・・・子供服がニコルミラー(米)・・・など。」とする報道記事が認められ、或いは、1994(平成6年).12.19付日経産業新聞によれば、「・・・海外ブランドのディスカウント店を展開するデザイナーズコレチオーネジャパン・・・は、・・・子供服は「ニコルミラー」といった米、仏、独などのブランドをそろえた。・・・」とする報道記事が認められる。
以上によれば、ニコル・ミラー(Nicole Miller)なる者は、米国ニューヨーク在の女性デザイナーであって、現在、米国を中心に30余りのブティックを展開し、著名人の衣服デザインも手がけることで知られ、今やニューヨークを代表するデザイナーの一人であって、そのデザインに係る商品(いわゆるデザイナーズブランド)は、本件商標の登録出願時である平成6年11月当時すでに、わが国の一部衣料品関連業者により国内販売が企画されていたように、該ブランド並びに同氏の氏名は、早くからわが国の衣料品業界を中心に相当程度認識せられていたものと認められる。
しかして、本件商標は、「NICOLE MILLER」の欧文字よりなるものであって、前記認定のデザイナーの氏名又は同氏に係るデザイナーズブランドを表彰する標識と同一のものと認め得るものである。そして、昨今、いわゆるデザイナーズブランドは多様な商品分野において企画、設計され、商品化が図られているのが実情であるから、本件商標の指定商品の分野においても需要者は容易に前記デザイナー又は当該ブランドと関連づけて想起し得るものと認められる。 そうすると、本件商標は、他人の氏名よりなるものであって、これを無断で使用することは当該他人の人格権を損ねるおそれがあるというべきであるから、結局、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものといわなければならない。
そして、被請求人は、本件審判の請求に対し、何ら答弁するところがない。
してみれば、本件商標の登録は、前記法条の規定に違反してされたものといわざるを得ないから、商標法第46条第1項の規定により、これを無効とすべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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