Trademark Appeal Case
「ロータリー」結合商標の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第467号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、別紙に表示するとおりの構成よりなり、第6類「金属製建具,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建造物組立てセット」を指定商品として、平成6年12月28日に登録出願され、その後指定商品については、同8年8月14日付手続補正書により、「金属製の半筒状ドア」と補正されたものである。
第2 原審の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、回転ドア(戸、扉)の意味合いを容易に認識させる『ロータリードア』『ROTARYDOOR』の文字を普通に用いられる方法をもって、二段に書してなるものであるから、これを本願の指定商品中『戸、扉』について使用しても、回転式のドアであることを表したものと理解するにとどまり、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」として本願を拒絶したものである。
第3 請求人の主張
1本願指定商品「半筒状ドア」の内容
本願指定商品は、半筒状の板状体よりなるいわゆる「回転式のドア」である。身障者に対するバリアフリーを目的として開発されたものである。主に公園や公共施設のトイレ入口に設置されている。また、衣料品販売店に設置する更衣室の扉としても販売している。
2本願商標の自他商品識別性及び独占適応性
本願商標から、「回転式のドア」なる意味合いが看取される。しかしながら、このような意味合いが看取されるにせよ「ロータリードア」なる語は一般に用いられている事実のない造語であり、この語を以ては需要者に対し直接的に商品の内容を伝達することができない虞があるので、寧ろ「回転ドア」「回転扉」或いは「回転式」ように記述するのが商品の内容表示として適切である。そうとすれば、本願商標を請求人の独占に付することに就き何等弊害は生じ得ない。「回転式のドア」を英語で表記する場合には、「Revolving Door」或いは「リボルビングドア」と記述するのが、当業者の用いる建築用語としては正しいのである。
3 本願商品の如き商品に就き「ロータリードア」の語が用いられておらず、反対に、当該商品について「回転ドア」或いは「回転扉」の語が広く一般に用いられている事実を示すとともに、「ロータリー」或いは「ROTARY」の語に商品の一般名称を結合させ、全体としてみればその商品が「回転」するものであることを示唆していると考えられる造語が多数商標登録されている。
4 本願商標は、十分に自他を識別する機能を発揮するとともに、独占適応性をも有する商標と解するのが相当であるから、原査定は取り消しを免れない。
第4 当審の判断
本願商標は、別紙に表示するとおりの構成よりなるところ、その構成中の「ロータリー」「ROTARY」の文字は「回転式の、回転機械」等、また、「ドア」「DOOR」の文字は「戸、扉」をそれぞれ意味する英語及び外来語として、いずれもよく知られているところである。
そうすると、本願商標は、容易に前記各英語及び各外来語を組み合わせてなるものと理解、認識されるものである。
しかして、「ロータリー」の文字が他の語を伴う場合について、当審において調査したところ、「ロータリーエンジン(Rotary Engine)(往復式のピストンの代わりに回転子によって、吸入、圧縮、爆発、排気の全行程を行い、その回転子の運動から直接回転運動を得る内燃機関)」、「ロータリースイッチ(Rotary Switch)(つまみの回転によって切り替えを行うスイッチ。)」「ロータリーシステム(Rotary System)(環状交差式の交通整理法。環状交差路を車を同一方向に旋回さ
せながら交通整理を行う方式)」「ロータリーファン(Rotary Fan)(回転ファン)「ロータリープレス(Rotary Press)(輪転機)」「ロータリーポンプ(Rotary Pump)(回転式ポンプ。回転子を回して液体を送る形式のポンプ)」「ロータリースタッカー(Rotary Stacker)(コンピューターによって管理される回転式の自動倉庫)」等当該物品が回転式であることを端的に表わす語として使用されている事実が認められる。(日本語になった外国語辞典第2版 1988年4月10日株式会社集英社発行)
そうすると、本願商標は、別紙に表示するとおり「ロータリードア」「ROTARYDOOR」の文字を二段に書してなるもので、その構成よりみて「ROTARY」「ロータリー」と「DOOR」「ドア」の二語よりなるものと容易に看取され、各語が前記した意味の英語及び外来語であって、かつ、その語義が我が国において親しまれた語であり、しかも、「ROTARY」「ロータリー」の語が上記のとおり用いられている事実をも考慮すると、請求人も認めているように全体として「回転式のドア、回転式の機能をもつドア」の意味合いを容易に認識させるものである。
上記事実に徴すると、本願商標「ロータリードア」「ROTARYDOOR」は、その指定商品中「回転式のドア」に使用する場合には、該ドアが「回転式のドア、回転式の機能をもつドア」であることを認識させるにすぎないものといわなければならない。そして、「回転式でないドア」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものである。
なお、請求人は、「ロータリードア」なる語は建築用語として用いられておらず、自他商品の識別は可能であり、独占適応性を有する旨主張しているが、本願指定商品との関係からして「ロータリードア(ROTARYDOOR)」であれば、容易に回転式のドア、回転式の機能を有するドアであるものと認識し、把握されるものであること前記認定のとおりであるから、たとえ該語が建築用語として用いられていない語であるとしても、その故をもって、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認められず、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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