Trademark Appeal Case
商標の類否と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第9020号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第24類「布製身の回り品,織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,ふきん,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,シャワーカーテン,テーブル掛け,どん帳,布製ラベル,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」指定商品として平成8年9月24日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、その構成中にアメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市所在の『ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテツド パートナーシップ』がラルフローレンのデザインに係る『ネクタイ,シャツ,ジャケット』等に使用し、我が国においても本願出願当時既に需要者の間に広く認識されていた『POLO』または『乗馬中の人物がマレットを振りおろしていると思しき図形』の商標と類似する『POLO』の文字および酷似の図形を有してなるものであるから、出願人がこれを本願指定商品に使用するときは、恰も前記会社若しくはデザイナーの製造販売する商品又は前記会社若しくはデザイナーと何等かの関係のある者の取り扱いに係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」と認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
(株)講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。
ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファツションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、鞄、等のデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャッツビー」の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。
わが国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。
そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、わが国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに掛かる紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。
また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、前出「世界の一流品大図鑑’80年版」、前出「ファッションブランド年鑑’80年版」、前出「男の一流品大図鑑’81年版」、前出「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。
なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の各文字及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、わが国においては、遅くても昭和55年頃までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
そして、現在においても、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されているものというのが相当である。
(2)出所の混同のおそれについて
本願商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなるところ、図形部分は、馬に乗ったポロ競技プレーヤーを表し、文字部分は、「PORTLAND HOUSE」と「QUEENS」と「POLO CUP」の文字を3段に書してなり、全体として一体不可分の既成の観念を示すものとして一般に広く認識されているともいい難く、さらに、「馬に乗ったポロ競技プレーヤーの図形」、「POLO」の文字が前記認定のとおり著名であるところから、取引者、需要者は、構成中の図形部分と「POLO」の文字に注目し、ラルフ・ローレンに係る標章を想起するものというのが相当である。
しかして、本願商標の指定商品と引用商標が主として使用されている衣服とは、いずれも、繊維製品であり、日常一般需要者にも極めて身近に購入され、使用される商品であるから、両者は、密接に関係する商品であり、その需要者層を共通にするものである。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想、想起し、ラルフ・ローレンまたは同人と組織的・経済的に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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