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Trademark Appeal Case

指定商品での商標使用証明

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30484(T2001−30484/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3256950号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成5年5月26日に登録出願され、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,写真機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同9年2月24日に設定登録されたものである。

そして、本件審判の請求の登録は、同13年5月23日にされたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の指定商品「理化学機械器具,測定機械器具,写真機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。

1.請求の理由

本件商標は、被請求人である商標権者若しくは使用権者によってその登録に係る指定商品「理化学機械器具,測定機械器具,写真機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」ついて、少なくとも過去3年以上継続して使用されている事実を発見できなかった。

よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項に該当し、その登録は取消されるべきものである。

2.答弁に対する弁駁

(1)被請求人は平成13年8月30日付け答弁書にて(イ)社団法人大和郡山市医師会設定サーバ、(ロ)奈良芸術短期大学設定のウェブ・メール用サーバ、(ハ)被請求人会社の本社社屋等に掲示した本件商標、(ニ)タウンページ掲載の広告及び(ホ)被請求人会社の封筒を使用証明として提出しているが、下記に述べるようにかかる使用証拠では本件商標の使用が十分に証明されたものとはいえない。

(イ)社団法人大和郡山市医師会設定サーバ

乙第3号証によればサーバに本件商標を表示したシールが貼着された写真が示されているが、該シールは乙第6号証に示されているものと異なるものであり、また、平成13年3月14日の大和郡山市医師会への販売・納入時に貼着されていたものか否か必ずしも乙第3号証ないし乙第5号証からは明らかではない。

ついては、該シールの製造業者及び製造年月日を明確にすることを要望するとともに、必要であれば、大和郡山市医師会会長若しくは当該サーバ搬入の担当者の証人尋問をお願いする。

(ロ)奈良芸術短期大学設定のウェブ・メール用サーバ

乙第6号証は「納入」と記載されており、「販売」ないしは「購入」とは記載されていない。さらに、乙第7号証の2によれば「レンタルサーバ1台占有使用料」とされており、販売ではない。電子計算機の貸与という役務は第42類に属するものである。

したがって、当該使用は、本件商標の第9類の商品についての使用ではない。

(ハ)被請求人会社の本社社屋等に掲示した本件商標

乙第9号証に示されている社屋の看板及び電柱広告にはいずれも何ら第9類に属する商品に関する記載がなく、したがって該表示は当該商品の出所を表示するものではなく、商標としての使用を構成しない。

(ニ)タウンページ掲載の広告

乙第10号証の(1)に示されている広告には具体的に第9類に属する商品に関する記載がなく、したがって該広告中のAMICの表示は当該商品の出所を表示するものではなく、商標としての使用を当該商品との関係で構成しない。

乙第10号証の(1)に示されている広告にはたしかに「システム販売」との表示があるが、かかる表示では必ずしも第9類に属する商品を表示したものか否か明確ではなく、したがって該広告中のAMICの表示は当該商品の出所を表示するものではなく、商標としての使用を当該商品との関係で構成しない。

(ホ)被請求人会社の封筒

乙第11号証に示されている被請求人会社の封筒にはいずれも何ら第9類に属する商品に関する記載がなく、したがって該表示は当該商品の出所を表示するものではなく、商標としての使用を構成しない。

なお、乙第1号証、乙第2号証及び乙第8号証は、単に定款記載の業務範囲、取り使い商品等を一般的に言及しているに留まり、何ら本件商標が第9類に属する商品について使用されていることを立証するものではない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第17号証(枝番を含む。)を提出している。

1.被請求人は、会社登記簿謄本(乙第1号証)の目的欄にも示されているとおり、本件商標の指定商品に係る各種商品を製造販売している。ことにコンピュータ自体の製作販売並びにその周辺機器の製作販売は、インターネットなどのネット通信を介して、医師会を始め手広くビジネスを展開しており、そのビジネスの中心には本件商標を使用している。

そして、乙第2号証に示す被請求人の発行しているカタログにも示しているように、(1)インターネット・ネットワーキング事業、(2)インターネット・コンテンツ事業、(3)システム販売・受託開発、(4)医療情報処理の事業を行っている。

2.本件商標が現在使用されている実態について以下に例示立証する。

(イ)社団法人大和郡山市医師会設定のサーバ

乙第3号証は、被請求人が製造販売したイントラネット用のサーバ及び周辺機器を被請求人会社の依頼者の一つである社団法人大和郡山市医師会に納入した事実を立証した証明書であり、本件商標がその指定商品の一つに該当する写真に示される電気通信機械器具ないし電子応用機械器具の表面に表示されて使用されていることが明確に示されている。

また、乙第4号証の(1)及び(2)並びに乙第5号証の(1)及び(2)は、被請求人が上記社団法人大和郡山市医師会に前記装置機器を納入した際のそれぞれの請求書と納品書であって、このいずれの書類にも本件商標が表示されていることを認めることができる。

請求人は、弁駁書において、乙第3号証と乙第6号証とに示されている本件商標を表示したシールは、異なるものであると主張している。

しかしながら、乙第3号証と乙第6号証とは、シールの銀色の部分が写真の写り具合によって色味を違えてしまっているのであり、乙第3号証と乙第6号証とに示されている本件商標を表示したシールは同一のものである。そのことを立証するために、乙第6号証の(1)と、乙第12号証とを提出する。

乙第6号証の(1)は、乙第6号証に示されている奈良芸術短期大学のサーバを撮影し直した写真であり、乙第12号証は、乙第3号証と、乙第6号証と、乙第6号証の(1)と、に示されているシールの実物である。

これらの証拠から、乙第3号証と乙第6号証のシールが同一のものであることは明らかである。

次に、請求人は、このシールが平成13年3月14日の大和郡山市医師会への販売・納入時に貼着されていたものか否かが明らかではないので、該シールの製造業者及び製造年月日を明確にすることを要望している。

これに対し、該シールの製造業者及び製造年月日を明確にするために、乙第13号証を提出する。

乙第13号証は、該シールの製造元であるパソコンパーツショップのギガステーション(奈良市高天町27番地 社長中津義二)から被請求人へ送られたシール代の請求書である。

そして、乙第14号証の証明書により明らかなように、シールメーカーのギガステーションが平成8年5月16日に本件商標に係るシール(乙第12号証)を被請求人に納品した事実が明確に認められる。

したがって、平成13年3月14日の大和郡山市医師会への販売・納入時あるいはそれ以前から、すでに本件商標が表示され、使用されていたことは明らかである。

(ロ)奈良芸術短期大学設定のウェブ・メール用サーバ

乙第6号証は、被請求人が製造したウェブ・メール用サーバを奈良芸術短期大学へ納入使用している事実を示す証明書であって、本件商標がその指定商品の一つに該当する写真に示されている電気通信機械器具ないし電子応用機械器具の表面に表示されて使用されていることが明確に示されている。

さらに、乙第7号証の(1)及び(2)は、被請求人から奈良芸術短期大学宛の本年7月分のレンタル料その他の詳細な項目についての請求書と納品書であって、このいづれの書類にも本件商標が表示されて使用されていることが認められる。

請求人は、弁駁書において、乙第6号証は「納入」と記載されており、乙第7号証の(2)は「レンタル」と記載されており、いずれも「販売」ではないと主張している。

しかしながら、乙第7号証の(2)に「レンタル」とあるのは、「ネットワーク等のバックボーンをレンタルしている」という意味であり、ハードウェア機器やその一部を貸与しているのではない。すなわち、サーバ等のハードウェア機器は最初に購入してもらい、その後のネットワーク等のバックボーンについて、使用料を徴収しているのである。

この立証のために、乙第15号証の(1)及び(2)並びに乙第16号証を提出する。

乙第15号証の(1)及び(2)は、被請求人から奈良芸術短期大学へ送られたサーバ等の納品書であり、乙第16号証は、被請求人から奈良芸術短期大学へ送られたサーバ等の請求書である。

乙第15号証の(1)及び(2)は、それぞれ異なる四枚の納品書を二枚ずつ纏めて一枚ずつコピーしたものであり、納品当時、部品点数が多かったため記載すべき明細が枠内に入りきらず、止むなく四枚に分けて作成したものである。これらの納品書には日付が記入してないが、これらの納品書と一緒に請求書を発行添付し、この乙第16号証には日付を記入しているので、単に手間を省くため納品書には日付を記入していないだけである。

したがって、乙第15号証の(1)及び(2)の納品書の金額の合計と、乙第16号証の請求書の金額とが一致することから、乙第15号証の(1)及び(2)の納品書と、乙第16号証の請求書とが、同時に発行されたことが認められる。

なお、乙第16号証の請求書に示されている日付は、乙第6号証及び乙第6号証の(1)に示される証明書のサーバ納入の日付と一致する。

そして、乙第15号証の(1)に「レンタルサーバ初期費用 数量1 単価50000 金額50000」とあるのが奈良芸術短期大学に納入されたサーバの購入費用である。レンタルサーバ初期費用という表現は、被請求人のネットワーク等のバックボーンをレンタルするにあたり、最初にネットワーク上に設置するために購入していただくサーバの代金という意味であり、サーバ自体は売り切りで、契約満了後も奈良芸術短期大学が所有することになる。

したがって、乙第6号証及び乙第7号証の(2)に示されるサーバは、実質的には「販売」されたものである。

なお、 乙第16号証の請求書に「MACMASTERS」とあるのは、アップルコンピュータ正規認定店であることを示すものであって、アップルコンピュータの指示により強制されている形式であり、本件商標とは関わりがないものである。

次に、請求人は、本件商標が、電子計算機の貸与という役務について使用されているときは、第9類の商品についての使用ではないと主張している。

しかし、そもそも標章の使用とは、商標法2条3項1号に、「商品又は商品の包装に標章を付する行為」とあり、これを満たせば商品について標章を使用することになる。

すなわち、本件商標は、被請求人の製作に係る「電子応用機械器具」に相当するサーバに付して使用している以上、それが「電子計算機の販売」、または「電子計算機の貸与」という役務についての役務商標として機能しているかどうかと関わりなく、「電子応用機械器具」という商品についての商品商標として機能していることになる。

したがって、役務商標としての機能が販売に対してであるか、貸与に対してであるかに関わらず、商品商標としての使用がされていることにかわりはなく、本件商標が指定商品について使用されていることは明らかである。

(ハ)被請求人会社の本社社屋等に掲示した本件商標

乙第9号証は、被請求人会社の写真を示しており、玄関の入口サイドに本件商標が表示されており、かつ、社屋に近接した処に看板が立てかけられた電柱があり、前記看板には同様に本件商標が掲載されていることを認めることができる。

請求人は、乙第9号証に示されている社屋の看板及び電柱広告にはいずれも何ら第9類に属する商品に関する記載がなく、出所の表示をなし得ないと主張している。

しかしながら、この社屋の看板及び電柱広告は、社名とサービス事業名をわかりやすく掲載するためにデザイン上の都合により商品記載をしていないのであって、他の広告等とあいまって出所表示機能を発揮するものである。

そもそも全ての取扱商品を明記している看板などは珍しく、商号のみもしくは商標のみ、または商号や商標と代表的な商品、役務とを表示し、それを見た需要者に指定商品、役務を連想させるものが一般的である。

乙第9号証に示されている社屋の看板及び電柱広告は、まさにこうした目的で設置されたものであり、本件商標が指定商品について使用されていることを他の広告等と合わせて示すものである。

(ニ)被請求人が本件商標を使用している現在までの取扱商品の一覧

乙第2号証のカタログから分るように、被請求人は、各種電気通信機械器具や電子応用機械器具について乙第8号証にその製造販売商品を整理記載すると共に、タウンページの乙第10号証(1)及び(2)から認められる通り、インターネットサービスプロバイダーとして各種商品の販売、開発等の宣伝販売を積極的に行っていることを立証するものである。

請求人は、乙第10号証の(1)に示されているタウンページ掲載の広告には、第9類に属する商品に関する記載がなく、また、乙第10号証の(2)に示されているタウンページ掲載の広告には、第9類に属する商品に関する明確な記載がないと主張している。

しかしながら、乙第10号証の(1)には、「システム開発・インターネットサーバー構築・医療スライド」とあり、乙第10号証の(2)には、「システム販売・開発、パソコン教室、スライド」とある。

(ホ)本件商標を使用している被請求人会社の封筒

本件商標は、乙第11号証に示すとおり、本件商標を用いた封筒も広く使用していることを立証するため提出する。

請求人は、乙第11号証の封筒には、第9類に属する商品に関する記載がないと主張している。

しかしながら、乙第11号証には、「インターネットまほろば」とあり、本件商標がコンピュータに関係する商品、役務に対し使用されていることは明確に認められる。

そして、乙第3号証及び乙第6号証の(1)等に示される指定商品に付された商標と、乙第10号証の(1)、乙第10号証の(2)及び乙第11号証のいずれかに示される商標とを需要者が見たとき、本件商標と、指定商品の一つである電子応用機械器具およびその部品とが関連付けされ、結果として出所表示機能を発揮するものである。

(ヘ)請求人は、乙第1号証、乙第2号証及び乙第8号証は、単に一般的な言及をするに留まり、本件商標が第9類に属する商品について使用されていることを立証するものではないと主張している。

しかしながら、乙第1号証には「3 コンピューター及びその周辺機器の製造、販売」とあり、乙第2号証には「サーバ構築サービス」の欄に「サーバやネットワークの構築をハードソフト込みで行っております。」とあり、乙第8号証には「電子通信機械器具」、「電子応用機械器具及びその部品」等と記載されている。

これらは、本件商標が指定商品について使用されていることを示唆するものであり、一般的な言及であるからといって、直ちに使用を立証するものではないと断じることはできないものと思料する。

(ト)奈良新聞の掲載記事について

本件商標の周知性について、参考に供するため、乙第17号証の(1)及び(2)を提出する。

乙第17号証の(1)及び(2)に示される奈良新聞の記事は、乙第3号証に示される大和郡山市医師会のサーバに関連するものである。被請求人は、本件商標を使用したサーバを用いて新規なシステムの開発に成功し、メディアからも注目を受けていることが認められる。

3.さらに、被請求人は、自らの商号として本件商標の日本語読みである処の「アミック」を用いており、常に本件商標の指定商品である取扱商品と共に使用していることは明らかである。

本件商標は、本件商標の登録後引き続き本件商標の指定商品について使用しているものであり、請求人主張のような本件商標の不使用の事実は存しないものであることは明らかである。

4.なお、請求人は弁駁書において、大和郡山市医師会会長もしくは当該サーバ搬入の担当者の証人尋問を要求し、本件商標の使用の事実に疑義を抱いていると思われるので、大和郡山市医師会担当理事 藤村昌史を証人として証人尋問申出書を提出した。

第4 当審の判断

被請求人は、乙号証を提出し、本件商標を本件審判の請求に係る商品について使用していると答弁している。

そこで、被請求人の提出に係る証拠について検討する。

1.乙第2号証(被請求人発行のカタログ)並びに乙第10号証の(1)及び(2)(NTTタウンページの広告)によれば、被請求人は、インターネット関係の会社であって、事業の1つとして、「システム開発」、「システム販売」を行っていることが認められる。

また、乙第2号証及び乙第10号証からは、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されていることが確認できるものである。

2.乙第3号証(社団法人大和郡山医師会の証明書)並びに乙第4号証の(1)及び(2)(被請求人から社団法人大和郡山医師会宛の請求書及び納品書)によれば、イントラネット用サーバ(乙第4号証の(2)には、品名として、「メインサーバ ハードウェア」「アクセスサーバ MAX1804」の記載がある。)が取引されたことが認められる。

この「イントラネット用サーバ(乙第4号証の(2)には、品名として、『メインサーバ ハードウェア』『アクセスサーバ MAX1804』の記載がある。)」は、本件審判の請求に係る商品中、「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に含まれる商品と認められるものである。

そして、乙第3号証に添付のイントラネット用サーバの写真及び乙第4号証の(1)の請求書には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されており、乙第4号証の(1)の請求書の日付は、2001年3月14日であって、本件審判の請求の登録前3年以内であることが確認できるものである。

さらに、乙第4号証の(1)の請求書と、の(2)の納品書の関連についてみると、請求書の「今回売上額」と納品書の「合計金額」が一致することから、これらは対応しているものということができる。

3.以上を総合すると、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に含まれる「イントラネット用サーバ」について、被請求人によって使用されていたものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、取消請求に係る指定商品について、その登録を取り消すべき限りでない。

なお、被請求人は、証人尋問申出書を提出しているが、被請求人の提出した各証拠により、証人尋問を行うまでもなく、上記のように認定、判断し得たから、証人尋問の申出は採用しない。

よって、結論のとおり審決する。

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