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第4条第1項第16号・第3条第1項第3号・第4条第1項第7号「士業名称の識別力と誤認」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2002−21988(T2002−21988/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2002−21988(T2002−21988/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
士業名称の識別力と誤認
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号・第4条第1項第7号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2002−21988(T2002−21988/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号・第4条第1項第7号への該当性が争われた事例です。主な争点は「士業名称の識別力と誤認」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「コンクリート診断士」の文字(標準文字による商標)を書してなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成13年3月1日に登録出願されたものである。

そして、願書記載の指定役務については、平成14年5月20日付け手続補正書により、第41類「コンクリートに関する知識の教授」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、(1)ないし(2)のとおり認定、判断して、本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は、「コンクリート診断士」の文字を書してなるところ、末尾に「士」の文字を有する本願商標のような構成よりなるものは、一般的に、需要者等にして、国家資格等を表すもの又は国家資格等と一見紛らわしく誤認を生じさせるおそれがあるものと認められるので、そのような商標を登録し、商品又は役務について使用することは、国家資格等の制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては公の秩序等を害するおそれがあり、穏当でない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

(2)本願商標は、「(コンクリート構造体の劣化調査など、)コンクリートの診断をするための資格を有する者」程の意味合いを認識させる「コンクリート診断士」の文字を普通に用いられる方法で表してなるものであるから、このような商標を、本願指定役務中、例えば、「コンクリートの診断を行う資格を得るための知識の教授」などについて使用しても、単にその役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審の判断

本願商標は、上記のとおり「コンクリート診断士」の文字よりなるところ、その構成中の「コンクリート診断」の文字部分は、戦後構築されたコンクリート建造物の経年劣化によるコンクリート片の剥離や体力低下といった社会問題を踏まえると、容易に「コンクリート構造体の劣化診断」のごとき意味合いを理解・認識させるものであり、また、一般国民が、末尾に「士」の付された名称に接した場合、一般的には、一定の国家資格を付与された者を表していると理解することが多いといい得ることから、その構成文字全体よりは、原審説示のごとき「(コンクリート構造体の劣化調査など、)コンクリートの診断をするための資格を有する者」程の意味合いを想起させる場合があるとしても、これが本願指定役務の質を直接的、具体的に表示するものとして直ちに理解、認識されるものとはいい難いものである。

そして、請求人(出願人)の提出に係る甲各号証によれば、 請求人は、国土交通省所管の公益法人であり、昭和40年の創立以来、コンクリートに関する研究の推進母体として、我が国のコンクリートに関連する種々研究の振興及び技術の向上に寄与しており、2001年度からは、本願商標と同一の資格「コンクリート診断士」の認定を継続して行い、現在においては請求人が実施機関として認定する資格の一名称として、該資格を得ようとする者はもとより建設に関する教育分野における取引者の間に広く認識されているものと認めることができる。

さらに、該資格を得るためには、出願人が開催する講習会を受けることが必須となっており、当審において職権をもって調査するも、本願の指定役務を取り扱う業界において、「コンクリート診断士」の文字が役務の質を表示するものとして取引上普通に使用されていると認めるに足る資料を発見することもできなかった。

してみれば、本願商標は、これをその指定役務について使用しても、自他役務の識別標識としての機能を充分に果たし得るものというべきであり、また、役務の質の誤認を生じさせるおそれもないものといわなければならない。

また、請求人の行っている「コンクリート診断士」の資格認定が、建設に関する教育分野における取引者、需要者の間において周知となっていたことや、「コンクリート診断士」に類似する名称の国家資格も存在せず、「コンクリート診断士」のような名称あるいは類似の名称が他の法律によって使用を規制されているといった事実も認められないことを考慮すれば、本願商標をその指定役務に使用しても、需要者、取引者をして国家資格を表す名称の一つであるかの如く誤認を生じさせるおそれがあるとはいえず、また、国家資格制度の秩序を乱すおそれがあるものということもできない。

してみれば、本願商標は、国家資格等との誤認を生ずるおそれの有無の観点から検討しても、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とは認められない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号並びに同法第4条第1項第7号及び同第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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