Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−11542(T2003−11542/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「株式会社ベネックス」の文字を横書きした構成よりなり、第6類「バルブ,金属製管継ぎ手,金属製フランジ」を指定商品として、平成14年1月15日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第1966963号商標は、「PENEX」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年3月14日に登録出願、第9類「化学機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和62年7月23日に設定登録され、その後、平成9年6月10日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
同じく、登録第1966964号商標は、「ペネックス」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和60年3月14日に登録出願、第9類「化学機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和62年7月23日に設定登録され、その後、平成9年6月10日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
以下、これら商標を一括して引用商標という。
3 当審の判断
本願商標は、前記に示したとおり「株式会社ベネックス」の文字よりなるところ、「株式会社」をその構成中に含むいわゆる商号商標の場合、法人の組織形態を表すに過ぎない「株式会社」の部分は自他商品識別機能が弱く、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、特段の事情がない限り、該文字部分が省略されて称呼されることは一般に行われているところである。
そうとすれば、本願商標の構成中、「株式会社」の部分が省略されて「ベネックス」と称呼されることは少なくないものといえ、他に、常に「株式会社」と「ベネックス」が一体として称呼されることを認めるに足りる特段の事情があるものとはいい難い。
してみれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して生ずる「カブシキカイシャベネックス」の称呼のほか、前記事情よりすれば、構成中の「ベネックス」の文字部分に相応して、単に「ベネックス」の称呼をも生ずるものというを相当とする。
他方、引用商標は、その構成文字に相応し「ペネックス」の称呼を生ずるものである。
そこで、本願商標より生ずる「ベネックス」の称呼と引用商標より生ずる「ペネックス」の称呼を比較すると、両称呼は、語頭において「ペ」と「ベ」の音の差異を有し、第2音以下の音構成を全て同じくするものである。
そして、両差異音「ベ」は、両唇を合わせて破裂させる有声子音(b)と母音(e)とからなる音であり、また、「ペ」の音は、両唇を合わせて破裂させる無声子音(p)と母音(e)とからなる音であって、両差異音は、子音において、「b」(濁音)と「p」(半濁音)の差異にすぎない近似音であるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、その語韻、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれのあるものというべきである。
してみれば、外観及び観念について考慮したとしても、本願商標と引用商標とは、称呼上相紛れるおそれのある類似する商標であって、かつ、引用商標の指定商品中には、本願商標の指定商品と同一又は類似する商品が含まれているものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、「本願の指定商品は、極めて機能が重視される商品であり,メーカーや取扱店の信用が極めて重視される商品であるから,取引者・需要者は,これらの商品の購入にあたり商品は勿論,商品に付せられた商標も注意深く観察するのが通例であって、本願商標と引用商標は称呼上非類似とするのが妥当である。」旨述べているが、これを裏付ける何らの証左も提出していない。
そして、本願の指定商品である「バルブ,金属製管継ぎ手,金属製フランジ」が機能が重視され、慎重に選んで購入される商品であったとしても、これら商品は、ホームセンター等においても販売される商品であり、一般消費者を需要者とする場合の少なくないものであるから、他の商品に比べその購入にあたって、特に商標を注意深く観察することを通例とした商品とも言い難く、請求人の主張はこれを採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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