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Trademark Appeal Case

商品形状の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第16138号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、商標の構成を別紙に示すものとし、第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建具,金属製金具,金属製建造物組立てセット,金属製貯蔵槽類,金属製の滑車・ばね及びバルブ(機械要素に当たるものを除く。),金属製包装用容器,金属製荷役用パレット,金属製人工漁礁,金属製セメント製品製造用型枠,金属製の可搬式家庭用温室,金属製の吹付け塗装用ブース,金属製養鶏用かご,金属製航路標識(発光式のものを除く。),金属製道路標識(発光式又は機械式のものを除く。),金網,ワイヤロープ,金属製家庭用水槽,金属製工具箱,金属製貯金箱,金属製のきゃたつ及びはしご,金属製のネームプレート及び標札,金属製のタオル用ディスペンサー,金属製帽子掛けかぎ,金属製郵便受け,金庫,金属製靴ぬぐいマット,金属製立て看板,金属製彫刻,金属製ブラインド,金属製の墓標及び墓碑用銘板,金属製のバックル,金属製飛び込み台」を指定商品として、平成9年4月1日に立体商標として登録出願、その後、指定商品については、平成10年7月7日付手続補正書により「金属製フェンス及びその付属部品,金属製門扉及びその付属部品,金属製ガードレール及びその付属部品」と補正されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、容易に金属製フェンスの形状のひとつを表したものと認識し得るものであるから、これをその指定商品中、例えば、金属製フェンスに使用したときは、その商品の形状を表示するにすぎないものと認める。また、出願人の業務に係る商品であることを表すものとして広く認識されているような事情も見い出し得ないから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)平成8年法律第68号により改正された商標法は、立体的形状若しくは立体的形状と文字、図形、記号等の結合又はこれらと色彩との結合された標章であって、商品又は役務について使用をするものを登録する立体商標制度を導入した。

立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状を含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)に商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではないというべきである。

そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであって、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まるというのが相当である。

また、商品等の形状は同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用をする必要があり、かつ、何人も使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。

そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状は、使用された結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において当該形状をもって同種の商品又は役務と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合のものを除き、商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。

立体商標制度を審議した工業所有権審議会の平成7年12月13日付け「商標法等の改正に関する答申」P30においても、「3.(1)立体商標制度の導入▲3▼需要者が指定商品若しくはその容器又は指定役務の提供の用に供する物の形状そのものの範囲を出ないと認識する形状のみからなる立体商標は登録対象としないことが適当と考えられる。・・・ただし、これらの商標であっても使用の結果識別力が生ずるに至ったものは、現行法第3条第2項に基づき登録が認められることが適当である。」としている。

また、意匠法等により保護された形状について重ねて又は権利消滅後商標登録することにより保護することは知的財産制度全体の整合性に不合理な結果を生ずることとなる。

(2)これを本願についてみれば、本願商標は、指定商品との関係からして、金属製フェンスの形状の一形態を表してなるものであるから、これをその指定商品中「金属製フェンス」に使用しても、取引者、需要者は、単に商品の形状を表示したものと認識するにすぎないものと判断するのが相当である。

請求人は、本願商標の立体的形状は、請求人により創作された新規なものであり、通常のフェンス等の形状とは異なるものであるから、自他商品の識別力を有するものである旨主張する。

しかしながら、本願商標は、前記認定したとおりフェンスの形状を斜視図をもって表したものであって、請求人の創作に係る新規な形状部分を有する点において、通常のフェンスの形状とは異なるところがあるとしても、それは従来のフェンスに比べその機能又は美感をより効果的に発揮させるためのものというべきであるから、それをもって直ちに本願商標に関し自他商品の識別性に影響を与えるものとは認め難く、これに接する取引者、需要者もまた、フェンスの形状の範囲のものと認識するにすぎないとみられるものである。

(3)請求人は、本願商標とほぼ同一の形状が既に意匠登録されており、請求人以外に当該デザインは実施できないから、もし需要者をして本願商標が金属フェンスなどの商品を表したものと認識できるとしても、それは特定の出所(請求人)からの商品を表すものであると認識されるから、本願商標は使用による顕著性により登録を受けられると主張し、甲第1号証及び同第2号証(枝番を含む。)を提出している。

提出に係る甲第1号証及び同第2号証(枝番を含む。)によれば、本願商標の立体的形状によく似た意匠が意匠に係る物品を「フェンス」とし、請求人を意匠権者として登録されている事実を認めることができる。

しかしながら、意匠法における保護は、同法の目的に基づいて、保護の対象、要件、権利の範囲、効力等が定められているものであって、これらに従った登録意匠の実施と商標の使用とは明らかに異なるものであるから、意匠登録による独占を理由として使用により自他商品の識別力を有するに至ったものと認めることはできないばかりでなく、却って、意匠権消滅後は何人もの実施が予定されているものであるから、請求人の主張は採用できない。

(4)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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