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Trademark Appeal Case

指定商品と商標使用の関連性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−31134(T2003−31134/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1.本件商標

本件登録第1887961号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和58年5月25日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第26類「印刷物、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和61年9月29日に設定登録されたものである。

第2.請求人の主張

本件審判請求人(以下「請求人」という。)は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品のうち「印刷物、書画、写真」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べた。

1.請求の理由

本件商標は、その指定商品のうち「印刷物、書画、写真」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2.弁駁の理由

(1)請求人は、被請求人より提出された、平成15年11月4日付けの審判事件答弁書(平成16年8月31日付けの手続補正書が提出されている。)(以下、「答弁書」という。)に対し、以下の通り弁駁する。

(2)被請求人が提出している上記書類からは、商標法第50条第2項に規定する要件、(ア)本件審判の請求の登録前3年以内に、(イ)日本国内において、(ウ)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、(エ)その請求に係る指定商品のいずれかについての、(オ)登録商標(当該商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていること、の5つの要件を満たす証明はなされていない。

(3)商標法第2条第3項第8号は「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」と規定しており、商標法第2条第3項第8号の下で標章の使用といえるためには、少なくとも、商品に関する取引書類に標章が付されているものでなければならない。すなわち、上記「取引書類」に付される標章は、当該取引の対象となる商品に関して付されるものでなければならず、本件の場合においては、少なくとも、本件商標が、本件審判請求の取消対象となっている指定商品「印刷物、書画、写真」のいずれかに関して、被請求人の提出する「取引書類」に付されていなければ、本件商標の使用とはいえないということになる。

そこで、被請求人の提出する「取引書類」を検討するに、それらの書類は、いずれも、以下に述べるように、本件審判請求の取消対象となっている指定商品「印刷物、書画、写真」のいずれかに関して、本件商標が付されているものではない。

まず、乙第10号証ないし乙第15号証及び乙第20号証に係る「取引書類」(「返品伝票」及び「仕入伝票」)は、いずれも、それらの書類の「品名・規格」欄に記されている雑誌、〈「ふくおか」(乙第10号証ないし乙第12号証)、「外戸本」(乙第13号証)、「子づれDE CHA3」(乙第14号証)、「月刊くるめ」(乙第15号証及び乙第20号証)〉に関する「取引書類」であるが、同「取引書類」に付されていると被請求人が主張する本件商標は、当該書類に係る取引商品である「雑誌」に関する商標として付されているものではなく、商標権者である株式会社オレンジチェーン本部の一種の広告・宣伝を目的とした単なる営業標識として当該取引書類に付されているものであり、そのような商標の使用は、商標法第2条第3項第8号に規定されている商標の使用に該当するものではない。

すなわち、上記「取引書類」に係る取引の対象となる商品は雑誌であるが、それらの雑誌に係る商標は、本件商標ではなく、被請求人の主張する乙各号証間の関係を前提とすると、乙第16号証ないし乙第19号証に示されている雑誌に付されている商標ということになる。

乙第10号証ないし乙第15号証及び乙第20号証に係る「取引書類」は、本件商標の使用を証明する証拠書類たりえないものである。また、乙第9号証に係る「取引書類」(「返品伝票」)については、当該書類に係る取引の対象たる商品が一切示されておらず、当該書類に係る取引商品が不明である以上、そのような書類に付されていると被請求人が主張する本件商標の使用も、商標法第2条第3項第8号に規定されている商標の使用に該当するものではないことは、言を待たないところである。

なお、被請求人は、乙第9号証に係る「仕入伝票」は、株式会社オレンジチェーン本部専用のもので、全部の取引業者に使用させていたものであり、伝票自体も取引業者に680円で販売していた旨述べている。

このような伝票の販売が、独立した取引の対象としての伝票の販売であるかどうかは議論の余地のあるところであるが、仮に、そのような販売が独立した取引の対象としての伝票の販売であるとみなされうるとしても、その販売対象たる商品「伝票」は、昭和34年法下における商品の区分第25類の「文房具類」の範疇に属する商品であり、本件審判の取消の対象である指定商品「印刷物、書画、写真」のいずれの範疇に属する商品でもないことを念のため申し添える。

また、被請求人は、乙第1号証ないし乙第7号証を提出し、答弁書にて、「本件商標の経緯」を述べている。しかしながら、これら乙各号証に係る書類は、本件商標に係る権利移転の事実、被請求人と原商標権者との関係、被請求人と原商標権者の事業内容等を明らかにするものであるとしても、本件審判の請求の登録前3年以内の商標権者は、オレンジチェーン本部株式会社であり、その意味において、乙第1号証ないし乙第7号証は、本件審判請求に係る本件商標の使用を何ら証明するものではないことを念のため申し添える。

以上により、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品「印刷物、書画、写真」のいずれかについての登録商標の使用をしていることを何ら証明していないことは明らかである。

よって、請求の趣旨の通りの審決を求めるものである。

第3.被請求人の主張

被請求人は、本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審判を求める。と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第20号証を提出している。

(答弁の理由)

1.はじめに

審判請求人は、審判請求書において、本件商標の指定商品のうち「印刷物、書画、写真」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者の何れも使用した事実が存在しないから、取り消されるべきであると主張する。

しかしながら、以下に述べるように本件商標は審判の請求登録日である平成15年9月24日(乙第7号証)の前3年以内に日本国内において使用されており、本件審判の請求は棄却されるべきものである。

2.本件商標の経緯

(1)本件商標は、オレンジチェーン本部株式会社(以下、「オレンジチェーン本部」という)が昭和58年5月25日に出願し、昭和61年9月29日に設定登録を受け取得したものである。その後商標権者において移転による住所の表示変更(福岡県三瀦郡三瀦町大字西牟田4450番地1へ移転)があり、現在も本店は同所に存在する。

(2)当初の商標権者であるオレンジチェーン本部は、昭和54年11月6日に総合食品及び日用雑貨の販売等を目的として設立された(乙第1号証)。その後、オレンジチェーン本部は多店舗展開をし、2000年(平成12年)頃には筑後一円を中心として23の店舗を擁するようになった。しかし、現今のデフレーションの影響を受け、リストラによる店舗の閉鎖が続き、会社分割により2003年(平成15年)8月に、株式会社マミーズに酒類販売以外の営業権を譲渡したときには10店舗になっていた。現在はオレンジチェーン本部は酒類の販売についての営業を行っている。

(3)一方、昭和59年12月12日には、オレンジライフ株式会社(以下、「オレンジライフ」という)が設立された(乙第2号証)。オレンジライフは主としてカタログによる商品の販売を目的とする会社であり、その業務の一環として録画済みビデオや雑誌、カレンダーなどの印刷物も販売している。

(4)平成15年6月29日時点におけるオレンジライフの代表取締役宮田誠(乙第2号証)は、オレンジライフの株主である(乙第3号証)と共にオレンジチェーン本部の代表取締役でもあった(乙第1号証)、また、オレンジチェーン本部はオレンジライフの株主でもある(乙第4号証)。従ってオレンジライフはオレンジチェーン本部と経済上一体となっている子会社ともいうべき存在であり、事実オレンジチェーン本部とオレンジライフは、オレンジグループとして営業を続けてきた(乙第5号証の1,2)。

(5)オレンジチェーン本部は平成15年9月4日に本件商標権を含む5件の商標権をオレンジライフに譲渡し(乙第6号証)、これらの商標権は平成15年11月19日に移転登録を受け(乙第7号証)、現在に至っている。

3.本件商標の使用

商標法において、商標の使用とは、商品に標章を付する行為の他に、商品に関する広告、定価表又は取引書類に標章を付して展示し又は頒布する行為も商標の使用とされている(商標法第2条第1項第8号)。ここにいう取引書類としては、注文書、納品書、送り状、出荷案内書、物品領収書等の伝票類およびカタログ等が例示されており(乙第8号証)、仕入伝票、返品伝票もここにいう取引書類に含まれる。

(1)商標権者オレンジチェーン本部による使用

上記したようにオレンジチェーン本部は、酒類販売以外の営業権を株式会社マミーズに譲渡したが、営業権を譲渡する平成15年8月4日までは、取引書類に本件商標を使用しており、少なくとも書籍、雑誌につき本件商標を継続して使用していた。

なお、オレンジチェーン本部は、専用の仕入伝票を使用していた(乙第9号証)。この仕入伝票は全部の取引業者に使用させていたもので、伝票自体も取引業者に680円で販売していた。仕入伝票の表紙の上部には、他の商標と共に本件商標が印刷されている。

(ア)乙第10号証ないし乙第15号証は、オレンジチェーン本部で使用された返品伝票である。返品伝票の左上には、本件商標が印刷されている。

本件商標の下側にはオレンジチェーン本部の名称が手書きで記してある。その下方には受付印が押印してあり、そこには03.2.28の日付(乙第10号証、乙第11号証は、03.2.18の間違いを訂正したもの)とオレンジチェーン本部の印影が写っている。

03は、2003年の下二桁を表記したもので、審判請求登録日である平成15年9月24日の前3年以内である2003年(平成15年)2月28日に返品伝票が作成されたことがわかる。

(イ)乙第10号証、乙第11号証、乙第12号証の品名の欄に記載されている「ふくおか」は、株式会社プランニング秀巧社が発行している雑誌「シティ情報ふくおか/FuKuoKa」のことで、福岡市の飲食店の紹介やコンサートの紹介をしている所謂タウン情報誌であり(乙第16号証)、オレンジチェーン本部では、当該雑誌を商品として販売していた。

(ウ)乙第13号証の品名の欄に記載されている「外戸本」は、株式会社文榮出版社が発行している雑誌で、宿泊施設や飲食店の紹介をしている情報誌であり(乙第17号証)、オレンジチェーン本部では、当該雑誌を商品として販売していた。

(エ)乙第14号証の品名の欄に記載されている「子づれDE CHA3」は、株式会社ふらう 主婦生活総合研究所が発行している雑誌「子づれ DE CHA・CHA・CHA」のことで、子連れでも楽しめるレジャー施設、子供を育てるのに必要な情報等の紹介をしている情報誌であり(乙第18号証)、オレンジチェーン本部では、当該雑誌を商品として販売していた。

(オ)乙第15号証の品名の欄に記載されている「月刊くるめ」は、株式会社月刊くるめが発行して雑誌で、久留米市を中心とした地域の飲食店の紹介やコンサートの紹介をしている所謂タウン情報誌であり(乙第19号証)、オレンジチェーン本部では、当該雑誌を仕入れて(乙第20号証)販売していた。

4.まとめ

以上述べたように、本件商標は、少なくとも「印刷物」については本件商標は審判の請求登録日である平成15年9月24日の前3年以内に日本国内において、少なくとも商標権者オレンジチェーン本部において使用されており、また、今後もオレンジライフによって使用されるものであり、本件審判の請求は棄却されるべきものである。

第4.当審の判断

被請求人より提出された、乙各号証より、以下の事実が認められる。

乙第10号証ないし乙第15号証は、オレンジチェーン本部で使用された返品伝票である。そのうち乙第15号証の返品伝票の左上には、「オレンジ(中抜き文字)」、「返品伝票(本部控) 1/5」、「No554659」、その下に、「99号本部 店コード99」、「部門 21」、「伝種 05」、「納品日 15年2月28日」、「取引先コード 555532」「取引先名 月刊くるめ」、「品名・規格」の欄の1行目に「月刊くるめ12月号」、2行目「〃 1〃」と表示され、それぞれ「数量3」、「原価 単価 215 金額 645」、「売価 単価 286 金額 858」、その下部に「原価合計 1290」、「売価合計 1716」の記載があり、さらに受付印が押印してあり、そこには「03.2.28」の日付の表示と「オレンジチェーン本部」の印影があること。

また、乙第20号証は、仕入伝票であり、「オレンジ(中抜き文字)」、「仕入伝票(本部控) 1/5」、「No710576」、その下に「53号柳川店 店コード53」、「部門 21」、「伝種 02」、「納品日 15年5月28日」、「取引先コード 555532」「取引先名 月刊くるめ」、「品名・規格」の欄の1行目に「月刊くるめ6月号」、「数量20」、「原価 単価 215 金額 4300」、「売価 単価 286 金額 5720」、その下部に「原価合計 4300」、「売価合計 5720」の記載があり、さらに受付印が押印してあり、そこには「03.5.28」の日付の表示と「オレンジ柳川店 53」の印影があること。

さらに、乙第19号証は、タウン情報誌「月刊くるめ 5月」の表紙、目次、奥付けのコピーであり、表紙には「月刊」、「くるめ」、「300円」、奥付けには「第3種郵便物認可昭和54年5月8日 平成16年4月28日発行(通巻第305号)月1回発行」「発行者 (株)月刊くるめ」等の記載がみられること。

以上から、被請求人は、毎月1回28日に発行される月刊雑誌「月刊くるめ」を、遅くとも平成15年5月28日に発行元である「(株)月刊くるめ」から仕入れ、自己が経営する「オレンジチェーンの本部」及び「オレンジ柳川店」において、販売を行い、未販売の雑誌を返品していたと推認し得る。

そして、前記取引書類「返品伝票」及び「仕入伝票」には、「オレンジ(中抜き文字)」が印刷されているが、該文字は本件商標と社会通念上同一と認められる。

以上の通り、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を本件審判の請求に係る指定商品中「印刷物(雑誌)」について使用されているものであるから、本件の商標登録は商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきではない。

なお、請求人は、「「取引書類」に付されている本件商標は、当該書類に係る取引商品である「雑誌」に関する商標として付されているものではなく、商標権者である株式会社オレンジチェーン本部の一種の広告・宣伝を目的とした単なる営業標識として当該取引書類に付されているものであり、商標の使用に該当するものではない」旨述べるが、前記の通り被請求人は商品「月刊雑誌」の仕入れ、小売り販売に関し、本件商標と社会通念上同一と認められる「オレンジ(中抜き文字)」を、商標として使用していたものとみるのが相当であるから、被請求人の当該主張は採用できない。

よって、結論のとおり審決する。

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