Trademark Appeal Case
「そのまま乾燥」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−14390(T2003−14390/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「そのまま乾燥」の文字を標準文字で書してなり、第7類「家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー」及び第11類「家庭用電熱用品類」を指定商品として、平成14年8月21日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶理由の要点
本願商標は、「そのまま乾燥」の文字を標準文字で書してなるところ、「全自動乾燥洗濯機・家庭用食器洗浄機」など洗濯・洗浄後そのまま乾燥させる機能を有するものが取り引きされているところから、本願商標をその指定商品中「家庭用全自動乾燥洗濯機・食器洗浄機」について使用しても、これに接する取引者、需要者は、「洗濯・洗浄後そのまま乾燥させる機能を有するもの」であることを把握、認識するに止まるものであって、商品の品質、機能を普通に用いられる方法で表してなるすぎない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
第3 当審の判断
1 当審で行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
(1)1995年3月28日付け流通サービス新聞(6頁)には、「シャープ、全自動乾燥洗濯機を5月発売。・・」の見出しのもと、「シャープは洗濯機と乾燥機を一体化した『全自動乾燥洗濯機』を商品化した。・・洗濯機と乾燥機が一体になっているので、洗濯物を入れてスタートさせればあとはファジィ制御によって洗濯物の量・質・水温・バランス・乾燥を把握。水量・ドラム反転や洗い、脱水・乾燥の時間・すすぎ法など最適な組み合わせを選択して全自動で運転する。したがって、現在主流の洗濯−乾燥と違って衣類を乾燥機に移し替えたり、干したりする手間を省くことができる。」との記事の掲載がある。
(2)1997年5月17日付け毎日新聞(東京朝刊16頁)には、「洗濯機・・ヨーロッパのドラム式機種、日本でも続々と発売」の見出しのもと、「ドラム式洗濯機は、水平方向を軸にドラムが回り、洗濯物をすくい上げ、落として洗う。・・そのまま洗濯物を乾燥できるのもメリットだ。」との記事の掲載がある。
(3)2000年5月9日付け朝日新聞(大阪朝刊8頁)には、「洗濯機で乾燥もできちゃうよ 松下、10月発売へ」の見出しのもと、「松下電器産業は8日、一般の縦型洗濯機では初めて洗濯と乾燥が一台でできる『遠心力洗濯乾燥機』を10月1日から発売する、と発表した。『夜間しか洗濯できず、干せない』という仕事を持つ女性らの要望にこたえた。・・新製品は、洗濯槽自体を回転させる遠心力洗濯機で、衣類などが絡みにくいのを利用し、乾燥時も槽の上部から温風を送りながら槽を回転させる。・・従来の縦型機では洗濯物が槽内で絡むため、そのまま乾燥させるのが難しかった。」との記事の掲載がある。
(4)2001年3月12日付け朝日新聞(東京夕刊15頁)には、「この1台にみんなお任せ・広がる全自動乾燥洗濯機(技あり)」の見出しのもと、「洗濯から乾燥まで、すべて自動でやってしまう『全自動乾燥洗濯機』の新製品が次々に登場している。・・乾燥洗濯機といえば、これまで、洗濯槽が横向きで垂直方向に回転させる欧米のドラム式だった。ドラム式は、水を含ませた衣類を上げては落とす『たたき洗い』なので、衣類がからみにくく、そのまま乾燥に入れるからだ。」との記事の掲載がある。
(5)2001年7月11日付け読売新聞(大阪夕刊7頁)には、「[生活型録]乾燥洗濯機 干す面倒から解放」の見出しのもと、「ドラム式から始まった乾燥洗濯機だが、洗濯槽を縦に置くなじみのタイプも登場している。・・縦型では洗い終えた後の衣類が洗濯槽の底に固まり、そのままでは乾燥に移れない。この製品は洗う際に、・・衣類がからみにくい。乾燥時は、洗濯槽の底に取り付けた大型の回転翼で衣類をほぐし、上から90度の温風を吹き込むことで、乾きむらを防いでいる。日立製作所が9月に発売する縦型の『浸透イオン洗浄 洗乾白い約束』は、洗濯槽と底のパラセーターを逆方向に回す『からまん水流』で衣類のからみを抑えておき、乾燥時に槽を回す向きや数を変えることで、乾燥までをこなせるようにした。」との記載がある。
(6)「NIKKEI NET」のホームページ上の「SmartWoman(スマートウーマン)」の「Lecture」欄の「知って得する家電製品ニュートレンド講座2」(http://smartwoman.nikkei.co.jp/interface/ContentView.cfm?sw_ContentNo=72100014、2004年10月19日)には、「第14回 洗濯機のニュートレンド(5)『洗いから乾燥までが全自動』」の見出しのもと、「日本の洗濯機の主流は、洗濯漕の底のヒレ付き円盤が回るパルセーター式ですが、・・ドラム式の洗濯機が、5〜6年前から日本のメーカーによって作られはじめ、最近では種類も増えて、ちょっとした流行になっています。・・ドラム式は、下のほうに入れた水に、ドラムを回して衣類を叩きつけることによって洗濯します。そのため、衣類どうしのこすれやからみは比較的少なく、使用する水量も半分くらいですみます。また、衣類乾燥機に近い構造ですから、ほとんどの機種で、洗いとすすぎに加えて、そのまま乾燥まで全自動運転ができてしまうのです。」との記事の掲載がある。
(7)日立ホーム&ライフソリューション株式会社のホームページの「製品情報」の「洗濯機」欄(wysiwyg://207/http://kadenfan.hitachi.co.jp/wash/airjet/500cx.html)には、商品の紹介のもと、「大容量の衣類を、洗濯運転の後そのまま乾燥運転」との記述がある。
(8)「ネット通販mall」のホームページの「温風乾燥機」(wysiwyg://121/http://www.tac-net.ne.jp/~kujime/onpuu.html)欄の「サンヨーハローキティランジェリー&ふとん乾燥機」には、商品の紹介のもと、「たたむ手間いらず、そのまま乾燥シート」との記述がある。
(9)自動的に食器を洗って、そのまま乾燥する「食器洗い乾燥機」が市場に多数で回っていることは、例えば、2000年2月10日付け読売新聞(大阪夕刊7頁)の「[生活型録]食器洗い乾燥機 薄型化・清潔志向で普及」の見出し、2003年11月12日付け毎日新聞(東京朝刊12頁)の「[くらし発見]食器洗い乾燥機、人気(その2止)手放せなくなる便利さ」の見出し、2004年7月9日付け日本食糧新聞の「トレンド探検隊が行く:食器洗い乾燥機、売上げ好調 潜在需要つかむ」の見出しの記事等において明らかである。
2 前記1で認定した事実によれば、洗濯機と乾燥機とが一体になった洗濯乾燥機は、1995年には市場に出回り、その後、洗濯物がからまないドラム式の洗濯機など洗いとすすぎが終わった後、洗濯物をそのままの状態で乾燥ができる機種が登場したことが認められ、また、食器洗い乾燥機は、食器の洗い、すすぎ、乾燥が一連の作業で行われるのが一般的であることが認められる。
3 本願商標は、前記のとおり、「そのまま乾燥」の文字よりなるものであるところ、これより「以前の状態を少しも変えずに乾燥することができる」なる意味合いを表したと理解されるものである。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中、洗濯乾燥機や食器洗い乾燥機などのように乾燥機能を有する商品、あるいは衣服や布団などの乾燥を主目的とする商品について使用しても、前記で認定した取引の実情よりすれば、これに接する需要者は上記意味合いをもって、単に商品の品質、機能を表したと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を発揮する商標を表したとは認識し得ないというのが相当である。また、本願商標は、乾燥機能を有する又は商品の乾燥を主目的とする商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
4 請求人は、本願商標を構成する「そのまま乾燥」の表現が普通に使用されている事実は見出すことはできないから、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない旨主張する。
しかし、前記2で認定したとおり、「そのまま乾燥」の文字より生ずる意味合いと同一の機能を有する商品が市場に出回っている実情よりすれば、本願商標は、前記3のとおり判断するのが相当であるから、請求人の上記主張は採用することができない。
5 以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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