Trademark Appeal Case
イオンブラシの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−14387(T2003−14387/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「イオンブラシ」の文字を標準文字で書してなり、第7類「家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー」を指定商品として、平成14年6月21日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶理由の要点
本願商標は、「イオンブラシ」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるところ、近年、マイナスイオンが注目され、現在では様々なマイナスイオン製品が販売されており、何れも空気中にマイナスイオンを発生させるもので、発生量は製品によってまちまちであるが、主なものでは、・金属電極を用いて放電させるもの・水を粉砕させるもの・紫外線を利用するもの・天然鉱石を用いるものなどが挙げられる。製品群としては多岐に渡っており、純粋にマイナスイオンを発生することを目的としたマイナスイオン発生器や、付加的にマイナスイオン発生機能を持たせた家庭用電気掃除機、エアコン、ドライヤーをはじめとする家電製品製品等が開発・販売されている事実がある。
また、「イオン」の文字部分は、家庭用電気掃除機のごみをかき出し吸い取る先端部分内蔵されたブラシをあらわす語として家庭用電熱用品類を取り扱う業界において普通に使用されている。このような関係において、本願商標をその指定商品中の家庭用電気掃除機に使用するときは、これに接する需要者が、前記事実があることから、全体として、「イオンを発生させるブラシを用いた商品」である旨を表示したものと認識するに止まり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第3 当審の判断
1 当審で行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
(1)2002年8月13日付け毎日新聞(大阪夕刊3頁)には、「[情報ひろば]日立製作所 細かいほこり取る掃除機『たつまきサイクロン』発売へ」の見出しのもと、「日立製作所は、床のすき間のほこりまで吸い取る家庭用掃除機『たつまきサイクロン』シリーズを30日に発売する。吸い口に内蔵した二つのブラシの摩擦でマイナスイオンを発生させ、プラスに帯電した細かいほこりを吸着させ吸い取る。」との記事の掲載がある。
(2)2003年2月18日付け日刊工業新聞(11頁)には、「三洋電、床を磨きながらゴミを取る掃除機発売」の見出しのもと、「三洋電機はシートで床を磨きながらゴミを取る回転ブラシを搭載したハイパワークリーナー『トリプルブロックサイクロン 力と技』2機種を3月10日に発売する。・・付属のフローリングシートを回転ブラシに巻き付け、磨きながらゴミを取る業界初の『ピカイチパワーイオンブラシ』を採用し、フローリングシートが回転しながら床面を掃除することで、モップをかけたように床面が磨ける。」との記事の掲載がある。
(3)2003年2月19日付け日刊工業新聞(8頁)には、「シャープ、3種類の除菌イオンを搭載したサイクロン掃除機発売」の見出しのもと、「シャープは3種類のイオン発生源の働きで、空気清浄、吸い込み口への集塵、ゴミをためる容器の除菌を行うサイクロン掃除機『EC―BP1』を3月1日発売する。・・本体の排気口には空気中のカビ菌などの活性を失わせる『除菌イオン』の発生素子を搭載。吸い込み口の回転ブラシにマイナスイオンを発生するトルマリンを錬り込み、プラスに帯電した細かなゴミを吸い取りやすくした。ゴミをためる器の材料には雑菌の繁殖を抑える銀イオンを配合した。」との記事の掲載がある。
(4)2003年3月1日付け日経プラスワン(2頁)には、「縦型掃除機−サイクロン方式、節約にも、売れ筋1万−2万」の見出しのもと、「・・・回転ブラシの標準搭載が進んできたことも、性能向上を印象づけている。これまで電動で回転するブラシを搭載していたのは一部の高級機種に限定されていたが、吸い込む風の力で回転するブラシなどが増え始め、比較的低コストでもブラシを装備できるようになった。さらに、回転ブラシ部分からマイナスイオンを発生させる製品も多く登場している。ごみに帯電しているプラスイオンを中和し、ごみを吸いやすくするのが狙いだ。」との記事の掲載がある。
(5)2003年8月6日付け共同通信には、「雑菌を取り除く掃除機」の見出しのもと、「三洋電機は、高濃度イオンを発生させることで、フィルターに付いた大腸菌などの雑菌を取り除く排気循環方式の掃除機『ジェットターン』を9月1日に発売する。ブラシ部で紫外線を照射して雑菌の繁殖を抑える『SC―JT10E』・・。ブラシ部がマイナスイオンを発生する『SC―JT8E』・・」との記事の掲載がある。
(6)2003年8月15日付け日刊工業新聞(7頁)には、「松下、サイクロン掃除機を発売−簡単にノズル切り替え」の見出しのもと、「松下電器産業は、ゴミを吸い込む先端ノズルを業界初の分離構造としたサイクロン掃除機2機種を9月1日に発売する。足でペダルを踏むと大小ノズルが分離、小型ノズルを付け替えることなくすき間や高所の掃除ができる。・・大型床ノズルと小型ノズルの両方にマイナスイオンを発生する回転ブラシを内蔵、ふいた様な仕上がりになる。」との記載がある。
(7)2004年2月21日付け日経流通新聞MJ(5頁)には、「2.9キログラムで550ワットの吸引力、LG電子ジャパン」の見出しのもと、「パワフルでも軽量で扱いやすい掃除機・・イオンブラシの回転摩擦によって吸い込み口内部にマイナスイオンが発生する『イオンタービンノズル』を標準装備。プラスに帯電した微細なほこりもマイナスイオンが中和して残さず吸い込む。」との記事の掲載がある。
(8)「AKIBA SELECTION」のホームページ上の「三菱掃除機『ストロングサイクロン』」(http://www.akiba.or.jp/select/20040901/tcdd10p.html)の項目には、商品紹介とともに「・・ブラシには『イオンブラシ』で清潔さを保ちやすい。」との商品説明がある。
(9)[SHARP]のホームページ上の「床にマイナスイオン」(http://www.sharp.co.jp/products/ecap2/text/tokucho2.html)の項目には、商品の説明に「壁ぎわや目地に入った細かなホコリも逃さない から拭きイオンブラシ」、「『イオンブラシ』の摩擦でマイナスイオンを発生させ、プラスに帯電したホコリを吸着。」などの記載があり、「イオンブラシ」の説明として、「マイナスイオンを発生させるトルマリン鉱石を配合したブラシ。」との記載がある。
2 前記1で認定した事実によれば、指定商品中の電気掃除機には、ごみの吸い込み口の回転ブラシにマイナスイオンを発生する機能を取り付け、集塵等の効果を高めることなどをうたった商品が市場に多数販売されており、このようなマイナスイオンを発生するブラシを「イオンブラシ」と称している事実が認められる。
そうすると、「イオンブラシ」の文字よりなる本願商標をその指定商品中の「電気掃除機」について使用しても、マイナスイオンを発生するブラシを備え付けた商品の意味合いをもって、商品の品質を表示したものと認識されるにとどまるものというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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