sokuhyo

Trademark Appeal Case

中古品買い取りの役務該当性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−1454(T2002−1454/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成8年8月7日に登録出願された平成8年商標登録願第89227号に係る商標登録出願を分割し、新たな商標登録出願として平成10年11年10日に登録出願されたものであり、第37類「宝玉・身飾品・貴金属・かばん類・時計・被服・写真機・楽器・電気通信機械器具・電子応用機械器具その他の中古品の買い取り」を指定役務とするものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願は、政令で定める商品及び役務の区分第37類に属さない役務を包含しているものである。したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。なお、本願の指定役務として『宝玉・身節品・貴金属・かばん類・時計・被服・写真機・楽器・電気通信機械器具・電子応用機械器具その他の中古品の買い取り』と表示されているが、ここにいう『買い取り』は、それだけでは事業として成り立つものとは言い難く、買い取ったものを商品として販売又は有償で貸与すること等によって初めて営利事業として成り立つものと解される(出願人が提出した願書に添付された読売新聞の記事の冒頭にも、「家庭の不用品を買い取って販売するリサイクルビジネス」と記載されている。)。このことから、これは商品の販売又は貸与等に付随する役務であって、商標法上の役務を指定したものとは認められないものである。」旨認定し、さらに、「本願の指定役務の表示を、例えば、商品の範疇に属する第14類『中古宝玉,中古身飾品,中古貴金属,中古時計』、第18類『中古かばん類』、第25類『中古被服』、第9類『中古写真機,中古電気通信機械器具,中古電子応用機械器具』、第15類『中古楽器』のような補正も考えられる。」旨の手続補正の指示をした後、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願は、前記のとおり「宝玉・身節品・貴金属・かばん類・時計・被服・写真機・楽器・電気通信機械器具・電子応用機械器具その他の中古品の買い取り」をその指定役務とするものである。

ところで、商標法にいう「役務」とは、他人のためにする労務又は便益であって、付随的でなく独立して市場において取引の対象となり得るものであり、例えば、商品の譲渡に伴い、付随的に行われるサービスは、それ自体のみに着目すれば、他人のためにする労務又は便益に当たるとしても、市場において独立した取引の対象となっていると認められない限り、商標法にいう「役務」には該当しないものと解される(平成11年(行ケ)第390号、平成12年(行ケ)第105号)。

これを本件についてみるに、いわゆる「中古品の買い取り」は、それのみでは事業として成り立つものとはいい難く、これが業として行われる場合、業者が買い取った物品を販売又は有償で貸与し、利潤を得ることにより、初めて市場において独立した取引の対象となっているといえるものである。この観点からすると、この業務は、他人のためではなく、これを行う本人に向けられた行為というべきである。

一方、「中古品の買い取り」それ自体のみに着目すれば、業者が一般需要者、すなわち他人のために中古品を評価して中古品を買い取り、その代金を支払う業務と捉えることも可能であるとしても、「中古品の買い取り」は、上記のとおりそれのみでは市場おいて独立した取引の対象となっているとはいい難いものであって、買い取った中古品を販売又は有償で貸与すること等によって初めて事業として成り立つものとみるべきである。

また、買い取り代金を支払うという行為は、一種の資金の提供といえるとしても、この資金の提供という行為自体により利潤を得るというものではないから、これを例えば金融業の一種と捉えることも困難であり、結局、いずれの観点よりみても、商標法上にいう役務にあたるものということはできない。

請求人(出願人)は、同人の主たる業務は「買い取り」であって、「販売」が付随業務であるとし、一般需要者に対しては「中古品を適正に評価し、買い取りをする」旨の宣伝広告を、多額の費用を費やして盛大に行っている一方で、これら買い取った中古品の多くは、中古品販売の専門店に販売されるため、特別な商標・宣伝広告を必要としない。そのため本願商標は、「中古品を適正に評価し、買い取りをする」旨の宣伝広告中においては大々的に使用されるが、買い取った中古品を、中古品販売の専門店に販売する際には、別な商標を付したり、あるいは特別な商標を付すことなく、単に自社名のみを付して販売したりするのが実態である旨主張する。

しかしながら、上記のとおり、「買い取り」は、それ自体のみで市場において独立した取引の対象となっているとはいい難いものであるから、請求人(出願人)が「買い取り」を業務の一つとして行っていたとしても、この業務上の表示をもって、商標法上の役務といえるものではない。

また、中古品を買い取り販売するという業務は、商品を卸売業者等から仕入れて販売するという一般小売業と異なり、まず、不特定の一般需要者から物品を買い取る必要があるのであるから、そのために広告宣伝を行うことは市場原理として当然の行為である。これを販売する場合に、請求人(出願人)の述べるように、定まった業者に販売するなど、一定のルートで流通させる場合はともかく、これを一般需要者に販売するという販路をとるのであれば、販売に関しても一定の販売標識のもとに広告宣伝するであろうことも自明なことともいえるものである。

以上、請求人(出願人)の述べる事情は、上記判断を左右するものではない。

そうとすれば、中古品の買い取りという業務は、それだけでは事業として成り立つものとはいい難く、買い取ったものを商品として販売又は有償で貸与すること等によって初めて事業として成り立つものであるから、商品の販売又は貸与等に付随する役務であって、商標法上の役務を指定したものではない旨認定、判断した原査定は、妥当なものといわなければならない。

以上のとおりであり、本願は、商標法第6条第1項の規定に該当するものであるから、登録すべきものとすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。