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Trademark Appeal Case

サッカー型経営の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−10237(T2003−10237/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「サッカー型経営」の文字(標準文字による)を書してなり、第35類「経営に関する指導・助言及びその情報の提供,経営の診断及び指導,事業に関する情報の提供,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,広告,トレーディングスタンプの発行,財務書類の作成,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与」を指定役務として、平成14年1月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『サッカー型経営』の文字を書してなるところ、近年、経営環境の変化に応じて機敏に対応できるように、試合中も常に監督が指揮する野球型の経営ではなく、それぞれの選手が一つの目標に向かって自由に動くことのできるサッカー型の経営が注目されており、指定役務との関係においては、『サッカー型経営に関連する役務の提供』程度の意味合いを認識させるにとどまるものであるから、これを本願指定役務中、例えば「経営に関する指導・助言及びその情報の提供,経営の診断及び指導」等、前記に照応する役務に使用するときは、単に役務の質(内容)を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり、「サッカー型経営」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、該文字は、原査定において紹介している株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Serch新聞記事情報データベース」による各紙新聞報道のほか、例えば、平成6年(1994年)2月24日付け日経産業新聞に「日本NCRが組織改革−『野球型』から『サッカー型』へ、縦割り打破水平分業に。」の記事見出しの下、「日本エヌ・シー・アールの組織改革が注目を集めている。今年一月、担当の顧客企業ごとに営業やシステム・エンジニア(SE)など関係者を集めたチーム制度を導入した。(中略)『平たくいうと“野球型”から“サッカー型”への組織改革です。』。田中稀一郎社長はこう説明する。野球では各人のポジションは固定され、監督が一投一打ごとに指示を与える。サッカーは一応の持ち場は決まっているが、状況に応じて全員で攻め、守る。監督がいちいち次のプレーを指図することもなく、試合中はフィールドにいるチームリーダーに任せている。よりチームワークと自主性を重んじているわけだ。(中略)例えば、今回できた四十五チームのリーダーはすべて営業出身者。営業がリーダーシップを取ってきたこれまでの名残といえる。米国では『サッカー型経営』のほかに、進路を示すリーダーが交互に入れ替わる『雁(がん)の経営』という比ゆも用いており、今後はSEなどからもチームリーダーが出てくることが自然な形といえるだろう。(後略)」との記事が、同10年(1998年)9月25日付け日経金融新聞に「静清信金理事長高橋晋氏−利便性、コンビニ並みに(戦略を聞く)」の記事見出しの下、「静岡県中部地域を地盤とする静清信用金庫(静岡市)が収益体質の改善に苦闘している。元々、サンダル、木工、家具といった地場産業との取引が多いだけに、消費低迷にあえぐ中小・零細メーカーの中には生産水準を引き下げたり、設備投資を見送るケースが続出。前向きな資金需要の減少で融資機会も細る。逆風下でのかじ取りを高橋晋理事長に聞いた。(中略)高橋理事長の抱負は『サッカー型経営の実現』。選手が一球ごとに監督の指示に従う野球型の発想では変化の激しい時代を乗り切れないと判断。『当たり前の話だが職員は個人の判断で自主的に業務に取り組まなければならない』と強調する。(後略)」との記事が、同15年7月3日付け日本経済新聞の地方経済面(中部)に「ブラザー(3)個性は囲い育てよ−挑戦的社風土台に飛躍(変貌ビッグビジネス)」の記事見出しの下、「NTTドコモの『iモード』向け着信メロディー配信で会員六百万人超、通信カラオケの楽曲配信四万曲−。ブラザー工業は製造業の手堅いイメージとは一見ほど遠い有力コンテンツ(情報の内容)企業を傘下に持つ。二〇〇三年三月期に経常利益六十二億円、グループ全体の一七%を稼ぎ出したエクシング(名古屋市)だ。(中略)平田社長は今後の経営スタイルを『トップがブロックサインを出す野球型ではなく、選手個々が状況判断するサッカー型』に例える。七月からは子会社を含め五百人以上の管理職とミーティングを重ねる予定で、『部課単位でも自立した判断ができるようグループのベクトルを合わせる』。(後略)」との記事が、それぞれ掲載されていること並びに、日本放送協会が開設しているホームページ中の「週間経済羅針盤」の番組の2004年(平成16年)7月18日放送記録(http://www.nhk.or.jp/k-rasinban/backnumber/040718.html)の項目中に、「ゲストは『サッカー型経営』を掲げて新たな経営戦略を次々と打ち出している、富士ゼロックスの有馬利男社長でした。有馬社長が2年前に社長に就任した時、富士ゼロックスは売り上げの伸び悩みという課題に直面していました。そこで有馬社長は、スピードを重視した『サッカー型経営』をキーワードに次々と改革を断行。その結果、今年3月期の売り上げは初めて1兆円を突破しました。『サッカー型経営』とはどんなものなのか、有馬社長の戦略に迫りました。(中略)現場が自立的に自分たちの判断で、細かな修正を加えながら動いていくわけですが、そのための戦略や伝達手段となるコミュニケーションは、非常に大事だと思っています。(後略)」との記載があることに照らせば、原審において説示するように、「野球型の経営」との対比について述べる場合も含め、「経営環境の変化に応じて機敏に対応できるように、試合中もそれぞれの選手が一つの目標に向かって自由に動くことのできる経営」といった意味合いを有する経営手法の一類型を表す語として、一般に広く用いられていることが認められる。

してみれば、本願商標「サッカー型経営」をその指定役務中「経営に関する指導・助言及びその情報の提供,経営の診断及び指導」等、経営に関する役務に使用するときは、需要者をして、前記のとおりの意味合いを有する経営手法の一類型を表す語、すなわち、その提供に係る役務の質(内容)を表示したものと理解するに止まり、自他役務の識別標識とは認識し得ないものというべきであるから、結局、本願商標は、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。

また、本願商標は、これを経営に関する役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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