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Trademark Appeal Case

容器形状の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第16582号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、商標の構成を別紙に示すものとし、第2類「塗料、染料、顔料、印刷インキ(「謄写版用インキ」を除く。)、謄写版用インキ、絵の具、塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の非鉄金属はく及び粉、塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の貴金属はく及び粉、防錆グリース、壁紙剥離剤、媒染剤、木材保存剤、カナダバルサム、コパール、サンダラック、シェラック、松根油、ダンマール、マスチック、松脂」及び第20類「木製・竹製・プラスチック製の包装容器」を指定商品として、平成9年4月1日に立体商標として登録出願されたもので、その後、指定商品については、第2類「塗料、染料、顔料、印刷インキ(「謄写版用インキ」を除く。)、謄写版用インキ、絵の具、塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の非鉄金属はく及び粉、塗装用・装飾用・印刷用又は美術用の貴金属はく及び粉」と補正されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、『本願商標は、外観上その形状に多少のデザイン化若しくは機能上の工夫が施されていることは認められるが、指定商品との関係よりすれば、それらの商品の包装(収納容器)の一形態を示す立体的形状を認識させるに止まるものであるから、これを指定商品について使用しても、単に商品の包装(収納容器)の形状を普通に用いられる方法をもって表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。』旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)平成8年法律第68号により改正された商標法は、立体的に表された標章であって、商品又は役務について使用をするものを登録する立体商標制度を導入し、その中には商品若しくはその包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含まれるとしても、商品等の形状は、それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)に商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。

そして、この商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、全体としてみた場合商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まるというのが相当である。

また、商品等の形状は同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人も使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。

そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係しない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標は、使用された結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において当該形状をもって同種の商品又は役務と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。

立体商標制度を審議した工業所有権審議会の平成7年12月13日付け「商標法等の改正に関する答申」P30においても、「3.(1)立体商標制度の導入▲3▼需要者が指定商品若しくはその容器又は指定役務の提供の用に供する物の形状そのものの範囲を出ないと認識する形状のみからなる立体商標は登録対象としないことが適当と考えられる。・・・ただし、これらの商標であっても使用の結果識別力が生ずるに至ったものは、現行法第3条第2項に基づき登録が認められることが適当である。」としている。

(2)これを本願についてみれば、本願商標は、複写機又はプリンターにおいて当該機械内に取り付けて又は当該機械内のタンクに注入するために使用するトナーなどの収納容器の一形態を表すものであるから、これを指定商品「トナー」などに使用しても、取引者、需要者はトナーなどの収納容器を表示したものと認識すると認められ、単に商品の包装の形状を表示するにすぎないものと言うべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

(3)請求人は、種々主張するが、商品の包装の形状は、本来的には包装容器としての機能、すなわち、本願にあっては、本願商標が表示する容器は、それに一定量のトナーを収納し、それを複写機等の所定のトナータンクなどに漏れなく注入する機能を果たすために採択されたものであることは、その形状から明らかであると認められる。

また、請求人は、本願商標について、筒型の上方にスロープを施した部分、同じく上方に凸部を施した部分又は筒に螺旋に切り欠きを施した部分が特殊な態様であり、識別機能を果たす旨主張する。

しかしながら、請求人主張の前記特徴はいずれもトナーなどの収納容器としての機能を果たし、また、美感を高めるために採択されたものと認められ、そして、これら程度の特徴は、他のトナーなどの収納容器でも普通に採択されているものである(本件審判請求書添付資料1−1,2,3,6等参照)。してみれば、前記の特徴に係わらず本願商標は、全体としても、筒型形状からなるトナーなどの収納容器を認識させるにすぎず、普通に用いられる収納容器の範囲の域を出ない形状を表示したものと言うべきである。したがって、請求人の主張は採用することができない。

4 結論

以上のとおり、本願商標は指定商品の包装(収納容器)の形状を普通に用いられる方法で表示するものとし、商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、正当であって取り消す限りでない。

よって結論のとおり審決する。

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