sokuhyo

Trademark Appeal Case

単純図形の外観類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−15591(T2003−15591/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、平成14年2月27日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4133037号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成8年5月31日に登録出願、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,通信衛星による通信,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、同10年4月10日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲(1)のとおり、人の笑顔と思しき表情を極めて単純な構成態様によって表した図形の円輪郭内下部に、筆記体で小さく表された「Harvey Ball」の欧文字を配してなるものであるところ、これを構成する図形部分と文字部分とを常に一体不可分のものとして把握しなければならない格別の事情を見出し難いものであるから、図形又は文字の各部分はいずれもそれ自体独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものと認められ、しかも、その構成中、看者に強く印象づけられるのは、擬人化された笑顔即ち図形部分の全体的な表現方法にあるといえる。

これに対して、引用商標は、別掲(2)のとおりの図形よりなるものである。

そこで、本願商標の図形部分と引用商標とを比較すると、これらの図形はいずれも、円輪郭内に、目と思しき黒塗りの縦長の楕円形の点を上部に2つ並べ、その下部に口と思しき両端上がりの1線の弧と、その両端に弧にほぼ垂直になるように短い線を描いてなるものであって、人の笑顔と思われる表情を極めて単純な構成態様によって表現したことに特色があるものと認められる。

そして、これらの図形は、仔細に観察すれば、目及び口の位置や大きさ、口の弧の曲線の太さや角度等の細部において差異があるとしても、これらの差異は、円輪郭、楕円の黒点、両端上がりの1線の弧という極めて単純な構成態様によって表現した擬人化された笑顔を想起せしめるという共通点に比して微差というべきであり、これらの差異は看者にとってさほど印象に残るものとはいい難い。

してみれば、これらの図形は、その特色をなす人の笑顔と思われる表情を極めて単純な構成態様によって表現したという基本的構成において、その構成の軌を一にするものであり、これらを構成の主要部分とする本願及び引用の両商標に接する需要者は両商標より共通する印象を強く受けるものと認められるから、これらを時と処を異にして離隔的に観察した場合は、互いに相紛れるおそれのあるものといわざるを得ない。

そうとすると、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念において差異を有するとしても、外観において類似する商標というべきであり、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務に包含されるものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。

なお、請求人は、平成13年10月25日の大阪地裁判決を引用し、本願商標が引用商標と非類似である旨を主張しているところ、いわゆる「スマイルマーク」商標に関して、その商標権の禁止権の効力が及ぶ範囲は、当該商標に示された具体的外観(顔、目及び口の位置、描線等)を備えるスマイルマークに限定されると解するのが相当である旨の判断が示されたことは認め得るが、これは登録商標の効力制限を判断したものであって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるか否かを判断する本件にあっては、標章及び使用商品の相違等、別異の事案というべきであり、これをもって本願商標と引用商標とが類似しないとなるものでもない。

このことは既に、同様に商標法第4条第1項第11号に該当するものであるか否かが争われた事件(平成14年(行ケ)第536号)で、「なお、原告が引用する判例は、本件商標とはその構成等が異なる別の登録商標(登録第2154392号、昭和46年10月8日商標登録出願、平成元年7月31日設定登録、指定商品・旧第25類「紙類、文房具類」)に関するものであり、かつ、原告が引用する上記判例の判旨部分は、商標権の禁止権の効力が及ぶ範囲について判示するものであって、商標登録の要件に関する本件と事案を異にしており、〜中略〜、本件商標と引用商標とが類似するとの本件決定の認定、判断に誤りがあると解することはできず、原告の上記判例の判旨に基づく主張も失当である。」との判断が東京高等裁判所により示されているところである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。