Trademark Appeal Case
地名と記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−6351(T2003−6351/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第30類「ゆずを加味してなるしょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,めんつゆ,ドレッシング,焼き肉のたれ」を指定商品として平成13年9月11日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、平成14年7月16日付け手続補正書により、第30類「ぽん酢しょうゆ」と補正されたものである。
2 原査定における拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、高知県安芸郡馬路村を産地、販売地とするゆずを使用したぽん酢しょうゆであることを認識させる『ぽん酢しょうゆ』『馬路村』『土佐』『高知』の文字と黒塗り四角形内に『ゆず』、黒塗り四角形内に『馬路村謹製柚』の文字をそれぞれ表し、ゆずの写実的な図形を配してなるから、このようなものを本願指定商品中前記商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できない。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、文字と図形とを組み合わせてなるところ、本願商標を構成する文字、落款、及び図形について検討するに、中央に顕著に書された「馬路村」の文字は、高知県東部、安芸郡に在り徳島県境の山村の地方公共団体を指称するものである。そして、「馬路村」の文字の右側に配された「ぽん酢しょうゆ」の文字は、本願商標の指定商品の普通名称を、「ゆず」の文字は、ぽん酢しょうゆの材料の一つを、同左側に配された「土佐」の文字は、高知県全域を占める旧国名を、「高知」の文字は、土佐の文字と相俟って四国地方、太平洋側の県を、「馬路村」及び「謹製柚」の文字を二列に書した落款部分は、馬路村で端正込めて生産された柚である程の意味合いを、図形部分については、「ゆず」の文字と相俟って、柑橘類の特徴ともいえる表皮の凹凸を端的描いた柚の図形と看取し得るものであって、本願商標の指定商品であるぽん酢しょうゆの材料の一つを、それぞれ記述又は図示したものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標をその指定商品について使用する場合、本願商標に接する取引者、需要者は、その商品が「高知県馬路村で端正込めて生産された柚を使用したぽん酢しょうゆ」程の意味合いを把握、理解するに止まり、単に商品の普通名称、産地、原材料を表したにすぎず自他商品識別機能を果たし得ないもので、結局、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわなければならない。
なお、審判請求人は、「ごっくん馬路村」(登録第2452308号商標)、「ぱっと馬路村」(登録第3328718号商標)、「ミス馬路村」(登録第4466376号商標)を挙げ、「馬路村」の名前のブランド化及び「馬路村謹製柚」の識別性を主張している。
しかしながら、本願商標と前記登録商標3件とは、その構成態様において著しく異なる別異の商標であり事案を異にするから、同一に論じることはできない。
また、「馬路村」は、町村合併に不参加宣言をしたことによって全国ブランドになったとも主張しているが、確かに、「馬路村」は、町村合併に不参加宣言を行い、その旨の新聞報道がされた結果、ある程度周知性を獲得したものと推認し得るにしても、商標の登録要件(商標法第3条)にあたって重要なことは、商標と商品との関係において、自他商品を区別する標識としての識別力を具有しているか否かであって、他の事由によって周知・著名性を獲得しても、商標の登録要件を判断するに際して何ら影響を与えるものではないこと明らかである。
更に、「馬路村謹製柚」の文字部分は、「馬路村」、「謹製」及び「柚」の各文字が持つ意味から、前述のとおり、「馬路村で端正込めて生産された柚」程の意味合いを理解させるものであって、商品の記述的部分にすぎず自他商品識別機能を果たし得ないものである。
以上のとおり、審判請求人の主張は、いずれも失当であり採用できない。
してみれば、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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