Trademark Appeal Case
五稜星図形の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90040(T2004−90040/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4719549号商標(以下「本件商標」という。)は、平成15年3月28日に登録出願、後掲(1)のとおりの構成よりなり、第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同年10月17日に設定登録されたものである。
2.登録異議申立の理由(要点)
異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に該当するものであり、同法第43条の3第2項の規定により、その登録は取り消されるべき旨申し立てた。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、以下の(a)ないし(g)に示す登録商標(以下、纏めては「引用各商標」という。)と同一又は類似であって、その指定商品も同一又は類似の商品について使用するものである。
(a)登録第4287761号商標(以下「引用A商標」という。)は、後掲(2)のとおりの構成よりなり、平成9年8月13日に登録出願、第32類「ビール,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同11年6月25日に設定登録されたものである。
(b)登録第4225936号商標(以下「引用B商標」という。)は、後掲(3)のとおりの構成よりなり、1997年2月13日イタリア共和国の商標登録出願に基づく優先権を主張して、平成9年6月11日に登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同10年12月25日に設定登録されたものである。
(c)登録第4278259号商標(以下「引用C商標」という。)は、後掲(4)のとおりの構成よりなり、1997年2月13日イタリア共和国の商標登録出願に基づく優先権を主張して、平成9年6月11日に登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料(トマトジュースを除く。),ビール製造用ホップエキス」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同11年5月28日に設定登録されたものである。
(d)登録第4371872号商標(以下「引用D商標」という。)は、後掲(5)のとおりの構成よりなり、平成10年12月28日に登録出願、第30類「イタリア製又はイタリア産のコーヒー及びコーヒー豆」を指定商品として、同12年3月31日に設定登録されたものである。
(e)登録第4403733号商標(以下「引用E商標」という。)は、後掲(6)のとおりの構成よりなり、1997年3月7日イタリア共和国の商標登録出願に基づく優先権を主張して、平成9年6月11日に登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同12年7月28日に設定登録されたものである。
(f)登録第4420838号商標(以下「引用F商標」という。)は、後掲(7)のとおりの構成よりなり、1997年3月7日イタリア共和国の商標登録出願に基づく優先権を主張して、平成9年6月11日に登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同12年9月29日に設定登録されたものである。
(g)登録第4449417号商標(以下「引用G商標」という。)は、後掲(8)のとおりの構成よりなり、1997年2月13日イタリア共和国の商標登録出願に基づく優先権を主張して、平成9年6月11日に登録出願、第32類「キノット」を指定商品として、同13年1月26日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人が使用する「星の図形」商標は、日本及び世界各国において周知・著名であるから、かかる周知・著名な申立人商標と本件商標は同一又は類似する。さらに、本件商標は、使用されれば申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある商標である。
3.当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
(ア)本件商標と引用A商標の対比
本件商標は、後掲(1)のとおり、灰色かかった太線による縁取部と黒塗り五稜星とにより構成される図形であって、これより灰色の縁取りがされた黒塗り五稜星図形よりなる商標の如きに記憶・印象して商取引に資されるものといえる。
他方、引用A商標は、後掲(2)のとおり、赤色の五稜星状輪郭線と間隔を設けて内に赤塗り五稜星を配した構成よりなる図形であって、これより赤色輪郭線を有する赤塗り五稜星図形よりなる商標として記憶・印象されるものである。
してみると、本件商標と引用A商標とは、その図形構成要素の相違、すなわち、前者は外郭が灰色の縁取りによりなるのに対し、後者は赤色の輪郭線によって描かれ、加えて、その内に配される五稜星はそれぞれ黒色と赤色になるものであって、これらの異なる点が看者に与える影響は大きく、両者を時と処を異にして離隔的に観察するも、別異の商標として認識されるとみるのが相当である。
そうすると、本件商標と引用A商標とは、その図形構成要素の相違ないしその記憶・印象から、外観において相紛れるおそれはないものというべきであって、また、両図形から特定の称呼及び観念が生ずるともいい難いから比較し得ず、他に両商標が類似するとの点を見出せない。
(イ)本件商標と引用B、C、EないしG商標の対比
本件商標は、上述のとおり、灰色の縁取りがされた黒塗り五稜星図形商標の如きに記憶・印象して商取引に資されるものである。
他方、引用B、C、EないしG商標は、それぞれ後掲(3)(4)(6)(7)及び(8)のとおり構成よりなり、かかる構成にあって、それらの図形部分が文字部分とは独立しても識別標識として機能するものとみて差し支えないものである。そして、引用B、C、EないしG商標の図形部分は、細線と太線による五稜星状二重輪郭線と順次間隔を設けて内に五稜星を配した構成よりなる図形であって、これより二重の五稜星状輪郭線を有する五稜星図形よりなる商標として記憶・印象されるものである。
してみると、本件商標と引用B、C、EないしG商標とは、その図形構成要素の相違、すなわち、前者は外郭が灰色の縁取りによりなるのに対し、後者は細線と太線による二重輪郭線によって描かれ、両者のこれらの異なる点が看者に与える影響は大きく、その内に配される五稜星を共通にするものであるとしても、外郭のかかる構成要素を捨象して、内に配される五稜星のみを分離・抽出して取引に資されるものとはいい難く、両者は各図形構成要素を一体的に捉えて把握するものといえるから、両者を時と処を異にして離隔的に観察するも、別異の商標として認識されるとみるのが相当である。
そうすると、本件商標と引用B、C、EないしG商標の図形部分とは、その図形構成要素の相違ないしその記憶・印象から、外観において相紛れるおそれはないものというべきであって、また、本件商標と引用B、C、EないしG商標の図形部分から特定の称呼及び観念が生ずるともいい難いから比較し得ず、他に両商標が類似するとの点を見出せない。
(ウ)本件商標と引用D商標の対比
引用D商標は、後掲(5)のとおり構成よりなり、かかる構成にあって、該図形部分が文字部分とは独立しても識別標識として機能するものとみて差し支えないものである。そして、引用D商標の図形部分は、引用A商標と構成を同じくし、上述(ア)で認定したと同様に判断し得るものであから、引用D商標と本件商標とは、その図形構成要素の相違、すなわち、前者は外郭が灰色の縁取りによりなるのに対し、後者は赤色の輪郭線によって描かれ、加えて、その内に配される五稜星はそれぞれ黒色と赤色になるものであって、これらの異なる点が看者に与える影響は大きく、両者を時と処を異にして離隔的に観察するも、別異の商標として認識されるとみるのが相当であり、外観において相紛れるおそれはないものというべきであって、また、両図形から特定の称呼及び観念が生ずるともいい難いから比較し得ず、他に両商標が類似するとの点を見出せない。
(エ)小括
上述のとおり、本件商標と引用各商標とは非類似の商標であるから、本件商標が商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとすることはできない。
(2)商標法第4条第1項第10号、第15号について
(ア)申立人使用商標
申立人提出に係る料理雑誌への広告掲載、旅行ガイドへの製品紹介及び製品のパンフレット(甲第51号証ないし甲第78号証)等によれば、後掲の引用A商標と同じくするといえる赤色の五稜星状輪郭線と間隔を設けて内に赤塗り五稜星を配した構成よりなる図形の使用を認めることができる(以下「申立人使用商標」という。)。また、申立人使用商標は、色彩を確認できないが上記広告掲載例と同様なものと推認できるものを雑誌(1998.7号、1998.6号)への広告掲載(甲第40号証、甲第41号証)及び雑誌への広告掲載(発行日不明:甲第42号証ないし甲第50号証)に使用していたことが認められるほか、その他の甲各号証により申立人は、申立人使用商標を商品「ナチュラルミネラルウォーター」についての使用事実が認められる。
そして、申立人は、イタリア大使館による証明書(甲第82号証)を提出して、かかる証明書には「イタリア大使館は、広範囲な市場情報及び関連書類に基づき、SAN PELLEGRINO S.p.Aが「RED STAR DEVICE(赤い星の図形)」の合法的な所有者であり、これが広く使用され登録されていることを認める。この商標は日本を含む世界中の多くの国で、ミネラルウォーター、炭酸水及びその他の飲料について使用されており、2003年3月28日の十分前から大きな評判及び名声を得ている。」旨が記載されていると述べているところである。
そうすると、申立人使用商標は、商品「ナチュラルミネラルウォーター」について使用され、我が国のこの種商品における取引者・需要者の間に相当程度知られているとみて差し支えないものといえる。
(イ)本件商標と申立人使用商標との対比
しかし、(1)(ア)で認定したと同様に、本件商標と申立人使用商標とは、その図形構成要素の相違、すなわち、前者は外郭が灰色の縁取りによりなるのに対し、後者は赤色の輪郭線によって描かれ、加えて、その内に配される五稜星はそれぞれ黒色と赤色になるものであって、これらの異なる点が看者に与える影響は大きく、両者を時と処を異にして離隔的に観察するも、別異の商標として認識されるといえるから、本件商標と申立人使用商標とは、その図形構成要素の相違ないしその記憶・印象から、外観において相紛れるおそれはないものというべきであって、たとい申立人使用商標から「RED STAR DEVICE(赤い星の図形)」の観念を生ずるとしても、両者を類似するとの事由とは認め難く、また、申立人使用商標から、「レッドスター」の称呼が生ずるとしても、本件商標からは特定の称呼及び観念が生ずるものでなく比較し得ない。他に両商標が類似するとの点を見出せない。
(ウ)出所の誤認について
また、申立人使用商標は、たとい、申立人の業務に係る商品「ナチュラルミネラルウォーター」を表示するものとして、本件商標登録出願時に需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、これは申立人の主張及び立証によれば「RED STAR DEVICE(赤い星の図形)」と認識されている商標であるのに対し、本件商標は、灰色の縁取りになる黒色を基調とする星形図形商標であって、両商標がその外観、称呼及び観念のいずれからしても十分に区別し得る商標であること上述したとおりであり、本件商標と申立人使用商標とは別異な商標として記憶、印象され、両者間にその出所を混同させる要因は見出せないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者が直ちに申立人使用商標を想起し、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように誤信するものでなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
(エ)小括
上述のとおり、本件商標と申立人使用商標とは非類似の商標であるばかりでなく、本件商標を申立人使用商標と誤信し、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないから、本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものとできない。
(3)結語
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものとなし得ないから、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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