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Trademark Appeal Case

無断出願と公序良俗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90160(T2004−90160/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4735328号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4735328号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年3月31日に登録出願、第16類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年12月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

本件商標の指定商品中、第16類の全指定商品については、以下の理由により、その登録は取り消されるべきである。

本件登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、1915年に設立された米国の映画製作会社であり、世界三大エンターテイメントグループとして知られている。そして、申立人の制作した作品は、全米のみならず日本においても多数の観客を動員しており、ビデオ・DVD化されることによって繰り返し親しまれている。申立人の略称「Universal(ユニバーサル)」は、映画制作はもちろんのこと、映画のテーマパークの提供、映画・音楽・ゲームなどの豊富なメディアの制作と配給という総合的な娯楽に関連する商品・役務に使用するものとして広く知られている。

また、申立人は、ユニバーサルの映画、音楽等の全ての情報を届けることをはじめとし、ユニバーサルを楽しむためのファンクラブ「UNIVERSALFANCLUB」(以下、「ファンクラブ」という。)を有しており(甲第3号証)、日本でも同様のファンクラブを設立すべく、「UNIVERSAL STUDIOS FANCLUB」の文字からなる商標を登録出願し(平成12年4月4日)、設定登録(同13年4月20日)を受けている。その後、同13年12月に申立人のライセンス管理会社は、日本でのファンクラブの運営管理についての契約を株式会社サイバーブレット(以下、「ライセンシー」という。)と締結した(甲第5号証及び甲第6号証)。ライセンシーは、本件商標権者であるコアラプランニング株式会社(以下、「本件商標権者」という。)と雑誌「ユニバーサルファン」の企画、製作、編集、広告営業についての代行業務をその内容とする業務委託契約を締結した(甲第7号証)。

ライセンシーは、本件商標権者を編集人として、雑誌「ユニバーサルファン」を、創刊前特別号を同15年4月1日に、創刊号を同年5月1日に発刊し(甲第8号証及び甲第9号証)、「UNIVERSALFANCLUB」のウェブサイトの提供も始めた(甲第10号証)。その後、申立人は、ライセンシーが「UNIVERSALFAN」商標を雑誌のみに使用することを条件に、第16類「新聞、雑誌」に登録出願(同年5月29日)したところ、本件商標が引用され、拒絶理由通知を受けたので、本件商標権者が本件商標を同年3月31日に登録出願していることを知った。

このように、本件商標権者は、申立人に無断で本件商標を登録出願したものであるから、本件商標を登録出願し、商標権を取得した本件商標権者の行為は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあり、著しく社会的妥当性を欠くものである。

したがって、その登録を容認することは、商標法の目的に反するといえるから、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は、別掲のとおり、「UNIVERSALFAN」の欧文字をやや図案化して表してなるものである。

申立人は、本件商標を登録出願する権利を有している者は申立人自身であるから、本件商標権者が本件商標を登録出願した行為は、著しく社会的妥当性を欠き、商標法の目的に反する旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第10号証を提出している。

そこで、申立人提出の甲各号証を検討するに、甲第7号証の業務委託契約書は、契約者双方の署名捺印もなく、また、契約日時等も記載されていないから、正規の契約書として作成されたものということができず、この業務委託契約書に記載された内容は、申立人の主張を立証する証拠として採用することができない。甲第1号証、甲第2号証及び甲第4号証は、本件商標、商願2003−44004号及び登録第4468874号商標の商標情報であり、甲第3号証及び甲第10号証は、申立人または「UNIVERSAL FAN CLUB」のウェブサイトであり、甲第5号証は、ライセンシーの会社情報である。甲第6号証は、運営管理についての契約書としているが、英語文のみで訳文の提出がない。甲第8号証及び甲第9号証は、雑誌「ユニバーサルファン」の創刊前特別号及び創刊号であるが、いずれも本件商標の登録出願後のものである。

そうすると、申立人の提出した甲第1号証ないし甲第10号証を総合して勘案しても、本件商標権者が申立人主張のように、本件商標を無断で出願したものということができないから、本件商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、商標法の目的に反するものといえず、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれはないといえるものである。

したがって、本件商標は、登録異義の申立てにかかる指定商品について、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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