Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90372(T2004−90372/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4757896号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、黒塗りの長方形内に白抜きで大きく表された「PrestoY’z」の文字の上段に小さく「プレストワイズ」の文字を白抜きで表し、さらに「Y」の文字の下に白抜きで表された小さな三角形を配した構成からなり、平成15年9月30日に登録出願され、第20類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成16年2月19日登録査定、同年3月19日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、日本を代表するデザイナーである山本耀司のデザインに係る被服について使用する「Y’s」又は「ワイズ」の文字からなる商標を始め、「Y’s」又は「ワイズ」の語を語幹に有してなる商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が多数登録され使用されている。そして、引用商標は、被服は勿論のこと、広範な商品やサービスについて現在も継続的に使用されているため、日本を含め広く世界の国々において需要者・取引者の間で広く知られるに至っており、すでに国際的に周知・著名の域に達している。さらに、ファッションブランドが被服や装飾品のみならず家具や寝具等、様々な商品を展開することは一般に行われており、実際、申立人は「Y’s for living」の商標の下で家具、ベッドを始めとした生活一般の製品を製造・販売している。
他方、本件商標は、その構成上、「Y’z」の文字部分が特に注意をひかれ、この文字部分において引用商標と外観上類似するものであり、かつ、「ワイズ」の称呼を生ずるものであるから、引用商標とは「ワイズ」の称呼を共通にする類似の商標である。
そうすると、申立人の引用商標、商号及びハウスマークとして有名な「Y’s」及び「ワイズ」と類似する本件商標は、引用商標と極めて紛らわしいものであり、これがその指定商品に使用された場合には、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるので、商標法4条1項15号に該当する。
また、本件商標は、申立人のグループ企業である「株式会社ワイズ」の著名な略称、ひいてはその一連のブランドに与えられるハウスマーク「Y’s」「ワイズ」を語幹に有する商標の著名な略称である「ワイズ」を顕著に含む商標であるから、同法4条1項8号に該当する。
よって、本件商標の登録は取り消されるべきものである。
第3 当審の判断
1 申立人は、引用商標が我が国を含め世界各国において需要者・取引者の間に広く認識されている旨主張し、証拠を提出している。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が具体的な商品についてどのように使用されているのかが明らかでなく、これらの証拠のみによって直ちに、引用商標が、申立人の業務に係る商品を示す商標として、我が国において取引者・需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
一方、本件商標は、その構成中の「プレストワイズ」の文字部分は、同書同大の文字を一連一体に書してなるものであり、また、「PrestoY’z」の文字部分も、外観上まとまりよく一体的に表現されていて、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼できるものであって、殊更「ワイズ」又は「Y’z」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき格別の理由は見出し難いものであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるものとみるのが自然である。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が「ワイズ」又は「Y’z」の文字部分に着目して引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
2 申立人は、本件商標が申立人のグループ企業である「株式会社ワイズ」の著名な略称である「ワイズ」を含むものである旨主張している。
しかしながら、「ワイズ」又は「Y’s」が申立人のグループ企業である「株式会社ワイズ」の略称として著名になっていることを具体的に示す証拠は何ら提出されていないので、申立人の主張を直ちに認めることはできない。
そうすると、本件商標は他人の名称の著名な略称を含むものとはいえない。
3 以上のとおり、本件商標は、商標法4条1項15号及び同8号のいずれの規定にも違反して登録されたものではない。
よって、同法43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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