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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90394(T2004−90394/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4757120号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4757120号商標(以下「本件商標」という。)は、「DesCarrier」の文字を標準文字で書してなり、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年9月8日に登録出願、同16年3月19日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、「CARRIER」の文字を横書きしてなり、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和53年1月13日登録出願、同57年1月29日に設定登録され、その後、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換の登録が平成15年6月25日にされた登録第1496274号商標(以下「引用商標1」という。)ほか、登録第442108号商標、同第442112号商標、同第442113号商標、同第2713156号商標、同第3093194号商標、同第3173552号商標、同第4000616号商標及び同第4430672号商標である(これらの登録商標をまとめていうときは、以下単に「引用商標」という。)。

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)本件商標と引用商標の類似性

本件商標と引用商標は、「キャリア」又は「キャリヤ」の称呼において類似し、かつ、外観も類似する。

(2)商標法第4条第1項第13号について

本件商標は、引用商標1の指定商品中、書換の登録の申請がされなかった「電子応用機械器具」についての商標権が消滅した日(平成15年6月25日)から1年を経過せず登録されたものであり、本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品であった「電子応用機械器具」とは、同一又は類似の商品である。

(3)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用商標の類似性は、前記(1)のとおりであり、また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品又は指定役務の提供に用に供する物の部品として使用される電子制御装置等と類似するものである。

(4)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、世界的に著名な米国の空調装置、冷暖房装置、冷凍機械器具等の製造販売会社であり、日本国内外において「Carrier」商標(以下「引用標章」という。)を使用している。本件商標は、その構成中に引用標章と同一の文字を含むものであり、これをその指定商品について使用した場合には、申立人の業務に係る商品と商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標である。

(5)商標法第4条第1項第8号について

本件商標中の「Carrier」は、申立人の著名な略称である。

(6)商標法第4条第1項第7号について

前記(4)のとおり、申立人は、世界的に著名な空調装置、冷暖房装置、冷凍機械器具等の製造販売会社であり、また、本件商標権者も日本において著名な空調機等の製造販売会社であるから、商標権者が引用標章を含む本件商標を使用することは、商取引の信義則に反し、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある。

(7)商標法第4条第1項第19号について

引用標章は、申立人がその業務に係る商品又は役務について使用をした結果、日本国内外において需要者の間に広く認識されているものであるから、引用標章を含む本件商標を、申立人の競業者である商標権者が使用することは、不正の目的をもって使用するものである。

(8)むすび

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第13号、同第11号、同第15号、同第8号、同第7号又は同第19号のいずれかに該当し、その登録を取り消されるべきものである。

4 当審の判断

(1)本件商標と引用商標の類否について

本件商標は、前記のとおり、「DesCarrier」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって、外観上一体的に表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「デスキャリア」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。そして、本件商標は、これを「Des」の文字部分と「Carrier」の文字部分とに分離して、「Carrier」の文字部分のみを抽出して称呼、観念しなければならない格別の理由は存しない。

してみると、本件商標は、構成全体をもって、特定の意味合いを想起させない一種の造語よりなるものと理解されるとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「デスキャリア」の一連の称呼のみを生ずるものといわなければならない。

そうすると、本件商標より「キャリア」の称呼をも生ずるとし、これを前提に本件商標と引用商標とが「キャリア」の称呼において類似するとする申立人の主張は、理由がない。また、他に本件商標と引用商標とが類似するとみるべき事由は見出せない。

以上によれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)商標法第4条第1項第13号及び同第11号について

本件商標が商標法第4条第1項第13号及び同第11号に該当するとする申立人の主張は、本件商標と引用商標とが称呼及び外観において類似することを前提としてなされているものである。

しかしながら、前記(1)で認定したとおり、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標というべきであるから、申立人の主張は、前提において誤りがあり、失当である。

(3)商標法第4条第1項第15号及び同第8号について、

申立人は、引用標章が申立人の略称として、また、申立人の取扱いに係る商品、役務を表示するものとして、著名である旨主張する。

しかし、申立人は、引用標章の著名性を立証するための証拠について、商標法第43条の4第2項ただし書きで規定する期間内にその補充の提出がないばかりでなく、本件商標の指定商品と申立人の取扱いに係る空調装置等とは、商品の品質、用途、取引系統等を異にする商品といえるものである。加えて、本件商標は、前記のとおり、その構成中の「Carrier」の文字部分のみが独立して認識されるものではない。

そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、申立人又はこれと何らかの関係にある者の取扱いに商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできないし、また、他人の著名な略称を含む商標ともいえない。

(4)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について

本件商標が引用標章と商標において相違することは前記のとおりであるから、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできないし、また、不正の目的をもって使用するものということもできない。

(5)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第13号、同第11号、同第15号、同第8号、同第7号及び同第19号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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