Trademark Appeal Case
称呼・外観の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90246(T2004−90246/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4743701号商標(以下「本件商標」という。)は、「ファイネックス」の片仮名文字と「FINEX」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成15年5月29日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年1月23日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の2件の登録商標を引用している(以下、これらの商標を総称して「引用各商標」という。)。
(a)登録第2479201号商標は、「FINTEX」の欧文字を横書きしてなり、平成2年11月19日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年11月30日に設定登録されたものである。なお、指定商品については、その後、平成15年10月15日に指定商品の書換登録により、第18類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
(b)登録第2585810号商標は、「FINTEX」の欧文字を横書きしてなり、平成3年4月23日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年10月29日に設定登録されたものである。なお、指定商品については、その後、平成15年10月15日に指定商品の書換登録により、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
(2)商標法第4条第1項第第11号について
本件商標は、片仮名文字部分より「ファイネックス」の称呼を生ずるほか、欧文字部分より、親しまれている英語風の発音に応じて「フィネックス」の称呼をも生ずるものである。一方、引用各商標からは「フィンテックス」の称呼を生ずる。
してみれば、本件商標から生ずる「フィネックス」と引用各商標から生ずる「フィンテックス」の称呼とは、「フィ」で始まり、「ックス」で終わるという音構成において共通するものであり、この共通性は商標全体において強い印象を残すものであって、中間音における差異であることから、全体的印象としての共通性を覆すほどに、その発音に相違はなく、両者は、称呼において類似するものである。
また、両商標は、中間における「T」の文字の有無の差異のみであるから、外観においても類似する。
(3)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
申立人の使用に係る「FINTEX」の商標は、英国の老舗ブランドであり、我が国においても英国の高級紳士服地の商標として広く知られているものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接する取引者・需要者は、その商品が恰も申立人の業務に係る商品であるか又は申立人と密接な関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
また、本件商標は、申立人の引用商標の著名性を希釈化し、不正の目的をもって使用されるものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の商標において、その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、仮名文字部分より生ずる称呼がその商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。
そうとすると、本件商標は、「ファイネックス」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。
一方、引用各商標は、その構成文字に相応して「フィンテックス」の称呼を生ずるものと認められる。
そうとすれば、本件商標から生ずる「ファイネックス」の称呼と引用各商標から生ずる「フィンテックス」の称呼とは、相違する音の音質において明らかな差異を有し、全体の語調・語感も異にするものであるから、互いに明瞭に聴別し得る差異を有するものと認められる。
また、本件商標の欧文字部分と引用各商標の外観のみを比較してみても、中間部分における差異とはいえ、比較的短い文字構成からなる両商標において、明瞭な字形である「T」の文字の有無の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。
更に、両商標は、いずれも特定の意味合いを有するものとはいえないから、両者の観念については比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
上記したとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標であるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
また、本件商標と引用各商標との関係は、上記のとおりに理解されるものであるから、本件商標が引用各商標の著名性を希釈化することを意図して出願されたものとはいえず、不正の目的をもって使用をするものであることを裏付ける証左もない。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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