Trademark Appeal Case
結合商標の要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90204(T2004−90204/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4746310号商標(以下「本件商標」という。)は、「磯なんば」の文字を標準文字により書してなり、平成15年6月25日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年2月6日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第469065号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和27年1月19日に登録出願、第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同30年8月11日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由の要点
(1)本件商標は、その構成中の「なんば」の部分が識別力の強い要部と感得されるので、同じく「なんば」を要部とする引用商標と類似する商標であり、指定商品も抵触する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標は、和歌山県及びかまぼこ業者の間で「焼きかまぼこ」について古くから広く知られるに至っている。
したがって、引用商標と類似する本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)引用商標の要部たる「なんば」の語を要部として構成される本件商標がその指定商品に使用された場合には、その出所について重大な誤認・混同を惹起する蓋然性が高いから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)本件商標は、引用商標の信用にただ乗りしようとするものであり、公正な競争秩序の維持を目的とする商標法の精神に悖るものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(5)商標権者は、本件商標の登録出願前に申立人より警告を受けており、引用商標の存在については十分知り得ていたにもかかわらず、本件商標を登録出願したものである。
したがって、本件商標は、不正な目的をもって使用するものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(6)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第7号及び同第19号に違反してされたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおり、「磯なんば」の文字よりなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって一連に書されているばかりでなく、これより生ずると認められる「イソナンバ」の称呼は、無理なく一気に称呼し得るものである。また、本件商標中の「磯」の文字部分が「海・湖などの水際で、石の多い所」(広辞苑第5版)などを意味する語であるとしても、本件商標の指定商品の品質を直接的に表示するものとまで認めることはできない。
そうすると、本件商標は、これを「磯」と「なんば」とに分離し、「なんば」の文字部分のみを抽出して、称呼、観念しなければならない格別の理由は見出せないから、構成する文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものとみるのがみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「イソナンバ」の一連の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
したがって、本件商標の要部が「なんば」にあるとし、それを前提にして、本件商標と引用商標とが称呼、観念において類似するとする申立人の主張は、その前提において誤りがあり、失当というべきである。
また、本件商標と引用商標は、それぞれ前記した構成よりみて、外観上区別し得るものである。
以上によれば、本件商標は、引用商標と称呼、観念及び外観のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるというべきである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
引用商標が和歌山県内で「焼きかまぼこ」について知られているとしても、本件商標は、前記(1)で認定したとおり、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと認識されるものであって、引用商標とは非類似の商標である。
そうすると、本件商標に接する需要者は、引用商標を想起、連想することはないとうのが相当である。
したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、これをその指定商品について使用することが、公正な競争秩序の維持に反するものとはいえないのみならず、不正の目的をもって使用するものということもできない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第7号及び同第19号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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