Trademark Appeal Case
アルファベット3文字商標の類似性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90213(T2004−90213/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4740126号商標(以下「本件商標」という。)は、「Ysh」の欧文字と「イッシュ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成14年11月25日に登録出願、第18類、第24類、第25類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同16年1月16日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下(a)ないし(c)のとおりである。
(a)登録第3208853号商標は、「YSL」の文字を横書きしてなり、平成5年12月21日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年10月31日に設定登録されたものである。
(b)登録第3269549号商標は、「YSL」の文字を横書きしてなり、平成5年12月21日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年3月12日に設定登録されたものである。
(c)登録第3355599号商標は、「YSL」の文字を横書きしてなり、平成5年12月21日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年10月31日に設定登録されたものである。
(以上の登録商標をまとめていうときは、以下単に「引用商標」という。)
3 登録異議の申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と外観及び称呼において類似する商標であり、また、本件商標の指定商品中第18類「かばん類,袋物,傘,かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」、第24類「織物製テーブルナプキン,ふきん,シャワーカーテン,のぼり及び旗(紙製のものを除く。),織物製トイレットシートカバー,織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕」及び第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、世界的に著名なフランスのデザイナーであり、「YSL」(以下「引用標章」という。)は「イヴ・サン・ローラン」、「Yves Saint Laurent」を識別する標章として、我が国においても広く知られている著名な商標であるから、引用標章と類似の本件商標が使用された場合、その商標の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。
(3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、その登録を取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、その構成中の片仮名文字部分「イッシュ」に相応して「イッシュ」の称呼を生ずるほか、「Ysh」の欧文字部分より「ワイエスエイチ」の称呼をも生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、前記のとおり「YSL」の欧文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「ワイエスエル」の称呼を生ずるものである。
そして、本件商標より生ずる「ワイエスエイチ」の称呼と引用商標より生ずる「ワイエスエル」の称呼とは、語尾部において「イチ」と「ル」の音の差異を有するものである。
また、本件商標の欧文字部分と引用商標はともに一連の成語を形成するものではなく、アルファベット3文字を羅列してなるもので、このような場合、発音に際しては一気一連というよりも一文字一文字を区切って明確に発音されるのが常といえるから、発音上のかかる事情と前記の音の差異とを考慮すれば、両称呼は称呼上相紛れることなく十分区別し得るものというべきである。
さらに、本件商標の欧文字部分と引用商標は、第3番目の文字において「h」と「L」の差異を有するものであり、加えて、前者が大文字と小文字からなるのに対して、後者がすべて大文字で構成されているという相違を有するものでから、本件商標の欧文字部分と引用商標とは、通常の注意力をもってすれば、その差異は明らかに認識し得るもので見誤るおそれはないものである。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、前記のとおり、引用商標とは類似しないものであり、他に混同を生ずるとすべき特段の事情は、見出せない。
また、申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当すると主張するのみで、引用標章について、単に引用商標の登録情報の写し(甲第2号証ないし甲第4号証)を提出するのみで、引用標章の著名性を立証する証拠を何等提出していない。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、該商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはない商標といわなければならない。
(3)以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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