Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90414(T2004−90414/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4765630号商標(以下「本件商標」という。)は、平成15年8月11日に登録出願され、「タイガーベース」の片仮名文字を横書してなり、第11類「暖冷房装置並びにその部品及び附属品,家庭用暖冷房装置並びにその部品及び附属品」を指定商品として、同16年4月9日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の(ア)及び(イ)の登録商標を引用し、本件商標は、その指定商品中「家庭用暖冷房装置並びにその部品及び附属品」については、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである旨主張し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし項第5号証を提出している。
(1)引用商標
申立人が引用する(ア)登録第1738356号商標は「タイガー」の文字よりなり、昭和47年9月20日登録出願、第11類「電気機械器具(但し、電線、ケーブルを除く)、電気通信機械器具、電子応用機械器具」を指定商品として、同59年12月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
同じく(イ)引用登録第1786295号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和57年9月1日登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同60年6月25日に設定登録され、現に有効存続しているものである(以下、総称して「引用商標」という。)。
(2)出所の混同について
申立人は、大正12年に創業し、上記引用商標は、「炊飯ジャー、電気ポット、魔法瓶」等の識別標識として現在まで継続的に使用し、莫大な費用を投入した結果、著名な商標となり、特許庁の特許電子図書館商標検索の日本有名商標集にも掲載されており、したがって、この商標は需要者の間に広く認識されるに至ったものである。
一方、本件商標「タイガーベース」は、「タイガー」の「ベース」、すなわち「タイガーの基」という意味を認識させ、取引者、需要者は同種商品で著名な「タイガー」をイメージすることは容易に想像できる。
このようなわけで、「タイガー」、「TIGER」の文字よりなる引用商標は、「炊飯ジャー、電気ポット、魔法瓶」等の識別標識として取引者、需要者に広く認識されているから、これらの商品と販売場所等の取引系統を同じくする商品「家庭用暖冷房装置並びにその部品及び附属品」について、本件商標を使用するときは、申立人の製造、販売に係わり、あるいは申立人と何等かの関係ある商品であるかの如く出所について混同を生じさせることは明らかである。
3.当審の判断
本件商標は、前記のとおり、「タイガーベース」の片仮名文字を同書、同大、等間隔に横書きしてなり、これより生ずる「タイガーベース」の称呼も
冗長とはいえず、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、前半部の「タイガー」の文字は、「虎」を意味する英語の「Tiger」に通じるものであって、わが国においては極めて親しまれた語ということができ、また、後半部の「ベース」の文字についても、英語の「Base」に通じ、「基礎、基地、野球のベース(塁)」等を意味する語として親しまれているものである。
してみると、我が国において何れも親しまれた「タイガー」の文字と「ベース」の文字とを結合してなる本件商標においては、両語にさほど軽重の差がなく、何れかの文字部分を抽出し、その文字部分をもって取引にあたるとする特別の理由も見いだせないから、本件商標からは「タイガーベース」の称呼のみを生じるものというべきである。
他方、引用商標からは「タイガー」の称呼を生ずること明らかであり、そうとすれば、両商標は、その構成音数を著しく異にするから称呼上相紛れるおそれはないものと言わなければならない。
また、本件商標は、引用商標とは外観上も区別し得るものであるし、さらに、観念においても「虎」の観念を生ずる引用商標と本件商標とは異なること明らかである。
以上のことより、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼、及び観念の何れにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、かつ、本件商標に接する取引者、需要者は、両商標を別異の商標として理解し、認識するものとみるのが相当である。
してみれば、たとえ、申立人の引用商標が「炊飯ジャー、電気ポット、魔法瓶」に広く認識されているとしても、本件商標を「家庭用暖冷房装置並びにその部品及び附属品」について使用しても、これより申立人の引用商標等を連想・想起させることはなく、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと言わざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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